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サンティアゴ大聖堂

サンティアゴ観光

【2025年版】サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光・グルメ情報まとめ!

2019年11月30日

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いつこ

ガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学観光マネジメント修士課程修了。留学生サポート業務(約4年)や、巡礼専門旅行会社での勤務経験を活かし、現地目線で役立つ情報を発信中。まだあまり知られていない本当のサンティアゴとガリシアの魅力を、日本語で丁寧にお届けしています。

スペイン北西部、ガリシア地方に位置する「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」。

キリスト教三大巡礼地の一つとして知られ、世界中から巡礼者が訪れるこの街は、歴史・文化・グルメ・人々の温かさが詰まった場所です。

この記事では、現地在住の日本人ガイドが、2025年最新版の情報をもとに、 観光の定番スポットから穴場エリア、グルメ情報、アクセス方法、買い物、免税、旅のヒントまでをわかりやすくご案内します。

こんな方におすすめ:

  • 初めてのスペイン旅行、北スペインが気になる方
  • 巡礼の終着点サンティアゴを観光で訪れたい方
  • スマホで最新&信頼できる情報を探している方
  • 現地でプライベートガイドを検討している方

サンティアゴ・デ・コンポステーラとは?

サンティアゴ大聖堂

サンティアゴ・デ・コンポステーラは、「巡礼の終着点」として世界的に知られる歴史都市です。

徒歩や自転車でこの地を目指す巡礼者は年々増加しており、2024年には約49万人が巡礼証明書(コンポステラ)を受け取りました。

国別の巡礼者数や人気ルート、年間の推移など詳しい統計データは ➡️ サンティアゴ巡礼事務所の統計情報を簡単に解説!にまとめています。

旧市街全体がユネスコ世界遺産に登録されており、石畳の道や中世の建物が美しく保存され、まるで時が止まったかのような雰囲気が漂います。

見どころを巡る|旧市街と大聖堂

サンティアゴ大聖堂とその魅力

サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街の中心にあるのが、荘厳なサンティアゴ大聖堂です。

巡礼者の到着地として、また芸術と信仰の集大成として、中世から今に至るまで多くの人々の心を惹きつけてきました。

内部に進むと、中央祭壇に輝く金色の装飾、聖ヤコブの棺が安置された地下聖堂、巡礼者が抱擁を交わす使徒像、さらに歴史ある聖遺物など、深い信仰と芸術が融合した空間が広がっています。

中でも注目は、「栄光の門(Pórtico de la Gloria)」です。12世紀の彫刻家マテオによるこのロマネスク彫刻は、当時の信仰観・芸術水準を伝える比類なき作品です。

➡️ ロマネスク美術としての魅力や見学のコツはこちらの記事へ

博物館とその見どころ

大聖堂の見学をさらに深めてくれるのが、隣接するサンティアゴ大聖堂博物館です。

博物館内では、かつての参事会員室や図書室、聖遺物礼拝堂など、大聖堂の中核をなす空間を静かに見学することができます。

➡️ 大聖堂博物館の展示内容・見学ポイントはこちらの記事へ

🎧 博物館内の見どころについては、ポッドキャストでもお話ししています: ➡️ Spotifyで聴く(大聖堂博物館とタペストリーの魅力)

屋根ツアー体験

サンティアゴ大聖堂の屋根ツアーからの眺めオブラドイロ広場

サンティアゴ大聖堂の見学の中でも特に印象に残る体験が、この「屋根ツアー(Visita a las cubiertas)」です。

大聖堂内部を歩くだけでは分からない建築の構造や歴史、そして360度の絶景を、屋根の上から楽しむことができます。

石造りの階段を140段のぼり、塔の内部を抜けてたどり着く屋根の上は、ガリシアの空と風を間近に感じる特別な空間。

眼下に広がる旧市街の赤茶色の屋根、遠くに見える丘や緑の大地、そして大聖堂を囲む広場の様子まで、普段とはまったく違う視点から街を眺められます。

また、このツアーは高所にあるため、足元や天候に注意が必要ですが、それだけの価値のある見学ルートです。

✅ 雨天でも開催/所要時間60分/QRコード付きチケットを持参(スマホ表示可)/15分前集合/高所恐怖症の方には非推奨

➡️ 屋根ツアーの内容と予約方法の詳細はこちらの記事で紹介しています

旧王立病院とパラドール

大聖堂のすぐそば、オブラドイロ広場に面して建つ荘厳な建物が、旧王立病院(現在のパラドール・デ・サンティアゴ)です。

この建物は、カトリック両王の命により建立され、巡礼者のための病院として機能してきました。現在は国営の高級ホテル「パラドール」として営業しており、建物自体が歴史遺産でもあります。

ただし、2025年現在は修復工事中のため、中庭や回廊などの内部は見学できない日が多く、外観のみの鑑賞となる可能性があります。

➡️ パラドールの歴史や見学ポイントはこちらの記事へ

サンティアゴ大学とその歴史遺産ツアー

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(USC)は、1495年創設のスペイン有数の伝統を誇る大学です。

今も旧市街には大学施設が点在し、静かな石造りの回廊や歴史あるホールが訪問者を迎えてくれます。

大学主催で「歴史遺産ツアー(Visitas guiadas al patrimonio histórico de la USC)」が行われています。普段は見られない空間を専門ガイドが案内してくれます。

ただし、案内はスペイン語のみで、日本語パンフレットなどは用意されていないため、スペイン語が苦手な方は雰囲気だけを楽しむか、現地ガイドを通じての参加がおすすめです。

➡️ 大学の歴史遺産ツアーの詳細はこちらの記事へ

サンティアゴのお祭り(聖ヤコブ祭・アセンシオン祭)

サンティアゴのヤコブ祭とカベスードス

サンティアゴ・デ・コンポステーラでは、年間を通じてさまざまなお祭りが開催されます。なかでも有名なのが、聖ヤコブ祭とアセンシオン祭です。

🎆 聖ヤコブ祭

毎年7月25日「聖ヤコブの日」を中心に、約2週間にわたって開催されるサンティアゴ最大の祝祭です。 大聖堂前のオブラドイロ広場での**花火(Fuegos del Apóstol)**や伝統舞踊のパレード、路上コンサートなどが行われ、街全体が祝祭ムードに包まれます。

➡️ 聖ヤコブ祭の詳細はこちらの記事へ

🎉 アセンシオン祭

復活祭後の6週目に開催される伝統行事で、地元の人々に親しまれているお祭りです。 「カベスードス(大きな頭の人形)」のパレードや、タコ料理の屋台「プルペリア」も登場します。

🎧 アセンシオン祭の背景や楽しみ方は、ポッドキャストでも紹介しています: ➡️ Spotifyで聴く(アセンシオン祭の魅力)

街歩きで巡る旧市街の魅力スポット

サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街は、徒歩でゆっくり巡るのに最適なコンパクトさと、歴史ある街並みが魅力です。

迷路のように入り組んだ石畳の道には、個性豊かな広場、教会、カフェ、雑貨屋が点在しており、観光名所とは別の楽しみが広がっています。

特におすすめの散策スポットには以下のような場所があります:

  • プラテリアス広場(Praza das Praterías):大聖堂南側にある歴史的広場。
  • キンターナ広場(Praza da Quintana):大聖堂東側にある歴史的広場。
  • フランコ通り(Rúa do Franco)やビラール通り(Rúa do Vilar):お土産店、バル、カフェが並ぶ賑やかな通り。

旧市街を歩きながら立ち寄れるカフェやバル、雑貨店については、以下の記事もあわせてご覧ください。

➡️ サンティアゴ・デ・コンポステーラのお土産でかわいい雑貨や食品は?

➡️ サンティアゴ・デ・コンポステーラのバルでおすすめはどこ?

➡️ サンティアゴ・デ・コンポステーラ市場の営業時間や食事の方法は?

サンティアゴのグルメを楽しむ

アバストス市場

サンティアゴを代表するグルメスポットのひとつが、アバストス市場です。 毎朝、地元の新鮮な魚介類や野菜、チーズ、パンなどが並び、食材を買い求める市民や観光客・巡礼者で賑わいます。

最近では、購入した食材をその場で調理してもらえるスタイルや、併設のバルでのイートイン体験も人気です。 ガリシア名物のタコ(プルポ)やムール貝、エンパナーダなども味わえます。

➡️ サンティアゴ市場の楽しみ方や営業時間はこちら

バル文化

旧市街には地元の人々が通うバルが点在しており、気軽にガリシア料理を味わえる場所としてもおすすめです。

特に人気なのは、

  • プルポ・ア・フェイラ(ガリシア風タコ)
  • アルバリーニョワイン(白ワイン)

一軒のバルでじっくり楽しむのもよし、複数の店をはしごするのも旅の醍醐味です。

➡️ おすすめのバル情報はこちらの記事へ

レストランでゆったりと

ガリシア地方の伝統料理から、創作系料理まで、サンティアゴにはバラエティ豊かなレストランが揃っています。

昼食時におすすめなのが「メヌー・デル・ディア(日替わり定食)」。 前菜・メイン・デザート・飲み物がセットで15ユーロ前後で楽しめます。

➡️ メヌー・デル・ディアの注文方法はこちらの記事へ

また、胃に優しい料理を選びたい方や、油っぽい食事が苦手な方におすすめの料理も紹介しています:

➡️ スペイン旅行中におすすめの油少なめ料理11品

観光客対応のお店が多いのは事実ですが、スペインの食文化では昼食は14時頃、夕食は21時以降が一般的です。

旅行中の食事のタイミングに迷ったら、こちらも参考にしてください。 ➡️ スペインの食事時間についての記事へ

アクセス・交通情報

空港から市内へ

サンティアゴ・デ・コンポステーラ空港(SCQ)から市内中心部までは、バスやタクシーで簡単にアクセスできます。

最も経済的なのがバスで、片道料金は1ユーロ。

また、荷物が多い方やグループでの移動にはタクシーもおすすめ。空港から旧市街まで約20〜25ユーロが目安です。

➡️ 空港アクセスの詳細はこちらの記事へ

鉄道アクセス(マドリード・バルセロナから)

スペイン格安高速列車AVLO

サンティアゴへは、スペイン各地から高速鉄道や長距離列車でのアクセスも便利です。

  • マドリードから:飛行機で約1時間。RENFEの高速列車(AVEまたはAlvia)で約3.5〜4時間
  • バルセロナから:飛行機で約2時間。電車も利用できるが飛行機がおすすめ。

2024年からは、格安高速列車AVLOも運行を開始。マドリードから低価格での移動が可能になりました。

➡️ AVLOとAVEの違いやチケット予約方法はこちらの記事へ

新バスターミナルは鉄道駅のすぐ隣です。バスターミナルから旧市街までのアクセス方法も参考にして下さい。

➡️ 新バスターミナルと旧市街のアクセスはこちら

ショッピング・免税情報

おすすめお土産

サンティアゴの旧市街には、旅の記念にぴったりなかわいい雑貨やグルメ系のお土産が豊富に揃っています。

  • ガリシア伝統の陶器
  • 巡礼関連グッズ(ホタテ貝、聖ヤコブの十字)
  • 修道院で手作りされたクッキー
  • 地元のワイン、オリーブオイル、チーズ、ハチミツなど

➡️ サンティアゴでおすすめのお土産はこちらの記事へ

空港での免税手続き

スペインを含むEU圏外に帰国する旅行者は、TAX FREE制度(免税手続き)を利用できます。

サンティアゴ空港でも、免税スタンプ(税関承認)と返金手続きを行うことが可能です。

➡️ サンティアゴ空港での免税手続きの流れはこちらの記事へ

まとめ:現地ガイドからのおすすめ

サンティアゴ・デ・コンポステーラの見どころや歴史、グルメ、アクセス情報をまとめてご紹介しました。

ですが実際にこの街を歩いてみると、「説明がなければ素通りしてしまう場所」や「背景を知ると何倍も印象に残る場所」が多く存在します。

巡礼の精神性、聖ヤコブの伝承、大聖堂の芸術表現など──

言葉では伝えきれない“現地の空気感”を肌で感じながら、しっかりとした解説付きで巡ってみたい方へ。

所要時間や体力に合わせて、午前中だけ・半日・1日で効率よく巡る「カスタムモデルコース」のご提案も可能です。

たとえば、こんな方におすすめです:

  • 観光だけでなく巡礼の背景も知りたい
  • 表面的な説明ではなく、深い理解が欲しい
  • 小グループやご家族での落ち着いた案内を希望している

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最後まで読んで下さりありがとうございました。

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