
というあなたに、本文が出来るだけわかりやすく説明いたします。
欧米人と日本人では宗教や美術史に関する一般知識の差があるので、いきなり様式の名前や細かい説明をされても困りますよね。
私も説明中に使われる美術様式の名前が分からなくて、いまだに苦労している部分があります。
本文では、小難しい説明は大胆に省いていき、
- カミーノに発展した美術
- サンティアゴ大聖堂にある傑作「栄光の門」
を理解するポイントを紹介します。
最後までお読み頂ければ嬉しいです。
もくじ
スペイン巡礼路に発展した美術の名前
ヨーロッパ全域に聖ヤコブのお墓を参拝する巡礼が広まり、11~13世紀前半に全盛期を迎えます。
この間の美術様式をロマネスク美術と呼び、巡礼路やその周辺に建てられた教会や修道院の様式をロマネスク建築と言います。
ロマネスク美術の特徴は?
ロマネスク美術とは、中世のコミックです。
当時、読み書きができない大多数の民衆に、イエスの教えを伝えるために最も有効な方法は、建築物の壁や柱の装飾部分に聖人の像や聖書に出てくる場面を表現することでした。

ロマネスク美術の装飾を見て親しみやすさを感じるのはエリートのための美術ではないからと私は思います。

ロマネスク美術といったら、建築と彫刻と思ってください。
ロマネスク建築の特徴は、
- 厚い石の壁でできている
- 建物の構造技術が発達する前の時代なので建物の窓が小さい
と、上記の2点をとりあえず抑えておきましょう。
ロマネスク美術の最高傑作とは?
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂正門の扉から入ってすぐの場所に、
ロマネスク美術の最高傑作と呼ばれる「栄光の門(Pórtico de la Gloria)」があります。
1168年から20年ほどかけて作った作品です。
マエストロ・マテオ(工匠マテオ)は、栄光の門を作ることで大聖堂の場所にあった土地の高低差を解決し、大聖堂の工事を完成させた人物です。
マエストロ・マテオってどんな人?
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サンティアゴ大聖堂栄光の門の設計者は?正門の彫刻とフランコの関係?
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栄光の門は何を表しているの?
新約聖書の一番最後に書かれているヨハネ黙示録を題材としています。
非常に難解で、解釈に議論が尽きないテーマですが…
ポイント
この世の終わりに人類を襲う疫病や戦争といった困難が訪れるが、キリストの再臨で真の楽園が築かれると予言するもの。
であり、キリストの再臨はキリスト教信仰によって非常に重要なものです。
次に、栄光の門にある3つのアーチの意味について見ていきます。
栄光の門の3つのアーチ
中央の大きなアーチ
キリストが中心部に座っている大きなアーチは、壁面の解釈について美術専門家の間でも意見が分かれるようです。
中央のキリストが最後の審判で、誰が天国へ行き、誰が地獄へ行くのかを決めるという解釈をする人もいれば、神の息子であるキリストは人を裁かない、やってくる巡礼者を温かく迎えているんだと解釈する人もいるのだとか。
荘厳のキリストの周りには、キリストの使徒でありキリストの言行録である福音書を書いた4人がいます。
- 税金を取り立てる箱をもっている聖マタイ
- 鷲の上で福音書を書いている聖ヨハネ
- ライオンの上で福音書を書いている聖マルコ
- 牛の上で福音書を書いている聖ルカ
中央アーチの縁にいるのは何?
出典: http://www.porticodelagloria.com
中央のアートの縁の部分には黙示録に出てくる24人の長老がいます。
彼らはキリストの再臨を祝う天のコンサート演奏者で、各自が楽器を持っています。
キリストの再臨を待っているので、演奏しているのではなく調律をしています。
彼らの持っている楽器はあまりにも精巧に作られているので、専門家はここから沢山の情報を得ることができ、実際に楽器も復元できるほどです。
両端の小さなアーチ
左のアーチは旧約聖書を、右のアーチは新約聖書の世界を表しています。
まとめ
- ロマネスク美術は11~13世紀前半にヨーロッパに広がり巡礼路で発展。
- ロマネスク美術は、建築と彫刻。
- ロマネスクの特徴は、中世のコミック!
- サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂にあるロマネスク美術の最高傑作は「栄光の門」
- 栄光の門はヨハネ黙示録を題材としている。
10年間の修復作業を終え、オリジナルの色を取り戻した栄光の門は2019年より再び一般に公開されています!
サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光情報は、☟の記事でまとめて紹介しています♪
最後まで読んで頂きありがとうございました。