この記事では、サンティアゴ巡礼を歩いている時に目にするロマネスク美術について紹介します。
キリスト教や西洋美術に詳しい方は別ですが、いきなり美術様式の名前を出されて説明されても『???』となりませんか?
現地に住みながら、スペイン人やヨーロッパ人との基礎知識の差を感じて、私もいまだに苦労している部分があります。
本文を読んでいるあなたも、『実は私もよく分からない』と共感してくれているはず…
そこで、ここでは小難しい説明は大胆に省いて、ロマネスク美術の特徴を説明します。
サンティアゴ巡礼路、フランス人の道で見ることができるロマネスク美術の傑作を2つ紹介しますので、是非参考にして下さい。
スペイン巡礼路に発展した美術の名前
ヨーロッパ全域に聖ヤコブのお墓を参拝する巡礼が広まり、11~13世紀前半に全盛期を迎えます。
この間の美術様式をロマネスク美術と呼び、巡礼路やその周辺に建てられた教会や修道院の様式をロマネスク建築と言います。
ロマネスク美術の特徴は?
ロマネスク美術とは、中世のコミックです。
当時、読み書きができない大多数の民衆に、イエスの教えを伝えるために最も有効な方法は、建築物の壁や柱の装飾部分に聖人の像や聖書に出てくる場面を表現することでした。
ロマネスク美術の装飾を見て親しみやすさを感じるのはエリートのための美術ではないからと私は思います。
ロマネスク美術といったら、建築と彫刻と思ってください。
ロマネスク建築の特徴は、
- 厚い石の壁でできている
- 建物の構造技術が発達する前の時代なので建物の窓が小さい
と、上記の2点をとりあえず抑えておきましょう。
ロマネスク美術の最高傑作とは?
レオンのサン・イシドロ教会の博物館
サンティアゴ巡礼、フランス人の道が通るレオン市にあるイシドロ・教会。
その博物館内に、中世に大きな力をもったレオン王国の歴代国王とその一族を埋葬するパンテオンがあります。
ロマネスクでは絵画はないといいましたが、ここで見れるのはパンテオンの天井画や壁画。
『ロマネスク美術のシスティーナ礼拝堂』と呼ばれていますが、これは一見の価値ありです。
サンティアゴ大聖堂の栄光の門
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂正門の扉から入ってすぐの場所に、
ロマネスク美術の最高傑作と呼ばれる「栄光の門(Pórtico de la Gloria)」があります。
1168年から20年ほどかけて作った作品です。
新約聖書の一番最後に書かれているヨハネ黙示録を題材としています。
非常に難解で、解釈に議論が尽きないテーマですが…
ポイント
この世の終わりに人類を襲う疫病や戦争といった困難が訪れるが、キリストの再臨で真の楽園が築かれると予言するもの。
であり、キリストの再臨はキリスト教信仰によって非常に重要なものです。
まとめ
- ロマネスク美術は11~13世紀前半にヨーロッパに広がり巡礼路で発展。
- ロマネスク美術は、建築と彫刻。
- ロマネスクの特徴は、中世のコミック!
- レオン、サン・イシドロ教会の博物館にあるパンテオン・レアルの壁画は一見の価値あり。
- 栄光の門は、ヨハネ黙示録を題材とするロマネスク美術の傑作のひとつ。
10年間の修復作業を終え、オリジナルの色を取り戻した栄光の門は2019年より再び一般に公開されています!
サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光情報は、☟の記事でまとめて紹介しています♪
最後まで読んで頂きありがとうございました。