この記事では、サンティアゴ市内にあるロマネスク様式の教会
「Santa Maria de la Real de Sar(サンタ・マリア・デ・ラ・レアル・デ・サル)」を紹介します。
大聖堂と周辺の修道院と比べてあまり知られていませんが、外壁や内部の柱が傾いているとても興味深い教会です。
建物が傾いた理由をはじめ教会を見学したい方が知りたい入場可能時間についても説明していますので参考にして下さい。
Santa María La Real de Sarとは?
Santa Maria de la Real de Sar(サンタ・マリア・デ・ラ・レアル・デ・サル)は、サンティアゴ大聖堂建築の推進者ディエゴ・ヘルミレス大司教の時代(1136年)にはじまり、13世紀の初め頃に完成しました。
当初、アウグスティヌス派の聖職者が日常の仕事から離れて黙想するための小さい修道院として建てられました。
他にもスペイン巡礼路の推進や巡礼者を迎え入れた場所として積極的に関わった場所です。
Santa Maria La real de Sarの場所は?
教会は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂から南方向約1㎞の場所、サール川(Río Sar)が流れるSar地区にあります。
3つのアーチが特徴のロマネスク様式の橋がすく近くにあり、スペイン巡礼のルート『銀の道』を歩く巡礼者にとってサンティアゴへの入り口となる場所です。
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旧市街から歩くとどのくらい?
旧市街からこの教会まで徒歩20~30分ぐらいかかります。
教会の一番の見どころは?
この教会の一番の見どころは、建物の欠陥部分でもあり、傾いた建物の外壁をアーチで支えているのがよくわかります。
内部の柱が大きく傾く教会の中にいると変な感じがしますが、そこがこの教会の魅力と言えるでしょう。
建物が傾いた原因は?
1669年、建築家のMelchor de Velascoが「建物の丸天井は修復工事が必要。」と報告書を提出します。
しかし、適切な対策が取られなかったために、1709年に教会入り口から建物約半分の場所まで木製の梁や支柱を置いて中から支えなくては倒れてしまう事態まで発展してしまいます。
教会が傾いている原因は…
- プロジェクトの段階から丸天井の設計ミスがあった。
- 教会が建つ土地が沼地で、地滑りによって建物の構造を引きづった。
- 教会の側廊は身廊にある丸天井の重みを支えるため、身廊より低めにあるところが身廊と同じ高さになっていて重みを支えていない。
と、複数あってそれらが合わさって起こったと考えられています。
修復の必要性を唱えられても経済的な理由でこれといった処置もされない時期が続きました。
いつ建物が完全に倒れてもおかしくない状況の中、1732年に聖マルティン・ピナリオ修道院の支援を得て、傾いた外壁に石の飛びアーチを補強につけました。
他の見どころは?
建物の中庭にある回廊のほとんどは18世紀に造られたものですが、ロマネスク様式の一部が残っています。
この部分は、大聖堂の栄光の門を立てた建築家マエストロ・マテオ門下による作品です。
回廊にある柱の部分も傾いていますのでチェックして下さいね。
12月~1月上旬に訪れると、2か月かけて準備するクリスマスのベレン人形が飾られていますので、タイミングが合えば是非。
入場可能な時間帯や料金は?
月曜日~土曜日の10:00~14:00です。(時間は予告なく変更する可能性があります。
教会と回廊の他にも、小さい宗教美術の展示スペースを見ることできます。
入場料は2€(子供は無料)ですが、大聖堂美術館の訪問者や屋根のツアーに参加したチケットであれば無料で入れます。
教会の中に入るときは教会の入り口とは反対側に回ってください。入り口の横にある建物は学校で、ブザーを押さないようにと注意書きが置いてあります。
まとめ
- Santa María La Real de Sarは、大聖堂と同じくロマネスク様式の教会。
- 土地の問題や建物の欠陥など様々な理由が合わさって17世紀から建物が傾く問題が発覚。
- 1732年に石の飛びアーチを補強につけて、問題を解決させる。
- 教会へ行くと、傾いた外壁や内部の柱を見ることができる。
- 建物の欠陥と言える部分は、同時にこの教会の魅力でもある。
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