旧市街の賑やかな石畳を離れ、ゆるやかな坂を下ること約20分。
サール川のせせらぎが聞こえてくる静かな場所に、その教会は佇んでいます。
サンタ・マリア・レアル・デ・サール教会(Santa María La Real de Sar)。
一歩足を踏み入れると、誰もが「あれ?」と自分の平衡感覚を疑うはず。
太い石柱が外側に大きく傾き、まるで建物全体が呼吸をしているかのような不思議な感覚に包まれます。
なぜ、これほどまでに傾きながら800年以上もの間、倒れずに立ち続けているのか?
在住ガイドの視点で、その謎と知られざる魅力をご案内します。
Santa María La Real de Sarとは?

Santa Maria de la Real de Sar(サンタ・マリア・デ・ラ・レアル・デ・サル)は、サンティアゴ大聖堂建築の推進者ディエゴ・ヘルミレス大司教の時代(1136年)にはじまり、13世紀の初め頃に完成しました。
当初、アウグスティヌス派の聖職者が日常の仕事から離れて黙想するための小さい修道院として建てられました。
他にもスペイン巡礼路の推進や巡礼者を迎え入れた場所として積極的に関わった場所です。
Santa Maria La real de Sarの場所は?
教会は、旧市街から南へ約1km。
サール川に架かるロマネスク様式の橋がすぐそばにあり、巡礼路「銀の道」の入り口でもあります。
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旧市街から歩くとどのくらい?
旧市街からこの教会まで徒歩20~30分ぐらいかかります。
少し歩きますが、観光客の少ない地元 Sar地区の穏やかな空気を感じられます。サール川沿いの散歩道は私のお気に入りです。
建物が傾いた原因は?

教会が傾いている理由は、主に3つの要素が重なったためと考えられています。
- 地質の問題: 教会が建つ場所がもともと沼地で、地滑りの影響を受けやすかったこと。
- 設計上のミス: プロジェクト段階で、丸天井の重さを支える構造に計算違いがあったこと。
- 構造の欠陥: 側廊が身廊と同じ高さにあり、重みを分散できなかったこと。
18世紀には「いつ倒れてもおかしくない」状況まで悪化しましたが、1732年に外壁へ飛びアーチ(補強壁)を追加したことで、今の劇的な姿が守られることとなりました。
知る人ぞ知る見どころ
- 回廊(リライト): 18世紀の再建ですが、ロマネスク様式の一部が残っています。 実はここ、大聖堂の「栄光の門」を手がけた巨匠マエストロ・マテオ門下による作品と言われています。
- 季節の楽しみ: 12月~1月上旬に訪れると、2か月かけて準備するクリスマスのベレン人形が飾られています。
タイミングが合えば是非~。
2026年最新:見学案内
- 開館時間: 月曜~土曜 10:00~14:00
- 料金(重要): 2€
- お得なヒント: 大聖堂美術館のチケットや屋根ツアーの半券があれば、無料で入場できます。忘れずに持参しましょう。
まとめ
教会の中に立つと、斜めに切り取られた光が石の柱を照らし、他では味わえない厳かな、それでいてどこか危うい美しさを感じます。
「ここ、本当に傾いていますね!」と驚かれるお客様の笑顔を見るのが、私の密かな楽しみ。
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最後までお読み頂きありがとうございました。