巡礼の計画・準備

サンティアゴ巡礼の費用解説!宿の相場や予算決めに知りたい出費は?

2022年12月13日

巡礼の予算アイキャッチ

サンティアゴ巡礼(カミーノ・デ・サンティアゴ)に挑戦したみたいなと思うけど、初めての場合、現地の様子が分からないので予算が決めにくいなと感じるはずです

本文では、巡礼に必要な費用の相場を把握するために、99名の日本人巡礼経験者にアンケートを取った結果をまとめてみました。

本文を読めば、

  • 巡礼に必要な費用の項目がクリアになる。
  • 現地で食費や宿泊費以外に必要な費用が見えてくる。
  • 経験者の例を参考に、自分の巡礼はこんな感じかなと考える。

ことで、今よりも予算も組み立てやすくなるでしょう。

中心のテーマは費用ですが、はじめての巡礼に役立つ情報も合わせて紹介していきますので、参考にして頂ければ嬉しいです。

それでは、はじめましょう。

サンティアゴ巡礼に必要な4つ費用

サンティアゴ巡礼の費用

巡礼に必要な費用を上記のように大きく4つのグループに分け、各費用について詳しく説明していきますが、はじめにアンケートに協力してくれた巡礼経験者の情報を簡単に紹介します。

回答者情報

性別(回答数99)

巡礼者性別

年齢層

巡礼者年齢層

50・60代の年齢層がもっと占めるかと思いましたが、20~70代まで沢山の方に回答いただきました。ありがとうございます!

巡礼に必要な装備と費用

初めての巡礼で購入したアイテムは?

サンティアゴ巡礼装備

複数回答ありとしたのですが、約6割の巡礼者が、カミーノをきっかけにザック・靴・服といった基本アイテムを購入していました。

特に買うものはなかったと答えたのは全体のわずか13%。

ということは、みんな最初は全然分からない中から装備を揃えたという事。

私もカミーノを歩くと決めてから、それで何が必要なの?という状態でした。

歩くだけなのに、靴や雨具だと必要なアイテムがあってそれなりにお金がかかる。次いつ歩くか分からないのにこんなに揃えるのはもったいないかも。。

と、なんともケチ臭いコメントですが、当時は本当にそう思ってました。(笑)

ザック・靴・服・トレッキングポールの他に多かったアイテムは、寝袋・雨具・帽子の3つでした。

続いて、装備にかけた費用の回答を見てみましょう。

装備の費用はいくら?

装備費

ザック・靴・服の3アイテムを1万円以内で揃えたのはたったの1人で、多くの人は1~3万円の費用をかけたと回答しました。

寝袋や雨具など他のアイテムも一通り揃えた場合、3~5万円それ以上の人が大半でした。

個人的に、はじめての巡礼で高いもので揃える必要はないと思いますが、

足を守る靴は、軽くて防水性能の高いものがよい。
毎日背負う荷物の軽量化のため、寝袋など軽くてかさばらないものがいい。

と、快適な巡礼のために各アイテムの性能を上げれば、アイテムの数が少なくても装備の予算は当然上がります。

しかし、2022年にお客様とカミーノを歩いた時に、ワークマンのアイテム凄いなと思いました。

是非、色々探してみてほしいのですが、正直、荷物はなかなか奥深いテーマですので、☟の記事も合わせてお読み下さい。

巡礼地までの交通費

日本人にとって、費用の中で大きな部分を占めるのは、やはり交通費かと思います。

気になる人は多いと思いますが...

  • 飛行機は季節的な価格変動がある。
  • 巡礼出発点は複数あり、アクセス方法も皆一緒ではない。

という理由で、質問からは除きました。

航空券は旅行会社や航空券予約サイトで、ヨーロッパ各地の鉄道やバス情報はOmio等のサイトで日本語で検索できますので、是非調べてみて下さいね。

巡礼中の食費

フランスやポルトガルからスペインへと巡礼する場合、各国の物価を考慮する必要がありますが、本文ではスペインのケースを紹介します。

朝食(Desayuno)

スペインでは、一般的に朝食メニューとして

  • コーヒー
  • トーストかクロワッサンなどのパン(選択可能)
  • オレンジジュース

を提供するバルが多く、値段は2~3€です。

昼食

スペインでメインの食事は、昼食です。

バルやレストランでは、メヌー・デル・ディアと呼ばれる

  • 前菜
  • メイン
  • デザート
  • パン・飲み物

がついた、手頃な価格のメニューをサービスします。

巡礼路沿いで、巡礼者メニュー(メヌー・ペレグリーノ)として提供する所もあるので、メニューの相場を聞いてみました。

巡礼者メニューの相場は?

巡礼者メニュー相場

安いところで10€以下のランチもありますが、平均価格は10~12€です。

夕食

スペインはヨーロッパの中でも食事の時間が遅いので、夜は夜でしっかり食べたい人もいれば、飲み物とタパスで十分と言う人も出てくるでしょう。

また、外食の他にアルベルゲのキッチンで自炊するパターンもあります。

2020年のコロナウイルス感染症拡大の影響で、アルベルゲ内のシェアスペースが利用禁止になった時期もありましたが、2022年はもうコロナ前の状況に戻しているところが多いと思います。

全てのアルベルゲで自炊できるわけではないですが、自炊=費の節約という大きなメリットがあります。

1日3食を全て外食の場合、20€前後見ておくといいかなと思います。

巡礼中の宿と費用について

Fuenterroble de Salvatieraのアルベルゲ

(銀の道ルートにあるアルベルゲ、YUさん提供)

アルベルゲ(巡礼宿)

アルベルゲと呼ばれる巡礼宿は、公営と私営の2種類あります。

アルベルゲの宿泊スタイル

  • 二段ベッドが並んだ相部屋
  • 共同トイレ
  • 共同シャワー

と他の巡礼者とシェアするので、1泊の料金は公営で5~8€。

私営アルベルゲの相場は?

私営アルベルゲ料金

私営の場合は、1泊10~15€です。

その他の宿泊施設

スペインで巡礼中、アルベルゲ以外にも次のような宿泊施設を利用することが出来ます。

  • ホテルより安いオスタル・ペンシオン
  • ホテル
  • パラドール

オスタル・ペンシオンは、最低1泊20~30€かかりますが、ブッキング等で直接料金を見て下さい。

日本人巡礼者は巡礼中にどの宿泊施設を利用しているか?

長期の巡礼では、やはり宿代を節約したい。
他の巡礼者と交流できるアルベルゲが一番!

等の理由で、アルベルゲを利用する人が多いのは分かっていましたが、個人的には興味深い結果がでました。

巡礼中に利用した宿泊施設のタイプは?(該当するもの複数選択可)

巡礼宿のタイプ

価格帯の安いアルベルゲだけを利用する人が多いのかなと思ったら、

  • 公営アルベルゲのみ利用は、全体の10%
  • 私営アルベルゲのみ利用は、全体の4%
  • 公営と私営のアルベルゲのみ利用は、全体の37%

で、半数以上の人はアルベルゲの他に、ペンシオンやホテル等を組合わせていたからです。

フランス人の道のように各村でアルベルゲがないルートもあるので、ペンシオンやホテルを組合わせなくてはいけない状況もあります。

アンケートで巡礼ルートも質問しておくべきだったと後で反省しましたが、予想よりもタイプの異なる宿泊施設を組合わせるケースが多く、ペンシオンとホテルのみの利用者もいました。

巡礼の1日の予算

食費と宿泊費で1日の予算はどのくらい?

巡礼中の1日の予算

1日の食費と宿泊費は、巡礼スタイルにより、10€以下から70€以上と大きく変わるのが分かります。

1日20~30€台の予算で組む巡礼者が多かったです。

このアンケートを取ったのは、コロナ前。

現在の円とユーロの関係もあるので、本文を読むタイミングによっては、高いと感じる人がいるかもしれません。

しかし、ヨーロッパの他の国で旅行をしたことがある人であれば、この料金は決して高いとは思えません。

ちなみに、1日10€以下の予算で巡礼した2人は20代の男性でしたが、予算10€台で最も多かった年齢層は40代。

男女別でみると、僅差ですが女性の方が多かったので面白いなと思いました。

一方、1日の予算が50€台の人はペンシオンやホテルの個室を中心に利用、70€以上と答えた2人は、ホテルやパラドールのみの利用でした。

上記の情報は、宿泊施設は個室を中心にと考えている方へ参考になるかなと思います。

その他の出費

食事と宿以外の出費と言われても、はじめての巡礼だとなかなか予想しにくいですよね。

巡礼経験者へ質問したら、次のような結果がでました。

巡礼中に利用したその他のサービスは?(該当するもの複数選択可)

巡礼中のサービス

全く利用しなかった人もいますが、8割弱の巡礼者が

  • 薬局などの医療サービス
  • 荷物移送
  • バス・タクシー
  • マッサージ

等のサービスを、ひとつもしくは複数利用したと答えました。

薬局や医療サービス、または病院へ行った人もいましたが、大半は…

  • 巡礼中にマメが出来た。
  • 筋肉痛になった。
  • 体調が悪くなった。
  • 南京虫に刺された。

等の理由で、主に薬局を利用したと考えます。

足のケアや薬など準備は大事ですが、南京虫に刺された際に現地で買うクリームを下記の記事で紹介しています。

荷物移送サービス

今日の行程は距離が長くて難易度も高い。とにかく軽い状態で歩きたい。[/st-kaiwa6]

背中が痛くてザックを背負って歩けない。

という場合、荷物移送サービスは非常に助かります。

移送サービスを提供する会社は複数あります。

ルートによって1区間の移送費が変わる事もありますが、1回の利用で5€前後で見ておくといいでしょう。

バス・タクシー

  • 途中で足が痛くなり、目的地までバスを利用した。
  • 巡礼路から近い観光地までバスを利用した。
  • 道を大きくそれてしまい、タクシーを使って戻った。

などの理由で、交通機関を使う場合もあります。

この他にも、ある教会で参加したミサ中の献金、お土産、現地で追加購入するSIMカード料金なども入ってくるでしょう。

その他の出費は、アバウトに予想する項目ですが、本文を読む前と比べて巡礼の費用に関してクリアになったと感じて頂ければ嬉しいです。

まとめ

  • 巡礼の費用は、装備費・交通費・食費と宿泊費・その他の出費と4つに分けられる。
  • はじめての巡礼で6割の巡礼者がザック・靴・服の基本アイテムを購入。
  • 基本アイテムの装備費は1~3万円が多かった。
  • 巡礼中の食費は、アルベルゲで自炊をして節約することが可能。
  • 外食中心の場合、1日20€ほどみるとよい。
  • 公営アルベルゲは1泊5~8€、私営は10~15€
  • 巡礼スタイルによって1日の予算はかなりの違いが出てくる。
  • 巡礼中のケガ、トラブル等を解決するための費用をアバウトでもいいので決めておくとよい。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

旅の計画にご活用下さい。

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いつこ

日本人で唯一のガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で観光マネージメント修士課程修了。同大学で留学生サポート業務を約4年経験。2019年にサンティアゴ巡礼専門の旅行会社に就職。まだ認知度が低いサンティアゴやガリシアの魅力を伝えるのが私のミッション。

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