正直に言います。
最初、巡礼に興味はありませんでした。
サンティアゴに来る前、ある頼まれごとで巡礼の説明会に参加しました。会場の最後列の隅っこに座り、巡礼をしたくて質問する人たちと、我こそはと答える経験者の方を見ていました。
正直、その熱気に圧倒されて、私はサンティアゴ巡礼に距離を感じてしまったのです。
「何がこの人たちをここまで動かすんだろう」
サンティアゴに住み始めてからも、巡礼は「街にあるもの」でした。大学院の勉強が忙しくて部屋にこもっていましたが、世界中から来る巡礼者たちと話す機会はたくさんありました。医者、大学教授、会社の社長。社会的には成功した人たちが、何度もここに戻ってきます。そして話し始めます。子供を亡くした話、夫婦のこと、自分の人生のこと。
その話を聞きながら、思いました。
何がこの人たちをここまで動かすんだろう。
その疑問が、私の入口でした。
もう一つのザック
ある日、旧市街を歩いていた時、ひとりの巡礼者とすれ違いました。そしてふと浮かびました。
この人たちは、背中のザックの他に、もう一つザックを背負っている。
荷物じゃない。誰にも言えなかったものを、この道に持ってくる。歩いてもいない私がそう思ったのは、今考えても不思議です。
私が初めて歩いた日
やっと歩いたのは、大学のコースに組み込まれていたから。ブラジル人がほとんどのグループで、私は日本人一人。日系ブラジル人のネルソンと娘のスーザンとゆっくり歩きながら、ブラジルでの日本人コミュニティの話を聞きました。演歌を歌いながら歩いたりもしました(笑)。
到着した時、特にこれといった感動はありませんでした。でも、歩いてくる人たちへのリスペクトが、自分の中に生まれていました。
「すみません」と言わないでほしい
荷物を送ったことを「すみません」と言う人がいます。100キロしか歩けなかったことを恥ずかしそうに話す人がいます。
そんな時、私はいつも思います。
ちょっと待って。
スペインといえばバルセロナやマドリード、そんな日本でサンティアゴ巡礼を知って、心が動いた。
その瞬間から、もうあなたは特別です。
距離も、荷物も、歩き方も、関係ありません。
サリアから荷物移送を使って歩く人に「それでいいんですよ」と言える側でありたい。カミーノにも、道沿いに住む人たちにも、一緒に歩く人にも、リスペクトを持って歩いているなら、それで十分です。
一人で歩くけど、一人じゃない
私はツアーで何日もお客様と一緒に歩いてきました。
心のザックが開く瞬間に立ち会い、一緒に泣いたこともあります。
ただ、どうしても一人で歩きたいという方がいるのも知っています。
と同時に、一人だからこその不安があるのも知っています。
実際に、サンティアゴに到着したお客様から「歩いている時に見える風景や教会の説明が欲しかった」と言われたことがありました。
そのお声から生まれたのが、遠隔巡礼サポートです。
巡礼前の悩みや自分に合った道・行程を、本や映像や人の声ではなく自分で決める。
そして現地では私の案内を遠隔で受けながら歩いていく。
あなたのペースで、あなたの巡礼を行うお手伝いをさせてください。
興味がある方は、こちらをご覧ください。
→【遠隔巡礼サポート】