スペインの巡礼路を歩きたいけど、具体的にどう計画して準備すればいいのかわからなくて。
仕事しているからどんなに休みがとれても最大10日。
日本とスペインの往復移動で最低2日は取られるから歩けるのは1週間ぐらいだな。
そんな短期間で完結できるルートなんてあるの?
飛行機でヨーロッパの空港に到着してからも、巡礼の出発地点へ移動するために、現地のローカルバスや電車の時刻表を確認したりと、巡礼の計画にはある程度の情報収集が必要です。
どこから手を付けたらいいのかわからない、そんな風に思われるあなたの気持ちはよく分かります。
本文では、1週間というタイムリミットがあるあなたに次の巡礼プランを提案します!
- 日本出国から帰国まで1週間の最短日程ルート
- 出発同日中に巡礼の出発点までスムーズに移動!
- 短期間の巡礼でも観光の要素も!
- ゴールはもちろんサンティアゴ・デ・コンポステーラ!
かなり欲張った内容の巡礼ですが、今から具体的に説明していきます。
是非、参考にして下さい。
サンティアゴ巡礼、最短日数ルートの名前や特徴
今回提案するのは、スペインのコルーニャからサンティアゴまでの道、イギリス人の道(Camino Inglés)です。
巡礼の出発地の場所
コルーニャは北スペインの西の端っこにあるガリシア州にあります。
サッカーに興味があるなら、デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャの本拠地だとわかる方もいるでしょう。
有名なスペインのファッションブランド『ZARA(ザラ)』が生まれた場所でもあります。
ルートの簡単な紹介
中世の時代、イギリスからの巡礼者は、長く危険な海の旅を乗り越え、港町として栄えていたコルーニャに到着した後、陸路でサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩きました。
テレビなどで、サンティアゴ巡礼というと、フランス人の道が有名ですが、イギリス人の道も歴史ある巡礼ルートです。
1週間以内のサンティアゴ巡礼ルートの距離や日程は?
コルーニャからサンティアゴまでの距離は74.8km。
1日の平均歩行距離は20~25㎞と言われていますが、無理をしないで自分のペースで楽しむ方法として、下記4日間の行程を組むことが出来ます。
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1La Coruña→Sergude(17.9km)
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2Sergude→Hospital de Bruma(16.03km)
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3Hospital de Bruma→Sigüeiro(24.13km)
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4Sigüeiro →Santiago de Compostela(16.74km)
体力に自信がある方なら、1日目にLa CoruñaからHospital de Brumaまで33.93kmを歩いて3日間で制覇することも可能ですが、30㎞を超すと体力的にかなり疲れます。初日は距離を少なめにするのがおすすめです。
1日目: 日本から巡礼出発地点までの移動
サンティアゴ大学の歴史の先生が教えてくれたように、あなたのスペイン巡礼も日本を出発するところから始まります。
日本から飛行機での移動方法
時間を有効に使うため、日本とスペインを結ぶ唯一の直行便、イベリア航空を利用します。
成田空港からという条件付きですが、同日中にマドリード空港からスペインの各地方へ移動できるメリットがあります。
注意
フライトスケジュール例
注意
イベリア航空の直行便は月・水・金・土・日曜日に出ています。
午前11時15分に成田空港を出発し、マドリードのバラハス空港へ同日18:30に到着します。
イベリア航空の国内便でマドリードからコルーニャまでは
- マドリード発 19:40 コルーニャ着 20:55
- マドリード発 22:10 コルーニャ着 23:25
と2つのオプションがあります。(ターミナル4へ移動します)
現地の空港に夜遅く着いてから宿泊先まで移動するのは不安と感じるでしょう。
スペインの西端に位置するガリシアは日没の時間も遅いので、夏であれば22時ぐらいでも明るいです。
空港から市内中心部までの移動
空港からコルーニャ市内までの距離は8km。
空港からタクシーの他に市内行バスが次の頻度で運行しています。
- 平日(月曜日~金曜日)は最終便の21:45まで30分おき
- 土日は最終便の22:00まで1時間おき
マドリードを22時10分に出る飛行機に乗った場合は、タクシーになります。
土地勘がないとバスでの移動はなかなか難しいですが…
町の中心部へ行く場合はコルーニャ市役所があるマリア・ピタ広場の近くのPuerta Real(プエルタ・レアル)で降りて下さい。
その日の宿泊場所に『空港から市内行のバスに乗る場合、最寄りの駅はどこですか?』と聞くのもいいでしょう。
お疲れさまでした。宿泊先に着いたら、明日からの巡礼に備えてゆっくり休んで下さい。
2日目: 巡礼前に世界遺産を楽しむ
巡礼初日の行程は、コルーニャからセルグデ(La Coruña→Sergude)までの17.9㎞です。
短い距離ですので、朝早く起きてコルーニャ市内を少し観光してから出発してはどうでしょうか?
コルーニャにはヘラクレスの塔という世界遺産があります。
ローマ時代に建てられ、現在も灯台の役割を立派に果たしています。
塔から見える大西洋の風景も素晴らしいので是非!
観光が終わったら、コルーニャの中心部からイギリス人の道を歩き始めましょう!
コルーニャ発イギリス人の道の詳しい歩き方
2018年、私も実際にコルーニャ市内からイギリス人の道を歩きました。
- コルーニャにあるサンティアゴ教会情報
- イギリス人の道のルートマップ
など、コルーニャからクジェレードまでの歩き方を次の2つの記事で詳しく紹介しています。
一般的に、都市部は標識が分かりづらい点があります。
この記事を読んでおくと時間をロスすることがないと思いますので、参考にして下さい。
次に、巡礼者が必ず押さえておくべきアルベルゲ(巡礼宿)について説明します。
アルベルゲ(巡礼宿)の種類や料金は?
アルベルゲと呼ばれる巡礼者用の宿は、公営とプライベートと2種類あります。
- 公営アルベルゲは、事前予約不可。到着した順にベッドが埋まっていく。
- 私営のアルベルゲは事前予約が可能。
ガリシア州の公営アルベルゲは、1泊8€で、私営の場合は、大体15€前後と考えて下さい。
特に、公営アルベルゲでは巡礼者であることを証明する巡礼者手帳(クレデンシャル)が必要になります。
アルベルゲで提出する巡礼者手帳とは?
巡礼路にある教会・市役所・巡礼宿・バルなどで置いてあるスタンプを上の画像のように手帳に押していきます。
手帳のスタンプは、あなたの巡礼の一歩一歩を表現するものです。
日本のNPO法人カミーノ・デ・サンティアゴ友の会でオリジナルのクレデンシャルを購入できます。
サンティアゴ巡礼事務所で働くガリシア人女性から一度、
と、言われて手配したことがあります。
日本カミーノ友の会のクレデンシャルが欲しい方は、友の会まで直接コンタクトしてください。
また、コルーニャ市旧市街のサンティアゴ教会でクレデンシャルを購入できます。
教会でスタンプを押してもらうのもいい記念になると思いますが、教会の時間に注意が必要です。
次の記事も合わせてお読み下さい。
アルベルゲ(巡礼宿)は簡単に見つかる?
イギリス人の道は、フランス人の道と比べるとまだまだ巡礼者の数が少ないルートですが、ここ数年、標識の改善や海外でのプロモーション活動を活発に行い、巡礼者の数が年々増えています。
巡礼宿の手配をする時に考える事
自分が何を優先するかを考える
宿泊費を安くしたい、公営アルベルゲに泊ってみたいなら朝早く出発して、ベッドを確保しましょう。
しかし、宿泊施設を事前に確保してカミーノをゆっくり楽しみたいなら私営アルベルゲでしょう。
アルベルゲで他の巡礼者と同じ部屋で寝るのはちょっと…というなら個室があるペンションかホテルも選択肢のひとつです。
あなたの希望に応じて宿泊施設を選ぶことが可能です。
次に、2018年にこの道を歩いた巡礼者からのアルベルゲ最新情報を共有します。
今年(2018年)、フェロールとコルーニャからの巡礼路の合流地点にあるアルベルゲのBrumaに早く着いて泊まれたが、遅く着いた3名はダイニングにマットを引いて対応、それ以後何人かは断られていました。
Brumaは他に宿泊施設がなく、2キロ離れた国道沿いのペンションやホテルまで行く必要があります。
イギリス人の道はもともとのキャパシティーが小さいので、特にBrumaは合流地点であり、慢性的にベッド数が不足しているようです。イギリス人の道はもともとのキャパシティーが小さく、特にBrumaは合流地点であり、慢性的にベッド数が不足しているようです。
イギリス人の道は、コルーニャの他にもフェロールという町からも出発する事が出来ます。コルーニャとフェロール出発した巡礼者は、オスピタル・デ・ブルマ(Hospital de Bruma)という場所で合流します。
ここまでの情報を参考にして、自分は巡礼4日間の宿泊施設はどのタイプを選ぶか分かってきましたか?
個室のある宿を探したい場合、次の記事で詳しく紹介していますので参考にして下さい。
これといった問題がなければ、日本出発から5日目にサンティアゴ・デ・コンポステーラへ到着します。
サンティアゴ大聖堂に着いたら参加したい巡礼者のミサについて説明します。
サンティアゴ大聖堂のミサ情報
修復工事の影響で、2019年は大聖堂でのミサが中止となりましたが、2020年は19時30分に巡礼者のミサを行っています。
コロナの影響で、多くの方が2021年以降に巡礼を考えていらっしゃると思います。
予定では、2021年から大聖堂でのミサやボタフメイロが再開される予定です。
スペインから日本へ帰国
サンティアゴに到着した翌日、マドリード行きの国内便に乗ります。
コルーニャからサンティアゴ出発に変更できる場合、サンティアゴで1泊し、市内にあるガリシア広場から30分おきに出ている空港行きバスに乗って下さい。
コルーニャから出発の場合、コルーニャに移動して残りの滞在時間でコルーニャ観光を楽しんでください。
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ア・コルーニャ観光情報まとめ!おすすめのスポットやツアーは?
続きを見る
サンティアゴ、又はコルーニャからマドリードへ移動し、マドリード13時05発の成田行の飛行機に乗って翌日の朝に日本へ到着。
と、ここまでがトータル1週間の巡礼スケジュールですが、いかがでしょうか?
この行程で歩けるかもとやる気になったあなた、巡礼でよくある質問、荷物に関する記事も是非合わせてお読み下さい。
この短期間ルートで証明書はもらえるの?
サンティアゴから最後の100kmを歩いた巡礼者は、コンポステーラと呼ばれる巡礼証明書を手にすることができます。
巡礼の思い出となるので巡礼者の間で人気がありますが、コルーニャからサンティアゴまでの距離は74.8km。
100㎞の条件を満たしません。
しかし…
歴史的にイギリス人の道の陸路の出発点はコルーニャだった。コルーニャから歩く巡礼者にもコンポステーラを!
と、コルーニャ市がサンティアゴ大聖堂に申請すると、大聖堂は、条件付きでコンポステーラを発行すると決めました。
ただし、キリスト教徒であるが前提で、コルーニャから歩く日本人巡礼者はコンポステーラをもらうことはできません。🙇
イギリス人の道を歩いて証明書をゲットしたい場合、先ほど触れたフェロール(Ferrol(フェロール)から歩く必要があります。
イギリス人の道を歩いた日本人女性の体験談
当ブログがきっかけで、コルーニャからサンティアゴまで巡礼したヒロミさんへのインタビュー記事があります。
これを読めば、巡礼証明書が出なくてもコルーニャから歩いてみようと思うかもしれません。^^
でも、やっぱり証明書が欲しいという方は、次の記事を参考にして下さい。
-
巡礼証明書を最短で獲得できる出発地点を全て紹介!
続きを見る
まとめ
- 巡礼の期間を含めて、日本出発から帰国までの日程が1週間。
- 歩くルートはカミーノ・イングレス(イギリス人の道)で出発地点はコルーニャ。
- イベリア航空の直行便なら、マドリードからの国内便乗継ぎもスムーズにできて同日中にコルーニャに到着。
- 世界遺産ヘラクレスの塔やコルーニャの市内観光も楽しんで、巡礼コースを4日間歩く。
- サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着したら1日市内観光を楽しんで、翌日日本行の飛行機に乗って帰国。
- コルーニャからのカミーノで巡礼証明書が出る可能性はあるが、日本人は対象外。
巡礼をしたいけど不安もあるという方へ
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正確な情報を記載するよう随時情報を更新していますが、飛行機のスケジュールは予告なしに変更される場合があります。予約、ご利用の際は事前にご自分で航空会社に問い合わせるなどの対応をお願いいたします。
他の巡礼ルート情報を知りたくなったら
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サンティアゴ巡礼全ルートを易しく解説!巡礼者の体験談付!
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最後まで読んで頂きありがとうございました!