サンティアゴ・デ・コンポステラの旧市街でバル巡りをご案内していると、お客様からよくこんなご相談をいただきます。
「ここで食べたムール貝やタコが本当に美味しくて……。日本にいる家族にもこの味を伝えたいし、帰国してからもこのバルの雰囲気を家で味わいたいんです。お土産の缶詰、どれがいいでしょうか?」
スペインのスーパーには驚くほど多くの缶詰が並んでいますが、実は品質はピンキリです。
「せっかくなら一番良いものを」と思っても、選び方が分からないともったいないですよね。
そこで今回は、私の義理の兄であり、スペインの缶詰業界で長年営業を担当していたプロから教わった、失敗しない選び方の知識を皆さんにシェアします。
ガイドブックには載らない、現場の人間だからこそ知っている「目利きのポイント」です。
バルの感動を日本へ。スペイン土産に「最高の一缶」を選ぶべき理由

スペインを訪れたなら、ぜひ「Galicia(ガリシア)」と書かれた缶詰を探してみてください。
ここガリシア州のリアス・バイシャスは、ヨーロッパ最大の養殖地。湧昇(ゆうしょう)という現象によって海の栄養が豊富に蓄えられるため、ここで育つ貝やタコは身が厚く、旨味が凝縮されています。バルで出される一皿が美味しいのは、この豊かな海があるからこそ。その鮮度を閉じ込めたのが、ガリシア産の高級缶詰なのです。
【プロ直伝】ムール貝の缶詰選び。ラベルの数字に隠された「旨味の正体」
サイズ表記(8/12や14/18)の真実。プロが勧めるのはどれ?

缶のパッケージにある「8/12」や「14/18」という数字。これは「一缶に何個入っているか」を示しています。
多くの方は「大きい方が贅沢(高級)」と思われがちですが、私の義兄に言わせれば少し違います。
「本当に美味しいムール貝を味わいたいなら、14/18(中サイズ)くらいまでがおすすめだよ。サイズが大きすぎない方が旨味がギュッと凝縮されているし、ソースの味もしっかり馴染むんだ」
数が多いからといって小粒でハズレというわけではなく、むしろ「味の密度」を重視する通の選び方なんです。
スペインで8~12個入りは中サイズと表示されますが、フランスやベルギーへ行くと大サイズとみなされます。同じスペイン国内でも、ガリシアでは14~18個入りが人気なのに対し、南のムルシア州では4~6個入りが人気と、好みのサイズが異なるんです。面白いですね。
このエスカベチェに合うのが、ガリシア特産の白ワイン『アルバリーニョ』。相性抜群の地酒についてはこちらで詳しく紹介しています。
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【重要】タコの缶詰選び。安さに惑わされない「本物」の見分け方
タコの缶詰を選ぶ際は、少しだけ注意が必要です。
イカ(Pota)とタコ(Pulpo)の境界線

スーパーで安く売られている「タコらしき缶詰」の多くは、実はタコではありません。ラベルをよく見て、以下の単語がないかチェックしてください。
- Pota / Potón / Tacos: これらは「アメリカオオアカイカ」という大きなイカをタコ風に加工したものです。
- PULPO(プルポ): これが正真正銘のタコです。
【2026年最新】本物のタコ、今の相場はどのくらい?
義兄にこれを教えてもらった頃は、「3ユーロ以上なら本物」と言われていましたが、今はスペインも記録的な物価高!2026年現在、スーパーで本物のタコ(Pulpo)を買おうと思ったら、最低でも5ユーロ以上、少し良いブランドなら7〜8ユーロしていてもおかしくありません。安すぎるものは「Pota(イカ)」である可能性が高いので、ぜひ価格も一つの目安にしてみてくださいね。
信頼のガリシア缶詰ブランド5選

私が実際にお客様をご案内する際、自宅用にも買う時にチェックするブランドをまとめました。
- Ramon Franco: 自社で養殖いかだを持つムール貝のスペシャリスト。
- Mariscadora: 品質が極めて安定したブランド。
- Luis Escurris Batalla: 職人の手作業が光る最高級品。特別な方へのお土産に。
- Conservas de Cambados: 漁網を模したパッケージが可愛らしく、女性に大人気です。
- ALBO / 1884: 老舗の安心感。地元のスーパーでも手に入りやすい定番です。
缶詰以外にも、サンティアゴには公認ガイドの私が長年愛用している素敵な工芸品やバッグがたくさんあります。
厳選した5つをこちらにまとめました。
おわりに
お土産選びは、旅の続きを日本へ持ち帰る作業だと思います。
あなたが選んだその一缶が、ご家族との食卓を笑顔にするお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひあなたにとっての「最高の一缶」を見つけてください。
サンティアゴの食品市場は、迷路のように多くのお店や商品で溢れています。せっかくの旅行、失敗せずに最高の『一缶』や『一品』に出会いたい方は、ぜひ私と一緒に市場を歩きませんか?公認ガイドならではの視点で、あなたにぴったりのガリシアをお探しします。