アート&建築

ガウディの建築作品『カサ・ボティネス』とは?隠された設計図はどこに?

2021年1月17日

ガウディのカサ・ボティネス

この記事では、スペインのレオン市内にあるガウディの建築作品『カサ・ボティネス』を紹介します。

 

ガウディの作品は、ほとんどがカタルーニャ州にあり、カサ・ボティネスはカタルーニャ州以外にある数少ないガウディ作品のひとつ。

 

そして、創立125周年を迎えた2017年4月から建物の全体が一般公開されています。

本文のポイント

  • カサ・ボティネスの歴史
  • カサ・ボティネスの意味
  • 建物の中の様子
  • 消えたカサ・ボティネスの設計図の話

 

ガウディ作品に興味のある方はもちろん、レオン観光を予定されている方は、是非本文の内容を参考にして下さい。

カサ・ボティネスの簡単な歴史

マリアノ・アンドレス・ゴンサレス・ルナ(Mariano Andrés González-Luna)

1891年、レオン市の商人シモン・フェルナンデスとマリアノ・アンドレスが、新しい会社の建築場所としてサン・マルセロ広場の土地800㎡を購入し、建物の設計をガウディに依頼しました。

 

  • フェルナンデスとアンドレスが、ガウディの後援者グエル伯爵と仕事の取引関係があった。
  • 当時、ガウディはレオンから約50㎞離れたアストルガの司教館建設の仕事をしていた。

という状況で、ガウディはレオン市での仕事の依頼を受けました。

 

カサ・ボティネス完成までの流れ


  • 1891年12月

    ガウディが建物の設計図を送る。


  • 1892年1月

    建設工事の開始


  • 1892年11月

    10か月の建設期間を経て、カサ・ボティネスが完成。


 

当初、カサ・ボティネスは下記の構造になっていました。

  • 地下は、布を保管する倉庫
  • 1階は、両替商
  • 2階から上は賃貸住宅

創設から37年後の1929年、レオン貯蓄銀行がカサ・ボティネスを購入し、地下と1階が生地倉庫から銀行へと変わりました。

 

1950年代、ガウディのデザインを全く無視する修復工事を行い物議を醸しました。

 

1990年、レオン貯蓄銀行が他の貯蓄銀行を吸収してカハ・エスパーニャとなると、50年代に行われた修復工事のスタイルをオリジナルののデザインに戻す再修復工事を行いました。

 

カサ・ボティネスの意味

カサ・ボティネス

カサ・ボティネスを日本語に訳すと、ボティネスの家となります。

 

土地を買った人の名前はフェルナンデスとアンドレスなのに、なんでボティネスのなの?

 

もともと、彼らはカタルーニャ出身の商人、ジョアン・オムス・ボティナが経営する生地屋で働いていました。

 

生地屋の名前は、オーナーのカタルーニャの苗字をとってボティナでしたが、レオン市民はボティナをカスティーリャ語化したボティネスと呼びました。

 

ジョアン・ボティナの死後、ボティナの姪(Teresa Riu)が商いを継き、彼女と結婚したシモン・フェルナンデスが店舗をサンマセロ広場へ移転。

 

しかし、レオン市民はその後もボティネスのニックネームで呼び続けました。

 

それでは、実際にカサ・ボティネスの中を覗いてみましょう。

 

カサ・ボティネスの中の様子

1階

カサ・ボティネスの歴史を伝えるパネルや土地の権利書など建築に関する書類を見ることができます。

 

床にあるQRコードを読み取って携帯画面で当時の建物の様子を見ることができます。

 

フェルナンデスとアンドレスの生地屋の様子を再現したスペースや、その後銀行として使用されたころの家具も展示されています。

 

住宅スペース

 

  • 建物の内部に多く自然の光を取り入れるようつけられた窓
  • 人間の手に自然にフィットするようデザインされた窓やドアの取っ手部分
  • 階段の登り下りがスムーズな寸法の階段や途中で休めるように椅子

と、細部まで機能性を重視したガウディのデザインが素晴らしいです。

 

ガウディがデザインした椅子や鏡などの家具、絵画の展示スペースもあります。

 

この住宅部分は、1992年まで住人が住んでいましたが、最後の住人だった歯医者の内装も再現しています。

 

最上階

 

銀行の重役会議などで使われるスペースになっていますが、ここはガイド付きの見学でしかアクセスできないようになっています。

 

会議室には、画家ベラ・サネッティ(Vela Zanetti)が書いたガウディの絵が展示されています。

 

Vela Zanettiの美術館がレオンの旧市街内にありますので興味のある人は是非訪ねてみてください。

 

カサ・ボティネスの開館時間と入場料

現在、カサ・ボティネスは一時的に閉館しています。

 

分かり次第、情報を更新する予定ですが、カサ・ボティネスの公式サイトから確認下さい。

 

それでは、最後にカサ・ボティネスの消えた設計図に関するお話をします。

 

隠された設計図はどこに?

本文の最初で、カサ・ボティネスの建設期間は10か月とお伝えしたのを覚えていますか?

 

実は、建物が完成したにも関わらず、設計図や工事に関わる文書が発見されず、建設プロジェクトの詳しい情報が分かりませんでした。

 

1950年の修復工事中に偶然発見されたからよかったのですが、ガウディが建物のある場所に設計図を隠していたのです。

 

隠し場所はなんと…

 

カサ・ボティネスの像

 

正面門の上にあるカタルーニャ州の守護聖人サン・ジョルディの彫刻にありました。

 

損傷が激しくなっていたサン・ジョルディの彫刻を外したところ、ドラゴンの口の中から

  • ガウディのサイン入り設計図が2枚
  • エル・カンペオン(El Campeon)紙が2部入った鉛のチューブ
  • 建築プロジェクトに関する資料

が発見されました。

 

まとめ

  • カサ・ボティネスは19世紀末にレオン市内に建てられたガウディの作品。
  • カタルーニャ以外の地方で見られる数少ないガウディ作品のひとつ。
  • カサ・ボティネスの建設期間は10か月。
  • 建物内は、オフィス部分と賃貸住宅で分かれていた。
  • ボティネスは、カタルーニャの苗字ボティナのレオン市民がカスティーリャ語化して読んだニックネーム。
  • 元々、生地倉庫だった建物は1929年から銀行となった。
  • 賃貸住宅部分は、1992年まで住民が実際に住んでいた。
  • 創設125周年を迎えた2017年4月から一般公開され、見学できるようになった。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

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堀 いつこ

日本人で唯一のガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で観光マネージメント修士課程修了。同大学で留学生サポート業務を約4年経験。2019年にサンティアゴ巡礼専門の旅行会社に就職。まだ認知度が低いサンティアゴやガリシアの魅力を伝えるのが私のミッション。詳しいプロフィールはこちら

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