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ルート案内・道中情報

【2026年版】サンティアゴ巡礼全ルート解説|初心者におすすめは?難易度と特徴を比較

2020年1月3日

ホタテ貝の標識と黄色い矢印、または青空の下を歩く巡礼者の後ろ姿
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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

「カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼)を歩いてみたい!」 そう思って調べ始めたものの、ルートがたくさんありすぎて迷っていませんか?

「フランス人の道」が有名だけど、他にも「海沿いの道」や「短期間で歩ける道」など、実は選択肢は豊富です。

この記事では、ガリシア州公認ガイドであり、巡礼者のサポートも行う私が、主要7ルート+新1ルートの特徴・難易度・見どころを分かりやすく解説します。 あなたの体力や日程、そして「どんな体験をしたいか」に合わせて、運命のルートを見つけてください。


迷ったらここ!タイプ別おすすめルート診断

まずは結論から。あなたの希望に合うのはどのルートでしょうか?

  • 「初めてで不安。仲間と出会いたい!」 👉 【1. フランス人の道】(王道・設備充実)
  • 「海を見ながら歩きたい。美味しいもの重視!」 👉 【2. ポルトガルの道】(人気急上昇・美食)
  • 「休みが短い(5日間)。でも証明書は欲しい!」 👉 【3. イギリス人の道】(最短・コンパクト)
  • 「静かに歩きたい。体力には自信がある!」 👉 【4. 北の道】 or 【5. プリミティボの道】(絶景・難所あり)

💡 ガイドからのアドバイス:「難易度」の捉え方について これから紹介するルートに「難易度(★)」をつけていますが、これはあくまで「地形のアップダウン(山の多さ)」「宿の少なさ」を基準にした目安です。

「星3つだから私には無理」と諦める必要はありません。 例えば、アップダウンの激しい道でも、1日の距離を短く(15km程度に)刻めば、初心者でも十分に歩けます。逆に、平坦な道でも毎日30km歩けば過酷になります。

「自分に合った無理のないプラン」さえ作れば、どのルートもあなたの道になります。

👉 「初めて私にはどのルートが合ってるかわからない」という方はご相談ください。巡礼サポートサービスの詳細は近日公開いたします。 


1. 【フランス人の道】Camino Francés

サンティアゴ巡礼「フランス人の道」の風景|広大な自然の中を歩く巡礼者たち

(難易度:★★☆ / 設備:完璧)

最もポピュラーで、世界中の巡礼者の約半数が選ぶ王道ルートです。 アップダウンはそこそこありますが、道沿いにあるバルや宿泊所の距離間隔が狭いので休憩を取りやすい、1日の巡礼距離を短く刻んで歩きやすいという安心感が最大の特徴です。

フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからピレネー山脈を越えて続く約800kmの道のりですが、「サリア(Sarria)」からラスト100kmだけを歩くのが、日本人だけでなく「まずは試してみたい」という世界中の初心者にとっての定番コースになっています。

  • メリット: 迷う心配がない。世界中の人と出会える。
  • 注意点: 5月、夏(7-8月)、9月はピークシーズンで非常に混雑し、宿の争奪戦になることも。

2. 【ポルトガルの道】Camino Portugués

サンティアゴ巡礼「ポルトガルの道(海岸ルート)」|海沿いに整備された歩きやすい木の道

(難易度:★☆☆ / 景色:最高)

リスボンやポルトから北上するルート。 特に、ポルトガルの第2の都市**「ポルト(Porto)」からスタートするのが圧倒的に人気**です。

ここからなら約2週間で歩ける上、「海岸ルート(Costa)」を選べば、海沿いの木の道(ボードウォーク)が多く、高低差が少ないため足への負担が軽いのが魅力。体力に自信がない方にもおすすめです。

  • メリット: ポルトガル料理とガリシア料理の両方を楽しめる(美食ルート)。
  • おすすめ: 初めての海外巡礼でも歩きやすい。
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3. 【北の道】Camino del Norte

(難易度:★★★ / 達成感:大)

スペイン北部の海岸線を歩くルート。 「海沿い=平坦」と思いきや、断崖絶壁を上り下りするためアップダウンは激しいです。

一度「フランス人の道」を歩いた巡礼者が、「次はもっと景色を楽しみたい」と挑戦することが多いのですが、「フランス人の道より遥かにきつかった…!」という感想をよく聞きます。宿の間隔も広めなので、ある程度経験のある方向けのルートです。

  • 魅力: 「美食の街」サン・セバスチャンやビルバオを通る。海の絶景は随一。
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4. 【イギリス人の道】Camino Inglés

(難易度:★★☆ / 期間:最短)

中世、海路でガリシアに到着した英国人たちが歩いた道。 フェロール(Ferrol)からスタートすれば約120km。最短「5日間」で歩ききれるため、長期休暇が取りにくい日本人に最適です。

  • 特徴: 短期間で証明書がもらえる便利なルートですが、意外とアップダウンがあります(特に前半のポンテデウメ〜ベタンソス間など)。「距離が短い=平坦」ではないので、足腰の準備は必要です。
  • もう一つの選択肢: ア・コルーニャ(A Coruña)出発のルート(約75km)もありますが、こちらは100km未満のため、単体では巡礼証明書がもらえません(※自国で25km歩いた証明が必要などの条件あり)。
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5. 【プリミティボの道】Camino Primitivo

(難易度:★★★ / 歴史:最古)

9世紀、アストゥリアス王が最初に歩いた「最初の巡礼路」。 アストゥリアスの山々を越えるため、今回紹介する中で最もタフな山岳ルートです。

急な登り坂が続きますが、その分、観光地化されていない手つかずの大自然と圧倒的な緑の美しさを独占できます。「歩くこと」そのものに没頭したい、体力に自信のある方向けです。


6. 【銀の道】Vía de la Plata

(難易度:★★★ / 季節注意)

南のセビリアから北上する、かつてのローマ街道。 まっすぐな道が延々と続くため、精神的な強さが試されます。 夏のアンダルシアは灼熱(40℃超え)になるため、夏歩くのは命に関わります。 春か秋がベストシーズンです。

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7. 【フィステーラ・ムシアへの道】

(番外編:終わりのない旅)

サンティアゴに到着した後、「まだ歩き足りない」「巡礼の本当の終わりを見届けたい」という人が目指すのが、大西洋に面した「地の果て(フィステーラ)」です。

  • 行き方: サンティアゴからさらに3〜4日歩いて目指すのが伝統的なスタイルですが、時間の関係上、バスで日帰りする人も多いです。
  • 楽しみ方: どちらで行くとしても、夕日が海に沈む瞬間を見ることで、長い旅の終わりを静かに感じることができます。
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8.【注目】新しく公式認定されたルート

「主要なルートは人が多そう…」 「誰も歩いていないような、静かな道を歩きたい」

そんなあなたに朗報です。 実は最近、ガリシア州で新しく「正式な巡礼路」として認定されたルートがあるのをご存知ですか?

まだガイドブックにもほとんど載っていない、美しい海と緑を楽しめる「第8のルート」。 混雑を避けて、自分だけの巡礼を楽しみたい方は、こちらの記事でこっそり詳細をチェックしてみてください。

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巡礼の準備と持ち物

ルートが決まったら、次は具体的な準備です。 特に「装備」と「お金」については、出発前に最新情報を必ずチェックしておいてください。

① 持ち物・トコジラミ対策 「靴は何がいい?」「寝袋は必要?」 失敗しないための持ち物リストや、トコジラミ(南京虫)対策はこちら。

巡礼者のバックパックの中身を広げた写真(「置き画」スタイル)
【2026年版】サンティアゴ巡礼の持ち物リスト!「トコジラミ対策」と「1gでも軽くする技術」

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② 費用・予算 「結局いくら用意すればいいの?」 昨今の円安とスペインの物価上昇を反映した、2026年のリアルな予算シミュレーションはこちら。 北の道の実際の出費データも公開しています。

【2026年版】サンティアゴ巡礼の費用と予算目安|クレデンシャルとユーロ現金でリアルな物価を解説
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💡 女性一人でも大丈夫? 「一人で歩くのが不安…」という女性へ。 実は巡礼者の半数は女性です。治安や注意点について、こちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ:サンティアゴで待っています

どのルートを選んだとしても、目指す場所は一つ。 サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂です。

長い道のりを経て、オブラドイロ広場に立った時の感動は、一生忘れられない宝物になるはずです。

もし、到着後に「大聖堂の歴史をもっと深く知りたい」「美味しいガリシア料理で完歩をお祝いしたい」と思ったら、ぜひ私に声をかけてください。 公認ガイドとして、あなたの巡礼の「最後の1ページ」を彩るお手伝いをさせていただきます。

到着後の楽しみ方は、こちらの記事で予習しておいてくださいね!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

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