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巡礼の準備と計画

【実体験】子供とサンティアゴ巡礼は何歳から?親子で歩くおすすめルートと注意点【証明書情報あり】

2023年4月18日

子供用の小さなリュックとホタテ貝、あるいは「黄色い矢印」を子供が指差している写真
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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

「子供と一緒にカミーノ(巡礼路)を歩いてみたい!」 「でも、何歳から歩けるの? 途中で歩けなくなったらどうしよう…」

そんな不安をお持ちの親御さんへ。 この記事では、実際に2人の子供(現在13歳と11歳)と一緒に何度も巡礼路を歩いている筆者が、成功体験も失敗談も含めた「リアルな親子カミーノ事情」を紹介します。

結論から言うと、子供との巡礼は「大人の倍の計画」「半分のペース」が必要です。 でも、その分だけ感動も倍になります。

親子で最高の思い出を作るための、現実的なアドバイスをお伝えします。

子供のサンティアゴ巡礼は何歳から?

スペインのカミーノ情報提供サイトでは「ベビーカーを押せば3歳からでもOK」という記事も見かけますが、未舗装の砂利道や坂道が多いカミーノで、15kg近い子供を乗せたベビーカーを押すのは…正直、修行です(笑)。

私の実体験から導き出した答えはこれです。

3歳〜5歳:プチ体験ならOK

息子が5歳、娘が3歳の時に初挑戦しました。 サンティアゴ大聖堂まで約10㎞の場所から出発し、目標は行けるところまで。

お菓子で励ましながら歩きましたが、娘は3kmでリタイア。息子も「疲れたー」の連発で、結局800m手前で帰宅しました。

いつこ
いつこ
この時期は「巡礼」というより「お散歩」感覚で。無理強いすると、親も子も辛くなるだけでした。

6歳以上:10km以上歩けるように

娘が5歳後半〜6歳になった頃、同じルートで再挑戦。

雨の中でしたが、休憩を挟みつつ3時間で10kmを完歩できました! 「一定のリズムで歩く」「目的を持って歩く」ことができるようになる小学校入学後(6歳〜)が、本格的な巡礼デビューの目安だと感じています。


2. 子連れ巡礼におすすめのルート

地図のルートを見る親子

「景色の良さ」よりも「トラブル対応のしやすさ」で選ぶのが鉄則です。

おすすめNo.1:フランス人の道(Camino Francés)

最も王道のルートをおすすめします。理由はシンプルです。

  • 休憩場所が多い: 数kmごとにバル(カフェ)や村があるので、子供の「トイレ!」「お腹すいた!」「もう歩けない!」に即座に対応できます。
  • 緊急脱出が容易: タクシーを呼びやすく、バス停も多いです。
  • 同じような家族がいる: 夏休みなどは親子連れも多く、子供同士で励まし合えることも。

ガリシア州内(ラスト100km)がベスト

特に「サリア(Sarria)」からサンティアゴまでのラスト100kmは、道が整備されており、高低差も比較的緩やかなので、お子様のデビュー戦に最適です。


3. 無理のない計画の立て方(ここが一番大事!)

大人のペースで計画を立てると必ず破綻します。以下の3点を守ってください。

① 1日の距離は「15km以内」から

ガイドブックには「1日20〜25km」と書いてありますが、正直なところ、大人であっても毎日20km以上歩くのはかなり大変です。

お子さんが普段からスポーツをしていて体力に自信があるなら別ですが、「1週間続けて毎日歩く」ということ自体が、現代人にとっては非常にレアな体験(非日常)です。 足への負担や疲労の蓄積は想像以上ですので、最初は1日10km〜15km程度に抑え、様子を見ながら距離を調整するのが賢明です。

② 宿(アルベルゲ)は「予約」が必須

子供を連れて「ベッドが空いてなかったから次の村まで歩こう」は不可能です。 公営アルベルゲ(先着順)ではなく、私営アルベルゲやホテルを事前に予約しておきましょう。 個室を確保できれば、夜泣きや騒音で周りに気を使うストレスも減ります。

③ 荷物は「送る」が正解

「自分の荷物は自分で持つ」は素晴らしい教育ですが、カミーノでは親の負担を減らすことが最優先です。 CORREOS(スペイン郵便局)の荷物移送サービスを利用して、重い荷物は次の宿へ送ってしまいましょう。 親も子も、水筒と上着を入れた軽いリュックだけで歩けば、笑顔でいられる時間が増えます。

4. 子供のモチベーションを保つコツ

「聖ヤコブが眠る大聖堂へ…」なんて言っても、子供には響きません(笑)。

我が家で効果的だったのは、こんな楽しみ方でした。

  • アルベルゲの2段ベッド: 実はこれが一番食いつきが良かったです(笑)。「今日はハシゴのあるベッドだよ!」と言うだけでテンションが上がり、秘密基地感覚で楽しんでいました。
  • お菓子タイム: 出発前に好きなお菓子を一緒に買いに行き、「次の村に着いたら食べよう」と目標にする。
  • スタンプラリー: クレデンシャル(巡礼手帳)にスタンプを押すのは、子供にとって最高の遊びです。
  • 動物観察&ゴミ拾いゲーム: 牛や羊を見つけたり、「ゴミを見つけたらポイント!」とゲーム感覚にすると、驚くほど黙々と歩いてくれます。

5. 夏休み(7月・8月)の注意点

日本の夏休みに合わせて来られる方が多いと思いますが、ガリシアといえども夏の日中は暑いです。

  • 早朝出発: 朝7時〜8時には歩き始め、涼しい午前中に距離を稼ぐ。
  • 水分補給: 子供は遊びに夢中になると水を飲むのを忘れます。親が強制的に飲ませましょう。
  • 日焼け対策: 帽子と日焼け止めは必須です。

 6. 子供でも「巡礼証明書」はもらえる?

はい、もらえます! せっかく歩くなら、お子様の名前が入った証明書が欲しいですよね。

年齢による証明書の違い

サンティアゴ大聖堂の規定では、以下のようになっています。

  • 小学生以上(初聖体拝領の年齢〜): 巡礼の意味(宗教的・精神的な旅であること)を理解できる年齢であれば、大人と同じラテン語の「コンポステーラ」が授与されます。
  • 幼児・未就学児: まだ理解が難しい小さな子供には、大人用とは異なる「子供専用の特別な証明書(Certificado especial)」が授与されます。
  • 赤ちゃん: ご両親の証明書に名前を併記してもらうことができます。

 ▼証明書獲得の条件(ラスト100km・スタンプ2個)はこちら

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7. まずは「観光+1日体験」もおすすめ

「いきなり1週間歩くのはハードルが高い…」 そんな方は、巡礼路が通る町を観光しつつ、「1日だけ標識を見ながら歩いてみる」というプチ体験はいかがでしょうか?

例えば、「サリア」や「レオン」などの巡礼路沿いの町へ行き、教会や古い街並みを観光。 そこから黄色い矢印(標識)を辿って、次の村まで少し歩いてみるだけでも、十分にカミーノの独特な雰囲気を感じることができます。

「楽しかった!また来たい!」と子供が思ってくれたら、それが一番の成功です。

観光情報
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まとめ

  • 年齢: 自分の足でしっかり歩くなら6歳以上が目安。
  • ルート: 安心・安全の「フランス人の道(ラスト100km)」一択。
  • 計画: 1日10〜15km。大人でも連日歩くのは大変なので無理は禁物。
  • 証明書: 小さな子供でも専用の証明書がもらえる。

子供と一緒に歩くカミーノは、大人の一人旅とは全く違う景色を見せてくれます。 「抱っこ!」と言われて大変な時もありますが、ゴールした時の子供の誇らしげな顔は、一生の宝物になるはずです。

▼トイレが心配な方はこちらの記事をどうぞ

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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