マドリード、バルセロナ、アンダルシアを巡るスペイン旅行の「ゴールデンルート」。
そこから地理的に離れているガリシア州は、「行ってみたいけれど、移動が大変そう」と旅の行程から外されてしまうことが少なくありません。
しかし最近では、サンティアゴ巡礼の知名度も上がり、「今回こそはサンティアゴまで足を延ばしたい」という方が増えています。
そこで一番のハードルになるのが、やはり「アクセス」の問題ですよね。
この記事では、ガリシア州公認ガイドとしてサンティアゴに暮らす私が、2025年現在の最新交通事情(ライアンエアー撤退や高速列車の進化など)を踏まえ、あなたの旅のスタイルに合ったベストな行き方を簡潔に提案します。
結論:おすすめのアクセス方法は「旅のスタイル」で決まる
まず、代表的な3つのルートを比較しました。
かつては「遠い」と言われたサンティアゴですが、現在は高速列車の開通により選択肢が大きく広がっています。
| 移動手段 | ルート | 所要時間 | 特徴・おすすめな人 |
| ① 飛行機 | マドリード(MAD) ⇔ サンティアゴ(SCQ) | 約1時間10分 | 日本からの乗り継ぎならこれ一択。荷物スルーで楽。 |
| ② 高速列車 | マドリード(Chamartín) ⇔ サンティアゴ | 約3時間〜 | マドリード観光後に移動するなら最強。荷物制限が緩い。 |
| ③ バス | ポルト(ポルトガル) ⇔ サンティアゴ | 約3.5時間〜 | 航空券を安くしたい人。ポルトガル観光もセットで楽しめる。 |
【飛行機】日本・欧州からの到着なら「イベリア」か「ブエリング」
日本からマドリードやバルセロナを経由してサンティアゴへ向かう場合、またはヨーロッパ各地から入る場合、現在は以下の2社がメインの翼となります。
サンティアゴ空港(SCQ)の就航状況(2025年最新)
かつてマドリード線を飛んでいたライアンエアーは撤退しました。現在は、シーズンを問わず安定して運航しているのは以下の2社です。
- イベリア航空(Iberia / Iberia Express):
- 主にマドリード(バラハス空港T4)拠点。
- 日本からJALやイベリア航空でマドリードに入る場合、荷物をスルー(預け直しなし)でサンティアゴまで運べるのが最大のメリットです。
- ブエリング航空(Vueling):
- 主にバルセロナ(エル・プラット空港)拠点。
- バルセロナ観光の後にサンティアゴへ移動する場合や、ヨーロッパ各地からの乗り継ぎでよく利用されます。
季節による変動(夏は選択肢が増えます!)
多くの巡礼者や観光客が訪れる夏(春〜秋)のシーズンには、国際線の直行便が一気に増えます。
- ルフトハンザ航空: フランクフルト〜サンティアゴ直行便(ドイツ経由でのアクセスに便利)。
- その他の国際線: ロンドン、チューリッヒ、ダブリンなど。来年はニューヨークからの直行便も夏期限定で運航予定です。
ただし、冬やオフシーズンになるとこれらの便は運休・減便されるため、基本的には**「イベリア航空」か「ブエリング航空」の二択**になると考えてください。
ガイドのアドバイス:LCC利用の注意点
「イベリア」と「ブエリング」では、荷物のルールやターミナルでの使い勝手が大きく異なります。
特にブエリング航空を利用する場合は、予約時に荷物を追加しておかないと高額な料金がかかることがあります。
それぞれの航空会社の攻略法や、市内へのアクセス方法は以下の記事で詳しく解説しています。
👉 スペイン国内移動、LCCとイベリア航空どっちが正解?在住ガイドが教える「失敗しない」選び方
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スペイン国内移動、LCCとイベリア航空どっちが正解?在住ガイドが教える「失敗しない」選び方(Vueling・Ryanair)
👉 【最新】ブエリング航空(Vueling)完全ガイド|荷物・予約・チェックインまで解説
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【2025年最新】ブエリング航空(Vueling)完全ガイド|荷物・予約・チェックイン・追加料金まで完全解説
👉 サンティアゴ・デ・コンポステーラ空港⇔市内アクセス|バス・タクシー・空港送迎まとめ
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【2025年最新】サンティアゴ・デ・コンポステーラ空港⇔市内アクセス|バス・タクシー料金と注意点
【高速列車】マドリード市内から3時間!快適さ重視なら「AVE/AVLO」
マドリード市内を観光してからサンティアゴへ移動するなら、飛行機よりも高速列車(AVE / Alvia / Avlo)をおすすめします。
なぜ、飛行機より列車なのか?

高速新線開通により、マドリード〜ガリシア間の移動時間は約5時間半 → 約3時間ちょっとへと劇的に短縮されました。
もはや「半日仕事」ではなく、日帰りすら視野に入る近さです。
- 空港移動が不要: 市内のチャマルティン(Chamartín)駅から出発し、サンティアゴ市内の駅に到着します。
- 荷物が楽: 飛行機のような厳しい重量チェックや液体物制限がありません。
- 車窓が美しい: 乾いた大地から緑豊かなガリシアへと変わる景色は必見です。
列車選びのヒント
Renfe(スペイン国鉄)の公式サイトでは、主に以下の列車が走っています。
- AVE(アベ): 最高級の高速列車。速くて快適。
- Alvia(アルビア): 従来の高速列車。本数が多い。
- Avlo(アブロ): 格安高速列車(LCC版新幹線)。チケットは安いが変更不可などの制限あり。
💡 体験レポート:AVEとAVLO、どっちに乗るべき?
「格安のAvloって乗り心地はどうなの?」「荷物は置ける?」
実際に乗車して検証したレポート記事があります。予約前にぜひご覧ください。
👉 【最新】スペイン格安高速列車AVLO(アブロ)完全ガイド|料金・荷物・座席・注意点
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【最新】スペイン格安高速列車AVLO(アブロ)完全ガイド|料金・荷物・座席・注意点
【裏ルート】ポルト(ポルトガル)からバスで北上する
サンティアゴ・デ・コンポステラはスペインの中心部よりも、ポルトガルの方が地理的に近いです。
この地理を生かした「賢いルート」がこちらです。
ポルト空港(OPO)INという選択肢
日本からの航空券を探す際、マドリード便が高騰しているなら「ポルトガル(ポルト空港)着」で探してみてください。意外と安いチケットが見つかることがあります。
ポルトからサンティアゴへの移動
- 移動手段: 長距離バス(FlixBus, ALSAなど)
- 所要時間: 約3時間半〜4時間
- 料金: 早めに予約すれば片道10〜20ユーロ程度
国境を越えるルートですが、シェンゲン協定内なのでパスポートチェックもなく(念のため携帯は必須)、スムーズに移動できます。
「ポルトガルでポートワインとエッグタルトを楽しんでから、ガリシアでシーフードと巡礼体験」という、イベリア半島満喫のゴールデンルートとしてもおすすめです。
おまけ:サンティアゴからガリシア各地(コルーニャ・ビーゴ)へ
サンティアゴ・デ・コンポステラはガリシア州の交通ハブです。ここを拠点にすれば、他の魅力的な都市へも簡単に日帰りできます。
- ア・コルーニャ(A Coruña):
- 電車(Avant)で約30分。
- 見どころ:世界最古の灯台「ヘラクレスの塔」、ガラスの街並み。
- 👉 ヘラクレスの塔の行き方や観光時間は?
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ヘラクレスの塔の行き方や観光時間は?入場制限はある?
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- ビーゴ(Vigo):
- 電車で約50分〜1時間。
- 見どころ:新鮮な牡蠣、世界一美しいと言われるシエス島への船。
まとめ:到着したら、いよいよ街歩きへ!
サンティアゴへのアクセス方法は、大きく3つ。
- 日本からの乗り継ぎなら 「イベリア航空」
- マドリード観光後なら 「高速列車(AVE/AVLO)」 で3時間
- 周遊旅行なら 「ポルトガル(ポルト)」 からバス移動
あなたの旅のプランに合わせて、最適なルートは見つかりましたか?
無事にサンティアゴに到着したら、次はいよいよ観光です。
世界遺産の大聖堂、路地裏のバル巡り、そしてガリシアならではの絶品グルメがあなたを待っています。
見どころを効率よく回るための「完全ガイド」を用意しましたので、次はこちらの記事で旅の計画を立ててみてください!
👉 【最新】サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光・グルメ情報まとめ!
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【2025年版】サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光・グルメ情報まとめ!