賑やかだったカーニバル(エントロイド)が終わり、暦の上ではイースター前の「四旬節」に入りました。
かつての厳しい習慣では肉食を控える禁欲の期間とされていますが、現代のスペインでは、よほど敬虔な信者の方でない限り、生活が劇的に変わることはありません。
ただ、一つだけ目に見えて変わることがあります。それは、パン屋では高カロリーな「揚げ菓子」、レストランなどでこの時期のデザートが出されます。
「肉を我慢する代わりに、エネルギーをしっかり摂ろう」
そんな先人たちの逞しすぎる知恵が今に続く、スペインのイースター菓子。
今回はガリシア公認ガイドの視点で、2026年の最新トレンドとともにご紹介します。
スペインの春の味「トリハス」

この時期、スペイン中で最も見かけるのがトリハス(Torrijas)です。
固くなったパンを牛乳や卵に浸して揚げ、砂糖やシナモンをたっぷりまぶした「スペイン版フレンチトースト」ですが、家庭やお店によってそのこだわりは千差万別です。
2026年の注目:伝統×アイスクリーム
私がよく通うサンティアゴの人気アイスクリーム店「Brígida(ブリヒダ)」では、この時期になると「トリハス味」のアイスが登場します。
揚げたての熱いトリハスも美味しいですが、その風味を凝縮した冷たいアイスは、サンティアゴの春の新しい楽しみ方。
伝統を独自のセンスでひねる、地元ならではの味です。
このアイスクリーム屋さんは、タコのアイスとか火祭りの時はイワシ味のアイスとかオリジナルアイスを食べる事ができます!
ガリシア流なら「オルホ味」
ガリシアらしさを楽しむなら、地元の蒸留酒を使った「オルホ(Orujo)味」のトリハスも見逃せません。
一口食べれば、オルホの芳醇な香りが広がる大人の味。
お酒好きの方には、ぜひ一度試していただきたいバリエーションです。
友人の家で見つけた芸術「フローレス」

もう10年以上前になりますが、ガリシアの家庭にお邪魔した際、その美しさに驚いたのがフローレスです。
雪の結晶のような、繊細な花の形をした揚げ菓子。
パリパリとした軽い食感で、ついつい手が止まらなくなる美味しさです。
職人技を支える「鉄の型」
この美しい形を作るには、専用の「鉄の型」を使います。
友人の家で見せてもらった型は、重厚で存在感のあるものでした。
実はこの型、地元の金物屋や市場の調理器具コーナーで、約10〜15ユーロ前後で手に入ります。
お菓子作りが好きな方なら、ガリシアの文化を自宅で再現できる、最高のお土産になるはずです。
ガリシアのイースターパン「ロスコン・デ・パスクワ」
クリスマス時期の「ロスコン・デ・レイジェス」に似ていますが、この時期にはロスコン・デ・パスクワ(Roscón de Pascuas)がパン屋さんのショーケースを飾り始めます。
これまでロスコン・デ・レイジェス(クリスマス)に似ているな…と横目で見ていた私ですが、2026年は近くのパン屋さんで実際に購入します!
結論:禁欲期間の「甘い誘惑」を楽しもう
建前は「肉を控える期間」でも、実際にはこれほど豊かで甘いお菓子の文化が根付いているのが、スペインの面白いところです。
宗教的な背景を知るのも興味深いですが、何より「この時期にしか食べられない味」を純粋に楽しむのが、現地流の過ごし方と言えるかもしれません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。