スペインの祭り・イベント

スペインのセマナ・サンタで有名なプロセシオンを詳しく解説

セマナサンタのマリア像の山車
スペインのセマナ・サンタで見る宗教行列は、あの三角帽子の衣装とかインパクトあるよね。宗教行列や衣装の意味とか知ってみたららもっと面白いだろうと思うけど、キリスト教のことよくわからなくて。。。

という質問に当記事がお答えします。

 

セマナ・サンタとは、イエス・キリストがエルサレムで受けた苦難を一連の宗教行事を通じて偲ぶ期間です。

 

質問にあった宗教行列はスペイン語でプロセシオンと言い、セマナ・サンタの間、スペイン各地で行われます。

 

中でも、アンダルシア地方のプロセシオンが有名ですが、実はセビリアとマラガでは、山車の名前や運び方に違いがあるのをご存知でしょうか?

 

本文では、宗教行列(プロセシオン)の基本知識を導入しながら、セビリアとマラガでの違いについて説明していきます。

 

プロセシオンの見方が変わるはずですので、是非参考にして下さい。

セマナ・サンタのプロセシオン

セマナ・サンタのプロセシオン

 

プロセシオンでは、キリストやマリア像を乗せた山車を何十人もの信徒が担ぎます。

 

山車の後ろに楽隊が続き、音楽に合わせながら町の中を歩きます。

 

セマナ・サンタは1週間続きますが、その中でも重要な日は次の5日間


  • 枝の主日(Domingo de Ramos)

    イエス・キリストがロバに乗ってエルサレムに入場した日。受難の始まり。


  • 聖木曜日

    イエス・キリストと使徒たちの最後の晩餐。


  • 聖金曜日

    イエス・キリストの裁判や処刑による苦しみを記憶する日。


  • 聖土曜日

    イエス・キリストの死を追悼する日。


  • 復活祭

    イエス・キリストの復活をお祝いする日


 

突然ですが、ここでひとつ質問です。

 

セマナ・サンタのプロセシオンという見出しの下に紹介した山車は、何を表しているかわかりますか?

覚えてないという人は、上に画面を戻して見てみて下さい。

 

 

ロバに乗ってエルサレムに入場するイエス・キリストですので、受難の始まりである枝の主日に出る山車だと想像できます。

 

同じエルサレムの入場を表す山車でも、セビリアのものは、キリストの衣装や山車全体が非常に豪華なつくりです。

 

各山車の像が伝える元のメッセージは同じでも、地域によって山車のデザインや大きさなど変わります。

 

色々細かいことを見たらきりがありませんが、重要なポイントはプロセシオンはキリストの受難を再現したもの。

 

上記に説明を抑えておけば、山車のキリストやマリアの像を見て何を表しているのか想像できると思います。

 

次に、プロセシオンの山車やそれを運ぶ人たちについて簡単に見ていきます。

 

プロセシオンの用語やトリビア

山車の基本情報

キリストやマリア像を乗せた山車の名前は複数ありますが、

  • セビリアではパソ(Paso)
  • マラガではトロノ(Trono)

と、場所によって呼び方が違います。

 

山車は、プロセシオンに参加する信心会「コフラディア(Cofradia)」が1年かけて準備します。

 

マラガでは42の信心会でキリストとマリアのトロノを1つずつ所有しているので、セマナ・サンタ中に出されるトロノの数は合計84。

 

一方、セビリアのコフラディアの数は約60で、ほとんどのコフラディアが2つのパソを所有しているので、100以上のパソを見ることができます。

 

山車の重さ

山車の大きさやタイプで重さはそれぞれ変わりますが…

  • マリア像の山車でおよそ1,500㎏
  • キリストのものだと2,000㎏

という情報もあります。

 

ちなみに、マラガの山車(トロノ)で一番重いものは5,800㎏!

 

この山車を運ぶために、250人もしくはそれ以上の人数で担いで歩くそうです。

 

山車を担ぐ人や担ぎ方

山車の名前と同様、担ぐ人の名前も次のように違いがあります。

  • セビリアではCostalero(コスタレ―ロ)
  • マラガではHombres de Trono(オンブレス・デ・トロノ)

 

セビリアのコスタレーロは、山車の真下に入って背中の上部でパソの重さに耐えながら運ぶのに対し、マラガのオンブレス・デ・トロノは、山車の周りに立って常に同じ肩で担ぎます。

 

ひとり当たりの重量負担は30~40㎏、ひどい時は100㎏の重さにまで耐えなくてはいけないそうです。

 

1日に何時間も続くプロセシオンに参加する信者には、

  • 体力
  • 精神的な強さ
  • 強い信仰心

が必要とされます。

 

次に、プロセシオンで見る独特の衣装について説明します。

 

とんがり帽子をかぶった人達は何?

スペインイースターのプロセシオン

 

とんがり帽子に目の部分に穴をあけた衣装を着るのは、Nazareno(ナサレノ)という受難者の仮装をした人達です。

 

初めてマラガでナサレノを見た時、『クー・クラックス・クラン!?』とビックリしたのを覚えています。

Nazarenoという言葉は地方によって違う言葉が使われます。

 

トゥニカ(Túnica)と呼ばれる丈の長い上着は、マラガでは信心会から支給されるのに対し、セビリアでは個人で購入しなくてはならないそうです。

 

女性は山車を担がないの?

昔は女性が担ぐことはできませんでしたが、最近では山車を担ぐ女性が出て来たようです。

 

しかし、女性が担ぐ山車はプロセシオンのオフィシャル・ルートを通れない等、細かいところで差別というか違いがあるようです。

 

プロセシオンの追っかけは何という?

学生の頃、留学先のマラガで初めてセマナ・サンタを体験し、若い人からお年寄りまで、真夜中の遅い時間になってもプロセシオンの追っかけをする人の存在を知りました。

 

お目当ての山車が通るまで通りに座って待ったり、プロセシオンを見て感極まって泣いたりする人もいます。

 

プロセシオンの追っかけと言うとミーハーなイメージがありますが、彼らはカピジータ(Capillita)と呼ばれ、プロセシオンに参加する全てのコフラディアの歴史など非常に細かいことまで知っている人を指します。

 

現地で、私はカピジータなんだと言う人に出会ったら、セマナ・サンタのプロセシオンについて色々教えてもらえるでしょう。

 

まとめ

  • セマナ・サンタの宗教行列はスペイン語でプロセシオン。
  • スペインで最もプロセシオンが有名なのはアンダルシア地方のセビリアとマラガ。
  • 宗教行列の山車は、セビリアでパソと呼ばれ、マラガではトロノと言う。
  • コフラディア(信心会)がキリストとマリア像を乗せた山車を準備。
  • 山車を担ぐ人はセビリアでコスタレ―ロだが、マラガではオンブレ・デ・トロノ。
  • セビリアでは背中の上部で山車を担ぐのに対し、マラガでは肩で担ぐ。
  • 三角棒に目の部分を繰りぬいた人物は、受難者の恰好をしたナサレノ。
  • プロセシオンの知識豊富な追っかけをCapillita(カピジータ)と呼ぶ。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

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堀 いつこ

日本人で唯一のガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で観光マネージメント修士課程修了。同大学で留学生サポート業務を約4年経験。2019年にサンティアゴ巡礼専門の旅行会社に就職。まだ認知度が低いサンティアゴやガリシアの魅力を伝えるのが私のミッション。詳しいプロフィールはこちら

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