この記事では、約2週間続くスペインのクリスマスについて次の流れで紹介していきます。
- クリスマスの国民的イベント、宝くじ
- クリスマス・イブや年末の過ごし方
- 子供たちが主役のクリスマス最後のイベント
上記のテーマに続いて、現地に住んで知ったクリスマスに対するスペイン人の本音や、例年とは異なる2020年のクリスマスについてもお話します。
もくじ
スペインのクリスマス開始は宝くじ抽選会
スペインの多くの自治州で、学校は12月22日からクリスマス休暇に入ります。
同じ日、クリスマスのスタートを意味する国民的イベント『クリスマスの宝くじ(Lotería de Navidad)』の抽選会が行われます。
午前中からテレビやラジオで抽選会の様子が流れ、お昼のニュースで1等が当たったバルや宝くじ販売店で喜ぶ人たちの様子が生中継されます。
スペインの宝くじは同じ番号の券が複数発行されるため、
- バルで販売する番号を買ったお客さんたち
- 仕事場で選んだ番号を買った職員たち
で、当選した場合に賞金が分配されます。
スペインの宝くじの仕組みについて詳しく説明した記事も書いていますので、良かったらお読みください。
クリスマス・イブとクリスマスの過ごし方
12月24日クリスマス・イブは、スペイン語でノチェ・ブエナ(Noche buena)と呼ばれます。
クリスマス・イブに家族揃ってクリスマス・ディナーを食べますが、1年で最も大事な日のディナーに正装する家庭も少なくありません。
クリスマスの時期に教会では様々なミサが行われますが、敬虔なカトリック信者はイエス・キリストの誕生を祝うため、深夜0時(もしくはその少し前)に始まるミサ(Misa del Gallo)に参加する人もいます。
12月25日は国の祝日なので、お店や美術館など大抵の場所が締まるので、1日ゆっくり過ごします。
クリスマスプレゼントを持ってくるのは誰?
12月25日の朝、子供たちは待ちに待ったパパ・ノエル(サンタクロース)からのプレゼントを開けます。
サンタクロースが定着していますが、スペインでクリスマスのプレゼントを持ってくるのはレイジェス・マゴス(東方の三博士)です。
レイジェス・マゴスについてはこの後で触れますが、サンタクロースよりレイジェスの方が大事と考える家庭は今でも多いです。
日本とは違うスペインの年越しの習慣は?
12月31日の年越しの日は、ノチェ・ビエハ(Nochevieja)。
スペインの年越しカウントダウンでは、ぶどうを食べる風習があります。
12月24日のノチェ・ブエナは家の中で家族と過ごす一方、31日のカウントダウンの後に友達とパーティーをしたり、外に出て祝う人が多いです。
クリスマスの最後のイベントは?
クリスマスの最後の祝日は、1月6日のレイジェス・マゴス(Reyes Magos)。
日本語で公現祭と言い、馬小屋で誕生したイエス・キリストを東方から来た3人の博士が訪問し、幼いイエスに贈り物をしたと伝えられています。
1月5日の夜に東方の三博士がやってくるので、この日はスペインの各地でレイジェス(三博士)を乗せた山車のパレードが行われます。
山車から沢山の飴が投げられ、山車の周りで子供はもちろん、大人も一緒になって飴を拾います。
6日の朝、子供たちはレイジェスが持ってきたプレゼントを開け、朝食にロスコン・デ・レイジェスというこの日特有の菓子パンを食べます。
スペイン人はクリスマスが嫌い!?
コンサルティング会社イプソスによる調査によると、スペイン人の33%がクリスマスが好きではないそうです。
また、Nasciaという会社が行った2018年の調査に参加したスペイン人の65%が、
- 経済的状況とクリスマス時期の過剰な出費
- この時期に増える家族・親族や友達との約束
- 子供のクリスマス休暇で難しくなる仕事と家庭の両立
などの理由で、クリスマスにストレスを感じるという結果も出ています
スペインに住んで感じること
本音を言えばクリスマスは早く過ぎてほしい、あまり好きではないと実際にスペイン人から何度か聞きました。
一般的に家族の繋がりが強いスペインですが、クリスマスが好きでない人が思ったよりも多くて最初は少しびっくりしました。
私自身も、この時期に家族へ贈るプレゼントを考えたり、人で混雑したショッピングモールへ買い物へ行くのが憂鬱になることもあります。
クリスマスが大好きという人もちろんいますし、家族と久しぶりに会って過ごす時間は楽しいですが、プレゼントを買う=消費しなくていけないというプレッシャーが強いかなと実際に感じます。
クリスマスに行うプレゼント交換ゲームとは?
友達同士や職場の同僚、兄弟が多い家族内のプレゼント交換で、アミーゴ・インビシブレというゲームをすることがあります。
アミーゴ・インビシブレは、目に見えない友達という意味
プレゼント交換に参加するメンバーの名前を紙に書いて折りたたみ、各自引いた紙に書かれた名前の人にプレゼントします。
予算を大体決めますが、誰にプレゼントするかを公表してはいけません。
ゲームに参加者同士が遠方に住んでいても、ネットでゲーム専用のサイトで名前とメールアドレスを記入すると、後からメールでプレゼントする人の名前が送られるという便利なシステムもあります。
2020年のクリスマス
12月2日、スペイン中央政府の保健省は、クリスマス及び年末年始における規制措置の内容を発表しました。
ポイント
- 12月23日~1月6日まで、州及び自
治都市間の移動は制限。(正当な理由を伴う移動や家族や親戚等の家に向かう場合は例外) - 12月24・25・31日、1月1日の会合人数は10人に制限。1つの会合で同居人同士のグループが2つを超えないことを推奨。
- 12月24・25・31日、1月1日、帰宅する場合の外出のみ外出禁止は25:30~
上記の内容は、あくまでも中央政府からの勧告的なものであり、各自治州政府が決めた内容が適用されます。
12月16日、ガリシア州政府が発表したクリスマス期間の措置はというと…
- クリスマスの会合で、同居人同士のグループは1つであることを強く推奨し、『最大で』2つ。
- 会合人数は、子供はカウントしないで6人に制限。
- 12月23日~1月6日まで他の州とガリシア州間の移動は禁止。(家族の家に向かう場合は例外)
- クリスマス期間の外出禁止は23:00~6:00。イブと31日のみ、25:30~
12月上旬には、同居人同士のグループは2つを超えないこととしていましたが、さらに厳しくなりました。
クリスマスは夫の両親をはじめ、合計4つの家族が集まりますが、今年は4人だけで24日のイブを、31日は義理の両親と過ごすことになりそうです。
措置を守らない人の話がニュース等に出やすいですが、今年のクリスマスは我慢し、状況が改善する方を望むと考えるスペイン人もいます。
まとめ
- スペインのクリスマスは、12月24日~1月6日と約2週間。
- 12月22日のクリスマス宝くじ抽選会から一気にクリスマスモードに。
- 12月24日のディナーは家族で集まって過ごす重要な日。
- 年末のカウントダウンはブドウを食べる。
- 1月6日は、東方の三博士がイエス・キリストの誕生を訪問したことを祝う日。
- 幼いイエスに贈り物をしたことから、スペインでは東方の三博士がクリスマスプレゼントを持ってくる習慣がある。
- サンタクロースが広く定着しているが、現在も東方の三博士を重要視するスペイン人は多い。
- 2020年のクリスマス・年末の規制措置により、州外への移動や会合の人数が制限される。
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