「サンティアゴ・デ・コンポステーラで、ちょっと特別な食事がしたい」
「せっかくのスペイン旅行、失敗しないレストランを選びたい」
そんな時、頼りになるのが「ミシュランガイド」です。 サンティアゴには、星付きレストランから、コストパフォーマンス抜群のビブグルマンまで、数多くの名店がひしめいています。
この記事では、現地在住の公認ガイドである私が、実際に足を運んだことのあるお店を厳選してご紹介します。 単なるリストではなく、「どんなシーンで使うべきか?」「現地の評判は?」といったリアルな情報をお届けします。
💡 在住者からひとつだけ、お伝えしたいこと
実はサンティアゴは、人口わずか10万人ほどの小さな街ですが、レストランのレベルが異常に高いことでも知られています。
街を歩けば名店に当たると言っても過言ではなく、私自身「この規模の街に、これほど美味しい店が密集している場所は他にないのでは?」と驚くほどです。
この記事では分かりやすい指標として「ミシュラン掲載店」に絞ってご紹介しますが、これはサンティアゴ美食のほんの一部に過ぎません。
星付き以外にも素晴らしいお店は山ほどありますので、まずはこの記事を入り口に、ガリシアの奥深い食の世界を楽しんでください。
サンティアゴは「美食の街」。ミシュランの種類を知ろう
お店を選ぶ前に、ミシュランの3つのカテゴリーを知っておくと選びやすくなります。
- 星付き(Stars)⭐⭐ 卓越した料理。記念日や「一生の思い出」を作りたい時に。予算は高め。
- ビブグルマン(Bib Gourmand)😋 「価格以上の満足感が得られる料理」。コストパフォーマンス最強。ちょっと贅沢なランチやディナーに最適。
- セレクテッド(Selected / 旧プレート)🍽️ 星やビブグルマンではないが、調査員が「美味しい」と認めた店。地元の食通が通う穴場が多い。
1. 【星付き】一生の思い出になるレストラン(予算:80€〜)
A Tafona(ア・タフォナ)|1つ星・Sol Repsol
地元でも有名な女性シェフ、ルシア・フレイタス(Lucía Freitas)氏が率いる、サンティアゴを代表するレストランです。
- 場所: Virxe da Cerca(旧市街の入り口付近)
- スタイル: 懐石料理のような繊細なコース
- 予算目安: 1人130€〜(コースのみ)
【在住ガイドの視点】 「実はここ、以前は15ユーロのランチメニューを出していた時代があったんです。『この値段でこのレベル!?』と当時から衝撃的でしたが、今や2つ星を持つ高級レストランになりました。 彼女の料理は、地元の食材への愛と、独自の創作性が融合した芸術作品です。ガリシアの定番料理(タコや煮込み)ではなく、**『見たこともないガリシア料理』**を体験したい方におすすめ。 完全にコースのみの高級店なので、『特別な夜』のための場所として早めに予約してください。」
Casa Marcelo(カサ・マルセロ)|1つ星
大聖堂から徒歩1分。日本の居酒屋文化とガリシア食材が融合した、ユニークな星付きレストランです。
- 場所: Rúa das Hortas(オブラドイロ広場から坂を少し下る)
- スタイル: 長テーブルでの相席・フュージョン
- 予算目安: 1人60〜90€
【在住ガイドの視点】 「ミシュラン星付きの実力派ですが、ここは『日本とガリシアのフュージョン(融合)』を楽しめるお店です『ガリシアに来たからには、どっぷりと現地の伝統料理に浸りたい!』という方が初日に行くと、少しイメージと違うかもしれません。
逆に、長期旅行でスペイン料理の味付けに少し疲れてきた時や、『普通のバルには飽きたから、刺激的な料理が食べたい』という時には最高の一軒になります。 大聖堂のすぐ裏という立地は抜群なので、旅の目的と気分に合わせて選んでみてください。」
2. 【ビブグルマン】50ユーロ前後でミシュランの味を楽しめる
「星はついていないけど、味は一流」。そんな賢い選択をしたい方はこちら。
Horta do Obradoiro(オルタ・ド・オブラドイロ)
カサ・マルセロのすぐ近くにある、緑あふれる一軒家レストラン。「Horta(オルタ)」はガリシア語で「菜園」を意味します。
- 場所: Rúa das Hortas(カサ・マルセロの数軒隣)
- スタイル: ガリシア食材のモダンアレンジ
- 予算目安: 1人40〜60€
【在住ガイドの視点】 「大聖堂からすぐ、カサ・マルセロのほぼ向かいにある人気店です。 天気の良い日は、奥にあるお庭(テラス席)の雰囲気が最高です。 『星付きに行くほど予算はないけれど、せっかくだからすごく美味しいものが食べたい』という時に、私が一番におすすめするレストランです。」
3. 【セレクテッド】予約必須の「隠れた名店」(予算:35〜50€)
星は付いていなくても、地元の人が「あそこは美味しいよ」と口を揃える実力派です。
Pampín Bar(パンピン・バル)
「外観は普通のバル、中身は一流レストラン」。このギャップがたまらない、知る人ぞ知る名店です。
- 場所: 観光エリアから少し離れた静かなエリア
- スタイル: 伝統料理の再構築
【在住ガイドの視点】 「お店の前を通ると、昔ながらの普通のバルに見えます。でも、一歩中に入って料理を食べるとそのレベルの高さにびっくりします!まさに『サプライズ』があるお店。 地元紙で『シェフがお忍びで通う店』として紹介されるほどの実力派です。特にここのエンパナーダ(ガリシア風パイ)は絶品。隠れ家的な場所で、静かに食事を楽しみたい方にぴったりです。」
Abastos 2.0(アバストス 2.0)
サンティアゴの胃袋「アバストス市場」に併設された、鮮度抜群の人気店です。
- 場所: アバストス市場(Mercado de Abastos)
- スタイル: 市場料理・フレッシュ
【在住ガイドの視点】 「市場で仕入れた食材をそのまま出す、というコンセプト通り、鮮度はピカイチ。 創作料理すぎず、かといって定番の『ドン!』とした田舎料理でもない、洗練された素材の味を楽しめます。私もお客様によく紹介するお店の一つです。市場の活気を感じながら、ガリシアの海の幸を味わいたい方はぜひ。」
O Curro da Parra(オ・クロ・ダ・パラ)
旧市街の路地裏にある、落ち着いた雰囲気のレストランです。
- 場所: Rúa do Curro da Parra(旧市街内)
- スタイル: カジュアル&シック
【在住ガイドの視点】 「決して大きなお店ではありませんが、隠れ家のような雰囲気が素敵です。 1階はタパスを頼んでシェアするカジュアルなバルスタイル、2階は落ち着いたコース料理と使い分けができます。コースと言ってもフランス料理のように気取ったものではなく、手頃な価格設定なのが嬉しいポイント。 『ガリシア料理を少しおしゃれに楽しみたい』という時に重宝するお店です。」
まとめ:シーンに合わせて使い分けよう
サンティアゴには美味しいお店がたくさんありますが、ミシュラン掲載店はやはり「ハズレがない」のが魅力です。
- 記念日・美食体験なら 👉 星付き(A Tafona, Casa Marcelo)
- コスパ良く美味しい食事なら 👉 ビブグルマン(Horta do Obradoiro)
- 通な穴場に行きたいなら 👉 セレクテッド(Pampín Barなど)
旅の予算と気分に合わせて、最高の一皿を楽しんでください。
🍷 もっと手軽に、ワイワイ楽しみたいなら?
「予約なしでふらっと入りたい」「安くて美味しいタパスをはしごしたい」
そんな方は、地元の人が通う「バル」がおすすめです。