
スペインで美味しい貝の缶詰を買いたいんだけど、聞いたことないブランドも多いし、料金も1€から10€以上とバラバラ。高いものは確かにいいものだろうけど選び方が分かればな…。
というあなたに缶詰め業界で営業を担当するスペイン人に聞いた知識をお教えします。

と謙遜していましたが、本当に勉強になる知識ばかりでした。
一般のスペイン人でもここまで知っている人はいませんので、是非参考にして下さい。
まずは、魚介類の缶詰を買う時に知っておきたい有名な生産場所について説明します。
もくじ
魚介類の缶詰生産で有名な場所は?
スペインの好漁場のひとつにガリシア州のリアス(Rías)があります。
太陽の光で暖かくなった海水が北東からの風と大西洋から入ってくる海流に押し出されと同時に、
深層にある冷たくて栄養のある海水が表層まで上昇する「湧昇(ゆうしょう)」という海水の入れ替えが起こります。
リアスが好漁場と言われるのは、湧昇により大量のプランクトンが増殖されるからです。
湧昇域の面積は、世界の海洋の0.1%と非常に少ないにもかかわらず、その生産量は全海洋の約半分を占めるそうです。
15以上あるガリシア州のリアスの中でも、ガリシアの南にある「リアス・バイシャス」がヨーロッパ最大の養殖地です。
ガリシアの養殖業で特に有名なのはムール貝です。ヨーロッパで生産されるムール貝の約半分はガリシア産です。
次に、ムール貝とタコの缶詰を選ぶ上でのポイントを見てみます。
ムール貝の缶詰を選ぶ時のポイント
貝のサイズの見方
TAMAÑO MEDIANO(タマニョ・メディアノ)はスペイン語で中サイズを意味します。
その下にある8/12 PIEZASは、『8~12個入りです』と伝えています。
貝の実の大きさが均一でないので、決められた重さで個数がバラバラになるからです。
他にどういったサイズがあるかと言うと・・・
- 4/6 : 1番大きいサイズ。
- 8/12: 8/12は中の上ぐらいのサイズ。
- 14/18: 14/18は中くらいのサイズ。

スペインで8~12個入りは中サイズ(Tamaño Mediano)と表示されますが…
フランスやベルギーへ行くと大サイズとみなされます。

実は、同じスペインでも地方によって売れる(好みの)サイズが異なります。
ガリシアで多いタイプは14/18(14~18個入り)ですが、南のムルシア州で人気のサイズは4/6。
一般的にサイズが大きいと味も大味になります。
味の好みは人それぞれですが、14/18ぐらいまでがおすすめです。
ムール貝の味付けソースの種類は4つ
Mejillones en escabeche(メヒジョネス・エン・エスカベチェ)
エスカベシュのマリネされたムール貝で、売り上げの80~90%がこの味付け。
エスカベシュに使われているのはオリーブオイルにビネガー、パプリカやクローブなどの香辛料です。
Mejillones en escabeche picante(メヒジョネス・エン・エスカベチェ・ピカンテ)
エスカベシュのピリッと辛い(ピカンテ)バージョン。
フランスではこの辛いのを好むようですが、スペインでは圧倒的に上のエスカベシュが多いです。
Mejillones en salsa vieira(メヒジョネス・エン・サルサ・ビエイラ)
直訳でホタテ貝のソースですが、品物によってはSalsa gallega(サルサ・ガジェガ)と書いている場合も。
玉ねぎやトマト、オリーブオイル、香辛料を使用しています。
Mejillones al natural(メヒジョネス・アル・ナトゥラル)
これは何も味付けしていないNatural(ナチュナル)なものです。
ムール貝のおすすめ商品は?
Ramon Franco(ラモン・フランコ)
出典: https://www.salazonesdiego.com
自社の養殖筏でとれたムール貝を使用しています。ムール貝のスペシャリストだそうです。

Mariscadora(マリスカドーラ)
出典: https://mariscadora.es/tienda
生産の大部分をカタルーニャ州に出しているので、ガリシアよりカタルーニャ州で見ることができるブランドです。
タコの缶詰を選ぶ時のポイント
本物と偽物の見分け方
スーパーの売り場に並んでいる黄色と黒のパッケージのタコの缶詰。
あなたなら、どちらを手にしますか?
同じタコでも価格にかなりの違いがあるので、「安いのでいいか。」と思う人結構いると思います。

あなたが手に取った缶詰の箱に
- Tacos(タコス)
- Pota(ポタ)
- Potón(ポトン)
という表記があったら、それはタコではありません。
Potónは、アメリカオオアカイカ
PULPO(タコ)であれば値段は3€以上になるのが普通で、1€台のはTACOSです。

と思ったのですが、昔はアメリカオオアカイカをタコとして売ってもいいとされていました。
最近はきちんとタコを扱っている業者からクレームがでて変わってきているということです。

Ingredientes(材料)のところにDosidicus gigas(アメリカオオアカイカの学名)と記載されていたらタコではないです。
タコのおすすめ商品は?
昔と比べると、タコの缶詰の取り扱いをやめてしまった会社がほとんどだそうです。
小さい規模のメーカーのもの全てのメーカーをおさえていませんが、ガリシアのメーカーで有名なものでタコの商品を扱っているブランドを5つ紹介します。
Mariscadora(マリスカドーラ)
ムール貝と同様にタコの缶詰でもおすすめの会社だと教えてもらいました。Mariscadoraのサイトはこちら。
ALBO(アルボ)
出典: http://www.albo.es
1884
出典: http://cerdeimar.gruposicom.com
ガリシア州コルーニャ県のカマリーニャスの会社の商品です。
Luis Escurris Batalla(ルイス・エスクリス・バタジャ)
この会社の工場を訪れたことがあります。メルルーサの卵の缶詰も美味しいです。
Conservas de Cambados(コンセルバス・デ・カンバードス)
この会社の商品は、缶のパッケージに漁網を使っていてかわいいなと思います。
まとめ
- ガリシアの南にある「リアス・バイシャス」がヨーロッパ最大の養殖地。
- ムール貝でサイズの下に貝がいくつ入っているかを表示している。
- 実が大きい大味になるので中サイズのものがおすすめ。
- タコの缶詰はタコでないものをタコの缶詰として売っているので、3€以上の物を買う。
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