というあなたに、缶詰め業界で営業を担当しているスペイン人に聞いた知識をお教えします。
と謙遜していましたが、本当に勉強になる知識ばかりでした。
安くても美味しいものもありますが、安いのにはそれなりの理由があります。
その辺りを理解して買うのってとても大事だと私は思いますので、事前知識的なことも含めて説明します。
参考になれば嬉しいです。
スペインで有名な養殖地や缶詰生産地は?
ヨーロッパ最大の養殖地に、ガリシア州のリアス・バイシャスがあります。
ガリシアの養殖業で最も有名なのはムール貝で、ヨーロッパで生産されるムール貝の約半分はガリシア産です。
ガリシアのリアスは、湧昇(ゆうしょう)と呼ばれる海水の入れ替え現象により、大量のプランクトンが増殖されるので好漁場となっています。
湧昇の現象については、Wikipedia等の説明を参考にして下さい。
本文では、早速ムール貝の缶詰を例にして缶詰を選ぶ時のポイントを紹介していきます。
ムール貝の缶詰を選ぶ時のポイント
ムール貝の缶詰の読み方
上記は、メルカドナと呼ばれるスペインで有名なスーパーで売っているムール貝の缶詰です。
今回はこの箱を例にして缶詰の情報の読み方を解説します。
はじめに、上からどんな情報が書かれているのかサッと見てから、細かい説明をしていきますね。
Mejillones
スペイン語でムール貝の意味
en escabeche
エスカベシュソース(この後で、ソースの種類を説明します)
TAMAÑO MEDIANO
タマニョ・メディアノと読みます。スペイン語で中サイズを意味。
8/12 PIEZAS
8~12個入り
ムール貝の味付けソースは4種類
Mejillones en escabeche(メヒジョネス・エン・エスカベチェ)
エスカベシュのマリネされたムール貝で、売り上げの80~90%がこの味付け。
エスカベシュに使われているのはオリーブオイルにビネガー、パプリカやクローブなどの香辛料です。
Mejillones en escabeche picante(メヒジョネス・エン・エスカベチェ・ピカンテ)
エスカベシュのピリッと辛い(ピカンテ)バージョン。
フランスではこの辛いのを好むようですが、スペインでは圧倒的に上のエスカベシュが多いです。
Mejillones en salsa vieira(メヒジョネス・エン・サルサ・ビエイラ)
直訳でホタテ貝のソースですが、品物によってはSalsa gallega(サルサ・ガジェガ)と書いている場合も。
玉ねぎやトマト、オリーブオイル、香辛料を使用しています。
Mejillones al natural(メヒジョネス・アル・ナトゥラル)
これは何も味付けしていないNatural(ナチュナル)なものです。
貝のサイズ
貝の実の大きさが均一でないので、決められた重さの中で8~12個という表記になります。
他にどういったサイズがあるかと言うと・・・
- 4/6 : 1番大きいサイズ。
- 8/12: 8/12は中の上ぐらいのサイズ。
- 14/18: 14/18は中くらいのサイズ。
一般的にサイズが大きいと味も大味になります。また、数が大きくなればそれだけ実の大きさは小さくなります。
スペインで8~12個入りは中サイズ(Tamaño Mediano)と表示されますが、フランスやベルギーへ行くと大サイズとみなされます。
スペイン国内でも、ガリシアでは14/18(14~18個入り)に対し、南のムルシア州では4/6が人気と、売れる(好みの)サイズが異なります。
味の好みは人それぞれですが、14/18ぐらいまでがおすすめです。
ムール貝缶詰のおすすめ商品
Ramon Franco(ラモン・フランコ)
出典: https://www.salazonesdiego.com
自社の養殖筏でとれたムール貝を使用しています。ムール貝のスペシャリストだそうです。
Mariscadora(マリスカドーラ)
出典: https://mariscadora.es/tienda
生産の大部分をカタルーニャ州に出しているので、ガリシアよりカタルーニャ州で見ることが多いブランドです。
タコの缶詰を選ぶ時のポイント
本物と偽物の見分け方⁉
スーパーの売り場に並んでいる黄色と黒のパッケージのタコの缶詰。
あなたなら、どちらを手にしますか?
同じタコでも価格にかなりの違いがあるので、「安いのでいいか」と思う人結構いると思います。
あなたが手に取った缶詰の箱に…
- Tacos(タコス)
- Pota(ポタ)
- Potón(ポトン)
という表記があったら、それはタコではありません。
Potónは、アメリカオオアカイカ
PULPO(タコ)であれば値段は3€以上になるのが普通で、1€台のはTACOSです。
と思ったのですが、昔はアメリカオオアカイカをタコとして売ってもいいとされていました。
最近は、きちんとタコを扱っている業者からクレームがでて変わってきているということです。
Ingredientes(材料)のところにDosidicus gigas(アメリカオオアカイカの学名)とあったらタコではありません。
タコのおすすめ商品
昔と比べると、タコの缶詰の取り扱いをやめてしまった会社がほとんどだそうです。
全ての生産者を抑えていませんが、ガリシアの有名生産者でタコの扱っているブランドを5つ紹介します。
Mariscadora(マリスカドーラ)
ムール貝と同様にタコの缶詰でもおすすめの会社だと教えてもらいました。Mariscadoraのサイトはこちら。
ALBO(アルボ)
出典: http://www.albo.es
1884
出典: http://cerdeimar.gruposicom.com
ガリシア州コルーニャ県のカマリーニャスの会社の商品です。
Luis Escurris Batalla(ルイス・エスクリス・バタジャ)
この会社の工場を訪れたことがあります。メルルーサの卵の缶詰も美味しいです。
Conservas de Cambados(コンセルバス・デ・カンバードス)
この会社の商品は、缶のパッケージに漁網を使っていてかわいいなと思います。
まとめ
- ガリシアのリアス・バイシャスは、ヨーロッパ最大の養殖地。
- ムール貝の缶詰には4つのソースの種類がある。
- 実が大きいと大味になるので中サイズのものがおすすめ。
- タコの缶詰はタコでないものをタコの缶詰として売っている。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。