この記事では、スペインの世界遺産であるレオン大聖堂の魅力を紹介します。
レオン大聖堂の見所と言えば、壁面1800㎡を埋め尽くす美しいステンドグラス。
本文を読めば、
- レオン大聖堂の建築の歴史
- 大聖堂内部のステンドグラスを見る時のポイント
- その他大聖堂内部の見所
が分かります。
観光時、建物内の見方が変わりますので、是非、参考にして下さい。
レオン大聖堂の歴史
大聖堂が建つ場所には、ローマ時代につくられた共同浴場がありました。
10世紀、キリスト教国家によるレコンキスタ(国土回復運動)の時代に、共同浴場の一部がレオン王国のオルドーニョ2世の新しい宮殿となります。
イスラム教徒との戦い(Batalla de San Esteban de Gorma)に勝利すると、オルドーニョ2世は神への感謝の記しに、宮殿の場所に教会の建築を決めます。
数年後、ロマネスク様式の大聖堂建築が始まりましたが、現在あるゴシック様式の大聖堂の本格的な工事開始は、アルフォンソ10世(賢王)とマルティネス・フェルナンデス司教の促進により、1255年からになります。
ところで、レオン大聖堂の建築完成にどのくらいの期間がかかったと思われますか?
完成したのは1303年ですので、計算すると48年です!
厳密には、左右2つの塔はその後の工事で完成しているのでもっと時間がかかっていますが、大聖堂の大部分を48年で造ったのは非常に早いと思います。
歴史はこのぐらいにし、大聖堂の正門へ近づいていきましょう。
中央のポーチのティンパノのという部分に最後の審判が描かれており、その下に聖母ブランカ(Virgen Blanca)像が見えます。
これは複製で、オリジナルの像は大聖堂の内部にあります。
正門の下部分のわきにキリスト教の聖人像が置いてあった場所がありますが、現在、修復中のためどこにどの聖人が配置してあったのかわからない状態。
木製のドアから左に2つ目の場所(番号6が記載)は聖ヤコブ像が置かれていました。
サンティアゴ巡礼路を歩く巡礼者が柱を触った跡がよくわかります。
大聖堂の内部の様子
大聖堂の中へ入ってすぐにステンドグラスの素晴らしさに圧倒されます。
2017年8月の月曜日の午前中に訪れましたが、週末は小さい子供が駆け回っていたりして人で一杯だったようです。
夏の観光シーズンは、平日の午前中の方がゆっくり見れるかもしれません。
太陽の光の影響で大聖堂内部の明るさというか色がふぁっと変わる瞬間がとても美しいと思いました。
ステンドグラスの修復方法は?
レオン大聖堂には13世紀から20世紀まで作成された時代が異なるステンドグラスがあります。
これまでに修復したステンドグラスと一緒に、中世の時代に造られ現在まで残っているオリジナルのものが結構あります。
ステンドグラスを掃除するといっても現代のように外側から拭くのではなく、下記のような流れになります。
step.1
ステンドグラスのパネルを外す
step.2
大聖堂の近くにある作業場に持って行って、各パネルの状態をチェック。
step.3
パネルの破損を直す修復作業を行う。
オリジナルと修復後のステンドグラスの見分け方は?
ここにオリジナルと修復後のステンドグラスが並んでいます。
どっちがどっちだかわかりますか?
見分ける時に注目するポイントはガラスの下の部分です。
修復したステンドグラスの場所には外側にクリスタルを付けて外側から風邪やほこりなどからステンドグラスを守るようにしています。
修復したステンドグラスは建物の内側につけるので、クリスタルとステンドグラスの間に隙間ができます。
外からの光が見えるので、この写真で修復したステンドガラスは右側の物になります。
これから大聖堂へ入る方はこの部分をチェックしてみてください。
大聖堂のその他の見所は?
ステンドグラスだけでもっと書けてしまうぐらい話がありますが、レオン大聖堂の内部を歩いていると他にも見所はあります。
聖歌隊席のミゼルコルディア
大聖堂の中央部分に聖歌隊席は、聖職者が祈りを捧げたり歌を歌ったりする場所です。
椅子は2段階になっていて、立った状態でおしりだけ乗せる部分があります。
この部分をミゼルコルディアといい、礼拝を行う大聖堂で一般的に表現されないものが見られます。
どんなものがある?
- バグパイプをもった猪
- 用を足している動物
- 革製の酒袋を担いだモーロ人
などを見る事が出来ます。
飲酒などキリスト教で悪習されるものを表現するものがなぜ聖歌隊の席にあると思いますか?
聖歌隊の席に座るときにイスの部分(ミゼルコルディア)を下におろす仕草から
「悪習を隠す」という意味合いがあるようです。
レオン大聖堂に限らず、アストルガやサモーラの大聖堂で聖歌隊席のミゼルコルディアに性的な表現をしたものがあるそうです。
巨大もぐら?
レオン大聖堂にはもぐら伝説があります。
大聖堂を建築中、夜中に石工師が寝ている間に悪いもぐらが地下に坑道を掘るために建築工事に問題が出たというものです。
最終的にはこのモグラを捕まえて殺して、他のモグラが悪さをしないように見せしめのために吊るしているというものです。
最初に説明したように大聖堂のあった場所はもともと浴場があった場所で不安定な場所であることや
他の条件がそろって大聖堂の建築に問題があったことは事実のようです。
つるされているのが本当にもぐらかというと、実はウミガメの甲羅だそうです。
パイプオルガン
レオン大聖堂にあるパイプオルガンはドイツのボンにある「Kleis」社製、ヨーロッパで最もモダンなものです。
設置されたのは2013年です。
毎年秋(9~11月頃)にパイプオルガンの国際フェスティバルが開催されます。
大聖堂の入場時間
月~土 9:30-13:30, 16:00-19:00
日 9:30-14:00
月~金 9:30-13:30, 16:00-20:00
土 9:30-12:00, 14:00-18:00
日 9:30-11:00, 14:00-20:00
月~土 9:30-13:30, 16:00-19:00
日 9:30-14:00
レオン大聖堂の入場料金
- 一般 6€
- 学生や団体 5€
- 12歳以下は無料
注意
まとめ
- 大聖堂が建つ場所には、ローマ時代につくられた共同浴場があった。
- 大聖堂の建物の工事にかかった年数は48年。
- レオン大聖堂には、13~20世紀までに作成された時代が異なるステンドグラスがある。
- レオン大聖堂には、有名なモグラ伝説がある。
- 毎年秋に、パルプオルガンの国際フェスティバルが開催される。
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