2026年追記:今、この記事をあなたに届ける理由
この記事を書いてから、6年の歳月が流れました。
コロナ禍を経て世界は一変し、2026年の今、円安や物価高といった現実が私たちの前に立ちはだかっています。
そして何より、あなた自身もこの6年で、年齢を重ね、体力の変化を感じてはいませんか?
「巡礼を夢見ながらも、今の自分にはもう無理かもしれない……」
立ち止まっている理由が、以前よりもずっと切実になっている方も多いはずです。
でも、だからこそ、この記事を読んでほしいのです。状況や体力が変わったのなら、「今のあなた」に合わせた新しい歩き方を選べばいいだけのこと。誰かの決めた「正解」に縛られず、あなたらしいカミーノを見つけるヒントがここにあります。
この記事は、何らかの理由でスペイン巡礼を諦めかけている方へのメッセージです。
巡礼直前に届いた一通のメール「行きたいのに、行けない」
すべては、ある読者の方からいただいたこのメールから始まりました。
オトラスペインの「スペイン留学で英語と同時学習は無理?おすすめは巡礼?」という記事を読みました。
最初は「スペイン巡礼?」という感じで読んだのですが、数日後、ふと気になって検索し始めました。
そこから、私の気持ちはスペイン巡礼一直線。
巡礼経験者のブログを読む日々の中、カミーノのために仕事を辞めよう!と全く迷いなく決心しました。
巡礼の時期も決め、今月末に辞表を出す予定でしたが…
膝前十字靭帯部分断裂、半月板部分断裂と診断されました。
なんとなく痛いな…という程度で断裂してますかね?
もう、悲しくて仕方ありません。
退職を迷う事なく決意させてしまうほど
魅了してくれたスペイン巡礼。 今、行きたいのに…
こんなに何かをやりたい!って心を動かされた事ないのに。
不公平じゃない?なんて大人気なく落ち込んでいるんです。
巡礼を始めてオトラスペインさんを驚かせようと思っていたのに、それも出来なくて残念。
ご本人に許可をもらって記載しています。
メールを読みながら、胸が締め付けられる思いがしましたが、同時にあることを確信しました。
それは、「サンティアゴ巡礼の形は、私たちが思うよりもずっと自由でいい」ということです。
サンティアゴ巡礼したいけど「できない理由」は人それぞれ
今の時代、巡礼に興味があってもあと一歩踏み出せない理由は、より切実になっています。
- 治安・言葉への不安: 「女性一人でも本当に大丈夫?」
- 年齢・体力の不安: 「長距離を歩く自信がない」
- 費用・時間の制約: 「円安で予算が……」「長期休暇が取れない」
当ブログには、こうした悩みを抱える方から多くの相談が寄せられます。でも、安心してください。
2026年の今、これらの壁を乗り越えて「自分らしい旅」を叶える仕組みは、以前よりもずっと整っています。
「王道」に縛られない。あなたにちょうどいい巡礼
「800kmを歩き通すのが本物だ」と思い込んでいませんか?
現実はもっと自由でいいのです。公認ガイドとして、私は「半日だけ」歩いて聖地の空気を肌で感じる喜びを知るお客様もたくさん見てきました。
もし時間や体力が理由なら、まずは以下の2つの選択肢を比べてみてください。
① 「巡礼証明書」を目標にするなら(最短5〜6日間)
最後の100kmを歩いて、サンティアゴの大聖堂で証明書をいただく王道プランです。忙しい日本の皆様でも、移動を含めた10日間で十分に叶えることができます。
② 「歴史の源流」に触れる旅なら(半日〜1日間)
100km歩くことだけが巡礼ではありません。
聖ヤコブの伝説が始まった地「パドロン」へ、サンティアゴからあえて逆方向に歩く特別な1日の旅もあります。
これなら、体力に自信がない方でも自分のペースで聖地の深みに触れることができます。
「こうあるべき」という固定観念を一度外してみると、巡礼の扉は驚くほど広く開いていることに気づくはずです。
2026年流「大人のカミーノ」の考え方
巡礼を歩くために仕事を辞める?
かつて仕事を辞めて800km歩いた女性に会いました。
その決断は素晴らしいものでしたが、私は、必ずしも「一度に全部」歩く必要はないと考えています。
スペインの人たちも、休暇を利用して3〜4年かけて分割して歩くのが一般的です。2026年の今、安易に「辞めてでも行くべき」とは言えません。「今の生活を守りながら、まずは1週間だけ歩いてみる」という選択も、非常にスマートな決断です。
仕事を辞める価値がカミーノにあるかどうかの最終判断を下すのはあなた自身ですが、「辞めずに、まずは一週間だけ歩いてみる」という選択肢も、今の時代には非常にスマートな決断です。
定年を待てないし、健康状態もわからない。
「定年後にゆっくり」と思っていても、その時に健康でいられる保証はありません。
「やりたいと思った時にやっておかないと後悔する」と感じるなら、先ほどご紹介した「最短ルート」や「1日旅」を、自分に許してあげてください。無理をして怪我をするのが一番のリスク。最短を選ぶのは手抜きではなく、自分を大切にする「21世紀の巡礼」の形です。
巡礼サービスを利用したら巡礼者じゃない?
「荷物はすべて自分で背負うべき」「自分の足だけで何とかするのが巡礼だ」 そんなふうに自分を厳しく律している方はいませんか?
確かに、すべての荷物を背負って歩く達成感は素晴らしいものです。しかし、無理をして膝を痛めたり、疲れ果てて景色を楽しむ余裕がなくなってしまっては本末転倒です。
私はガイドとして、「サポートを賢く利用したからこそ、最高の巡礼になった」という言葉を何度も聞きました。
- 荷物移送(バックパック輸送): 膝や腰への負担を減らし、怪我のリスクを最小限にします。
- 事前の宿予約: 「今日寝る場所があるだろうか」という不安から解放され、歩くこと、楽しむことに集中できます。
- 現地のプロによるサポート: 困った時にすぐ相談できる相手がいることは、一人歩きにとって最大の安心材料です。
これらは「甘え」ではなく、最後まで笑顔で歩き切るための「大人のリスク管理」です。
まとめ:50歳の私が思う「自分ができるカミーノ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
50歳という節目を目前にした今の私が、心から確信していること。
それは、「自分の弱さを認め、道具やサービスを賢く頼ることも、立派な大人の巡礼である」ということです。
800km歩けなくても、1ヶ月の休みがなくても、あなたの巡礼が「偽物」になることはありません。
大切なのは、誰かの決めた正解を追うことではなく、不公平な現実や体力の壁を前にして「じゃあ、今の自分に何ができる?」と一歩踏み出す勇気です。
その一歩の先には、数字や距離では測れない、あなただけの新しい景色が必ず待っています。
「自分の状況でどう計画すればいいか迷っている」という方は、一人で悩まずにご相談ください。
私は 「自分らしいカミーノ」を探すあなたを応援します。
ブエン・カミーノ!(良い巡礼を!)
