この記事では、北スペイン・アストゥリア地方でカーニバルの時期に食べる料理やお菓子を紹介します。
私が住むガリシア州のすぐ隣の地方で、今個人的にとても注目している場所です。
本文は、2022年にブロガートリップで知り合ったアストゥリアス在住のインフルエンサーであるハビエルさんの協力を得て書きました。(ハビエルさんの紹介は本文の最後で。)
料理をただ説明するよりも、地元に住む人の意見を取り入れることで私もなるほどと新しい学びがありました。
本文を読んで、あなたがアストゥリアス地方の料理に関心を持っていただければ嬉しいです。
それでは、早速見て行きましょう!
アストゥリアス地方のカーニバル定番料理は何?
ポテ・アストゥリアノ(POTE ASTURIANO)
アストゥリアスで、カーニバルの定番料理といえば、ポテ・アストゥリアノ。
POTE(ポテ)とは、鉄製で三脚のある鍋を指すのですが…
その鍋を使って作った煮込み料理、すなわちアストゥリアスの煮込み料理と考えてもらえればいいと思います。
Berza(ベルサと呼ばれるキャベツの一種)がベースになっており、
- Chorizo(チョリソー)
- Morcilla(モルシージャ)
- Panceta(パンセタ)
の3つで構成されるコンパンゴとファバ・アストゥリアナと呼ばれる白いインゲン豆で作ります。
先ほど紹介したキャベツの一種であるベルサという野菜ですが、主に北スペインやポルトガルが栽培されるもの。
太くて長い茎が特徴的です。
ところで、スペイン料理に興味があるで次のように思った人がいるかもしれません。
ポテって言ってるけど、これファバダ・アストゥリアナじゃないの?
アストゥリアス料理で有名なあの1品との違いは?
アストゥリアス料理の中で特に有名なファバダ・アストゥリアナ。
違いはどこにあるの?とハビエルに尋ねたところ、次のように答えてくれました。
ポテとファバダ・アストゥリアナ、
圧倒的に知名度が高いのはファバダ・アストゥリアナです。
どちらの料理もコンパンゴを使っていますが、一番の違いといえば
ポテにはベルサがある一方、ファバダ・アストゥリアナでは野菜を使いません。
昔、ガリシアでもそうだったように、アストゥリアでも田舎の家では豆があまりなく豊富にあったのはベルサでした。
だから野菜がベースに作られているポテは、よりアストゥリアスの田舎料理といえます。
現在のポテには豆が入っていますが、本当のポテというのは、ベルサとじゃがいも、そしてコンパンゴで作るもの。
豆を入れるべきではないと言う人もいます。
ハビエルの話を聞いてネットでも調べてみると、ファバダ・アストゥリアナよりもポテの方が実際古いという記述もあり、なるほどと思いました。
トルトス・デ・マイス(Tortos de maíz)
マイス(Maíz)はトウモロコシを意味し、この粉で作った生地の上に豚(またはイノシシ)のひき肉をのせたもの。
現在は、豚のひき肉の代わりにカブラレスチーズなどバリエーションが増えたようですが、最も典型的なのは豚肉のひき肉。
こちらもアストゥリアスの伝統的料理で、ポテと同じくトウモロコシが生活の糧だった田舎料理ということです。
カーニバルの時期の定番料理と説明しましたが、バルなどで1年中食べる事ができるそうです。
実は、2021年の夏にアストゥリアスへ行ったのですが、これを食べた記憶が…。
知らないからメニューを見ても気づかなかったのかもしれません。(もったいなことをしたと後悔しました。)
いわしのトルティージャ
アストゥリアス地方全体ではなく、Siero(シエロ)と呼ばれる場所でカーニバルの前週の木曜日(フエベス・デ・コマドレス)に女性だけの集まりで作られる料理があります。
スペインのトルティージャというとジャガイモが入ったオムレツを想像しますよね?
このトルティージャ、卵に入れるのは、玉ねぎとイワシなんです。
イワシの骨などをとって身をだすので少し準備に手間がかかりそうですが、どんな味なのか気になります。
缶詰のイワシではだめらしいのですが、それでも試しに作ってみたいなと思いました(笑)
カーニバルの時期に食べるお菓子は?
Fixuelos(フィシュエロス)というアストゥリアス地方のクレープがあります。
ガリシア州でもカーニバルの時期は、フィジョアスというクレープを食べます。
名前もちょっと似ていますよね。
そこで、本文ではもうひとつ別のお菓子を紹介します。
Casadiellas(カサディエジャス)といい、生地の中にクルミやヘーゼルナッツできたペーストをくるんで揚げます。
形は長方形で揚げた後に、砂糖をかけます。
カーニバルでよく食べるお菓子といいましたが、アストゥリアスにあるパンやケーキを売っているお店で1年中販売しています。
また、アストゥリアスのこの町で作られるお菓子というわけではないので州内の各地で見つけることができるでしょう。
アストゥリアス旅行を考えている人は、是非トライしてみて下さいね。
まとめ
- ポテ・アストゥリアナは、ベルサやじゃがいもに豆やお肉を煮込んだ料理。
- トルトス・デ・マイスは、トウモロコシの粉で作った生地に豚のひき肉をのせたもの。
- アストゥリアスのある場所で、イワシのトルティージャを作るところもある。
- カルナバルの時期に食べるお菓子は、カサディジャス。
- カサディジャスやアストゥリアス地方の各地で1年中お菓子屋さんで購入可能。
本文は、アストゥリアスに住むガストロノミー専門のブロガー&インフルエンサーであるJavier Llavona(ハビエル・ジャボナ)さんにインタビューしてまとめてみました。
ハビエルがライターとして活躍するスペインの食文化・料理に関するオンラインジャーナルのサイトはこちらです。
最後までお読み下さりありがとうございました。