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巡礼の体験談と学び

イギリス人の道・コルーニャ出発ガイド!最短で自分を取り戻す巡礼体験記

サンティアゴ巡礼・イギリス人の道の出発地、ア・コルーニャの海沿いにある巡礼路の標識(黄色い矢印)と楽しそうにしている巡礼者の姿
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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

「一生に一度は歩いてみたいけれど、何週間も休みは取れない……」 「体力に自信がないけれど、自分を変えるきっかけが欲しい」

そんな方に今、自信を持っておすすめしたいのが「イギリス人の道(Camino Inglés)」のア・コルーニャ出発です。

今回は、大病を乗り越えた後に初めての巡礼としてこの道を選んだヒロミさんの体験談をベースに、2026年現在の最新状況を交えた攻略ガイドをお届けします。

なぜ「コルーニャ出発」を選んだのか?

フランス在住のヒロミさんが巡礼を決意したのは、病気を患い人生観が変わったことがきっかけでした。

仕事の都合で1週間以内で完結させたいという条件、そして「短い距離でも自分の足で歩き切り、自信を取り戻したい」という切実な願い。

コルーニャからの距離は約75km。

無理のないペースで、ガリシアの美しい海と緑豊かな田舎道を凝縮して味わえるのが、このルート最大の魅力です。

巡礼の醍醐味:国境を超えた「人との出会い」

「イギリス人の道は楽しい?」という問いに、ヒロミさんは「楽しかった!」と即答してくれました。

  • 静かな始まりと、賑やかな合流: 初日の宿は宿泊者がわずか3人。不安もありましたが、主要ルートと合流する「オスピタル・デ・ブルマ」からは、スウェーデン、スペイン、カナダ、イタリア……と世界中の巡礼者と仲間に。
  • 心地よい距離感: 「みんな親切だけど、ベタベタしすぎない関係」が、一人で歩くヒロミさんにはちょうど良い心地よさでした。
  • 英語とガリシアの温かさ: 共通語の英語で会話が弾むだけでなく、マッサージが上手な地元のガリシア人女性とも交流。英語の勉強にもなり、刺激的な毎日だったそうです。
  • 自由なスタイル: 巡礼手帳すら持たず、自分のペースで好きな場所から歩くベテラン巡礼者との出会い。「無理せず好きに歩けばいいんだ」と、ヒロミさんの心もふっと軽くなりました。

【2026年最新】失敗しないための準備と宿戦略

Hospital de Brumaのアルベルゲ

現代の巡礼、特にガリシア州内を歩く短期ルートでは、以前のような「行き当たりばったり」はリスクが伴います。

  •  宿は「事前予約」が鉄則: 以前は「着いた順」が美徳とされたアルベルゲですが、現在はBooking.comなどの予約サイトを活用し、事前に宿を確保しておくことを強くおすすめします。特に、フェロールからのルートと合流する「オスピタル・デ・ブルマ」周辺は宿が圧倒的に不足します。予約なしで行くと、疲れ果てた体でさらに数キロ歩くことになりかねません。
  • 巡礼手帳は「紙」一択: デジタル手帳も登場していますが、現地では今も紙の巡礼手帳(クレデンシャル)が主流です。バルや教会でスタンプが埋まっていく高揚感は、帰国後、一生の宝物になります。

失敗しない荷物選びとトコジラミ対策

巡礼の快適さを左右するのは、なんといっても「荷物の軽さ」と「衛生対策」です。

ヒロミさんも実感した耳栓やサンダル、そして近年の巡礼で無視できないトコジラミへの備えなど、具体的な準備についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ヒロミさんが参考にした記事

出発の地、コルーニャの街を堪能する

Galerias, Coruna

巡礼を始める前に、ぜひ世界遺産「ヘラクレスの塔」や、ガラス張りの窓が美しいマリーナ大通りを歩いてみてください。

コルーニャは歩くだけで心が洗われる美しい街です。出発前の予習にはこちらの記事をどうぞ。

ヒロミさんは2泊ぐらいして、ゆっくり見たいなと思ったそうですよ~。

 

【重要】コルーニャ出発では「巡礼証明書」はもらえません

ここで、日本人巡礼者が必ず知っておくべき「証明書(コンポステーラ)」の現実についてお伝えします。

サンティアゴ巡礼の公式な証明書をもらうには「徒歩で最低100km」を歩くことが絶対条件です。

コルーニャからの距離は約75km。アイルランドなどの一部地域では、自国の巡礼路を歩くことで不足分を補うルールがありますが、残念ながら日本国内には公認されたサンティアゴ巡礼路は存在しません。

そのため、コルーニャから歩き始める場合、どのような形であっても巡礼証明書(コンポステーラ)を受け取ることはできません。

しかし、ヒロミさんも語るように「証明書がすべて」ではありません。

自分に合った距離を、自分のペースで歩き切り、サンティアゴ大聖堂の前に立った時に感動を味わってください。

 

準備という名の「もう一つの旅」をどう楽しむか?

初めての巡礼を終えたヒロミさんは、準備期間を振り返ってこう語ってくれました。

「ルート選び、アクセス方法、道具の準備、そして体力作り……。準備が大変というより、“準備のために知るべきテーマ”が色々あるんだなと感じました。でも、その一つひとつに向き合う自分の気持ちを日記に残していくのは、とても楽しい時間でした」

そう、カミーノは「歩き始めた時」から始まるのではありません。

「行こう!」と決めて、どの道をどう歩くか悩み始めたその瞬間から、あなたの巡礼はすでに始まっているのです。

とはいえ、特に初めての方は「何が分からないのかが、分からない」という状態になりがちです。

  •  私の体力に最適なルートはどこ?
  • 2026年の最新の宿事情はどうなっている?
  • 荷物を1gでも軽くするための、プロの取捨選択は?

こうした「知るべきテーマ」を一つずつクリアにして、不安をワクワクに変えるお手伝いをするのが、私の「サンティアゴ巡礼コンサルティング」です。

ヒロミさんのように、自信を持って最初の一歩を踏み出したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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堀いつこ

ガリシア州公認ガイド:堀 いつこ

Santiago de Compostela 在住

観光学修士(Master)としての専門知識と、現地在住者ならではの視点を掛け合わせ、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」をお届けしています。年間100名以上の日本人巡礼者をご案内する経験から、現地の最新事情に基づいた旅のプランニングをサポートします。

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