スペインで長距離移動をする際、便利で快適なのが高速列車(AVE・AVLO・OUIGO・iryo)です。
しかし、会社ごとに料金・荷物ルール・Wi-Fi・運行エリアが異なり、初めて旅行される方にとってはどれを選べば良いのか分かりにくいのも事実です。
この記事では、2025年時点のスペイン高速列車を最短で理解できるように整理し、
4社の特徴・運行エリア・荷物ルール・乗車までの流れをまとめました。
マドリード、バルセロナ、ガリシア、アンダルシアなど、スペイン国内の移動計画にご利用ください。
第1章:スペインの高速列車 4社の違い(料金幅を数値で比較)
スペインで利用できる高速列車は以下の4社です。
まずは旅行者が気になる「料金の参考幅」だけを一覧で見ておきましょう。
| 会社 | 料金の参考幅(目安) | Wi-Fi | 無料手荷物 |
|---|---|---|---|
| AVE(Renfe) | 30〜120€ | あり | 3点(合計25kgまで) |
| AVLO(Renfe) | 10〜60€ | あり | 2点(小型バッグ+機内持ち込みサイズ) |
| OUIGO(SNCF) | 9〜50€ | あり | 1点(バッグ1つ) |
| iryo | 20〜80€ | あり | 2点 |
※料金はシーズン・曜日・予約時期によって大きく変動します。
第2章:行き先別|どの高速列車が走っているか最短で確認
スペインの高速列車は「どの会社でもどこでも走る」わけではありません。
行き先によって利用できる列車が決まっています。旅行計画時は、まずここを確認するのが最も分かりやすい方法です。
■ ガリシア方面(Santiago / A Coruña / Vigo)
- 利用できる:AVE・AVLO(Renfe)
- 利用できない:OUIGO・iryo
■ Barcelona(バルセロナ)
- 利用できる:AVE・OUIGO・iryo
- 利用できない:AVLO
■ Valencia(バレンシア)
- 利用できる:AVE・AVLO・OUIGO・iryo(4社すべて)
■ Andalucía(Sevilla / Córdoba / Málaga)
- 利用できる:AVE・AVLO・OUIGO・iryo(4社すべて)
■ Alicante(アリカンテ)
- 利用できる:AVE・AVLO・OUIGO・iryo(4社すべて)
■ Murcia(ムルシア)
- 利用できる:AVE・AVLO・OUIGO
- 利用できない:iryo
■ Zaragoza / Tarragona
- 利用できる:AVE・OUIGO・iryo
- 利用できない:AVLO
■ Segovia(セゴビア)
- 利用できる:OUIGO・AVE・AVLO
- 利用できない:iryo
✓路線・停車駅は2025年11月末時点の情報に基づいており、
今後変更される可能性があります。最新情報は各会社の公式サイトをご確認ください。
第3章:4社の特徴(旅行者が必要な情報だけ)
① AVLO(アブロ)|Renfeの低価格ブランド
- 運営:Renfe
- 座席:1種類(シンプル)
- Wi-Fi:あり
- 無料手荷物:2点(小型バッグ+機内持ち込みサイズ)
- 車内販売:なし(車内に小型の自動販売機のみ)
- 価格の参考幅:10〜60€
- 主な運行区間:マドリード ⇄ サンティアゴ/アンダルシア/バレンシア
② AVE(アベ)|Renfeの標準高速列車
- 運営:Renfe
- 座席クラス:Estándar/Confort/Preferente
- Wi-Fi:あり
- 無料手荷物:3点(合計25kgまで)
- 車内サービス:車両により飲料・軽食販売あり
- 価格の参考幅:30〜120€
- 主な運行区間:マドリード ⇄ サンティアゴ/バルセロナ/アンダルシア/バレンシア/アリカンテ
▼ AVEの路線図・座席クラスの詳しい解説はこちら
路線図・座席の違い・どのクラスが自分に合うかを詳しく紹介しています。
【AVE(スペイン高速鉄道)の路線図や座席の種類は?サービス比較でお得なクラスは?】③ OUIGO(ウィーゴ)|フランスTGV系の低価格高速列車(スッキリ版)
- 運営:SNCF(フランス国鉄グループ)
- 車両:2階建てTGV
- 座席クラス:1種類
- Wi-Fi:あり
- 無料手荷物:1点(バッグ1つ)
- 追加手荷物:有料(予約時に追加可能)
- 座席指定:有料
- 車内サービス:車内ポータルあり(映画・音楽など)
- 主な運行区間:マドリード ⇄ バルセロナ/バレンシア/アンダルシア/アリカンテ/ムルシア
④ iryo(イリョー)|Trenitalia系の新高速列車
- 運営:ILSA(Trenitalia系)
- 座席クラス:Inicial/Singular/Singular Café/Infinita
- Wi-Fi:あり
- 無料手荷物:2点
- サービス:車内ポータル・ビジネス席に軽食
- 価格の参考幅:20〜80€
- 主な運行区間:マドリード ⇄ バルセロナ/バレンシア/アンダルシア/アリカンテ
第4章:荷物ルール比較(4社の違いを最短で確認)
旅行者が特に気になる「無料で持ち込める荷物」だけを簡潔に比較します。
■ AVE(アベ)
- 無料:3点(合計25kgまで)
■ AVLO(アブロ)
- 無料:2点(小型バッグ+機内持ち込みサイズ)
■ OUIGO
- 無料:1点(バッグ1つ)
■ iryo
- 無料:2点
第5章:駅での流れ|どの駅でも共通する3つのポイント
① 早めに駅に到着する(20〜30分前)
ホームの表示が直前になることが多いため、大きな駅では余裕を持って行動するのが安心です。
② 荷物検査を通る(Renfeの高速列車)
AVE・AVLOではX線による簡易荷物検査があります。混雑時は列ができる場合もあります。
③ 電光掲示板で「列車番号」を確認する
行き先よりも列車番号の方が確実です。 AVLO 04494 といった番号を確認し、表示されたホーム(Vía)へ向かいます。
第6章:まとめ|行き先→特徴→個別記事の順で読むと迷わない
スペインの高速列車は、まず最初に「行き先にどの会社が走っているか」を確認し、その範囲で料金・荷物・時間帯を比較するのが最も分かりやすい選び方です。
この記事の各章で概要を整理しましたが、より詳しい情報は以下のガイドで解説しています。
▼ 高速列車ごとの詳しいガイド
▼ 予約や乗り方が不安な方はこちら