この記事では、2016年に誕生した国際スペイン語検定「SIELE(シエレ)」について紹介します。
スペイン語の国際検定=DELE(デレ)と理解していたスペイン語学習なら、おそらく次のような疑問を持つはずです。
本文のポイント
- SIELEの特徴や料金は?
- DELEとの違いは?
- SIELEを受験する時のメリットは何?
- 今後受けるならどっちがいいの?
SIELEやセルバンテス協会の公式サイト情報や個人的に思ったことをまとめてみましたので、よかったら参考にして下さい。
当記事の情報は、最初に書いた2017年12月から2021年1月時点のものに更新済みです。今後も試験内容が変更する可能がありますので、本文で紹介している公式サイトでも情報を合わせてご確認下さい。
新スペイン語国際試験「SIELE」とは?
SIELEは、下記の頭文字を並べたもの。
Servicio Internacional de Evaluación de la Lengua Española
(日本語訳=スペイン語認定国際サービス)
SIELEの特徴を簡単に説明すると、下記3点にまとめることができます。
- セルバンテス協会、メキシコ自治大学、サラマンカ大学、ブエノス・アイレス大学が広大なスペイン語圏で話されるスペイン語の多様性を考慮し、試験の品質等を保証している。
- ヨーロッパ言語共通参照枠に基づいてレベルを決め、読解・聞き取り・筆記・口頭と総合的に各試験者のスペイン語レベルを判定する。
- 試験の申込みから試験方法まで電子化されている。
それでは、新試験の詳細をDELEの内容と比較しながら見ていきます。
DELEとSIELEの違いは?
SIELEはネイティブも受験ができる
DELEがスペイン語を母国語としない人を対象とするのに対し、SIELEは外国人だけでなく、スペイン語のネイティブでも自分の語学レベルを証明する必要がある人ならだれでも受けることができます。
紙VSパソコン
DELEと比べてSIELEの最も大きな違いは、申し込みから試験の受験や結果報告までの電子化でしょう。
受験科目の選択
DELEはレベルに関係なく、読解・聞き取り・文章表現・口頭試験と4つのセクションを受験しなくてはいけませんが、
SIELEでは全てのセクションを受けるパターン以外にも、こういう受験科目の選択オプションがあります。
- S1→読解+聞き取り
- S2→読解+文章表現
- S3→聞き取り+口頭試験
- S4→口頭試験
受験時間
下の表は各試験ごとの試験時間で、全ての試験を受験した場合の試験時間は3時間です。
試験科目 | 試験時間 |
読解 | 60分 |
聞き取り | 55分 |
文章表現 | 50分 |
口頭 | 15~20分 |
合計 | 180分 |
情報元: SIELE試験ガイド(スペイン語)
参考までに下にDELEのレベル別試験時間の表を紹介しますが、B1から試験全体の時間が200分以上とかなり長くなるので、上級レベルの試験を受ける人にとっては、SIELEの方が試験時間が短い点が魅力かもしれません。
DELE | ||||||
A1 | A2 | B1 | B2 | C1 | C2 | |
読解 | 45分 | 60分 | 70分 | 70分 | 90分 | 第1部(読解・聞き取り)105分第2部(聞き取り・文章)150分 |
聞き取り | 25分 | 40分 | 40分 | 40分 | 50分 | |
文章表現 | 25分 | 45分 | 60分 | 80分 | 80分 | |
口頭(準備) | 10分 | 12分 | 15分 | 20分 | 20分 | 30分 |
口頭(面接) | 10分 | 12分 | 15分 | 20分 | 20分 | 30分 |
合計 | 115分 | 169分 | 200分 | 230分 | 260分 | 315分 |
情報元: インスティトゥト・セルバンテス東京
評価方法
DELEでは「合格(APTO)」か「不合格(NO APTO)」のどちらかの判定でしたが、SIELEではスコア制です。
受験する各セクション(0~250点)の得点を合計します。
全試験を受けた場合、最高得点1000点中何点獲得したかでA1~C1のレベル判定が行われます。
また、DELEの最高レベルはC2に対し、SIELEではC1までになります。
結果発表までの期間
DELEの場合、結果通知まで最大で3か月かかる一方、SIELEでは最大3週間で発表されます。
証明書
DELEの合格者には、公的効力のある電子証明書の他、スペイン王立造幣局で発行されたディプロマが発行されます。
一方、SIELEは…
- 全セクションの受験で、Certificiado(証明書)
- 部分科目の受験では、Informe(レポート)
が出ます。
試験結果の有効期限
DELEの合格判定の有効期限はありませんが、SIELEの場合は有効期限が5年間となります。
2つの試験の違いが大体見えてきたかと思いますが、次に受験料金についても見てみます。
SIELEの受験料金
全セクション(読解・聞き取り・文章表現・口頭)の受験料金は、165€(20,768円)。
1€=125,87円計算(2021年1月28日時点)
また、口頭試験だけというように、一部の試験を受験する場合の料金は下記の通りです。
S1(読解と聞き取り試験)
65€
S2(読解と文章表現試験)
85€
S3(聞き取りと口頭試験)
105€
S4(口頭試験)
80€
S5(文章表現と口頭試験)
105€
情報元: SIELE公式サイト
SIELもDELEと同様に、国によって受験料は異なりますので、SIELEの公式サイトであなたが受験する国の試験料金(€)をご確認下さい。
SIELEのメリットとデメリット
結果発表まで3週間という速さは魅力的でしょう。
直近の客観的なレベルを証明したい受験者や企業からすると、SIELEの方を望ましいと感じるかもしれません。
スペイン語圏に留学した学生が日本帰国前に受けた試験結果を、就職活動先へ送る履歴書に書いて提出することも可能です。
一方、DELEの最上級レベルはC2に対し、SIELEの最上級レベルはC1です。
試験時間にかなりの差があるので、そのあたりが影響しているかもしれませんが、C2レベルを取るならDELEに合格するしかありません。
DELEとSIELEを受けるならどっち?
スペイン語の国際検定が2つできると、「どっちを受験した方がいいのかな?」と思う人がでてくるでしょう。
正直、各受験者が何を望むかによって変わると思います。
一生モノの資格を獲得したいなら、迷わずDELEを受けるべきですが、DELEは合格か不合格のいずれかのみの評価です。
不合格の場合、3か月待った後も何も証明するものがありません。
仕事等で現時点のスペイン語レベルを証明したい場合は、早く結果も出るのでSIELEを受ける方がいいかと思います。
まとめ
- SIELEは、広大なスペイン語圏でみられるスペイン語の多様性を考慮した試験。
- 読解・聞き取り・筆記・口頭の4つのセクションに別れ、ヨーロッパ言語共通参照枠に基づいてスコア制のレベル判定をする。
- 試験の申込みから試験方法まで電子化されている。
- 受験してから結果発表まで最大3週間という期間の短さがメリットのひとつ。
- 証明書の有効期限は2年間。
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