イベリア航空(Iberia)とイベリア・エクスプレス(Iberia Express)は、スペインへの旅行やスペイン国内移動で利用する機会の多い航空会社です。しかし、実際に予約画面を見てみると、
- 「国際線と国内線で荷物のルールは同じなの?」
- 「イベリアとイベリアエクスプレスの違いがよく分からない」
- 「日本からのフライトは受託荷物が無料なの?」
と、荷物のことが分かりにくくて不安になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、イベリア航空とイベリア・エクスプレスの手荷物(機内持ち込み・預け荷物)のルールをまとめて解説します。国際線(日本→スペイン)とヨーロッパ内・スペイン国内線では扱いが異なるため、旅行前に知っておくとトラブルを避けられるポイントもあわせて紹介します。
この記事で分かること:
- 機内持ち込み手荷物の正確なサイズと重量(※ここが一番重要)
- 預け荷物(受託手荷物)のサイズ・重量・超過料金
- 運賃タイプごとの荷物の違い(Basic / Classic / Flex / Business)
- 日本→スペイン→国内線乗り継ぎ時の注意点
- 荷物が多い人に向いている移動手段の選び方
スペイン在住の視点から、日本語でなるべく分かりやすくまとめました。まずは、イベリア航空とイベリア・エクスプレスの違いから見ていきましょう。
イベリア航空とイベリア・エクスプレスの違いは?
国際線はイベリア航空、本土の国内線はイベリアエクスプレスが中心
ざっくりしたイメージとしては、次のように考えると分かりやすいです。
- イベリア航空(Iberia): 日本–スペイン間の国際線や、ヨーロッパ主要都市との中長距離路線を運航
- イベリア・エクスプレス(Iberia Express): スペイン国内線や近距離ヨーロッパ路線を多く運航するグループ会社
予約画面では同じサイトの中に出てきますが、「operated by Iberia Express」と書かれている便はエクスプレスが運航している国内・近距離路線です。
手荷物ルールはほぼ共通、違いは「運賃タイプ」と運用の厳しさ
機内持ち込みサイズや、受託荷物のサイズ・重量のルール自体は、イベリア航空とイベリアエクスプレスで基本的に共通です。違いが出てくるのは、次の2点です。
- どの運賃タイプ(Basic / Classic / Flex / Business)を選ぶか
- スペイン国内線・欧州内の短距離路線での運用の厳しさ
国際線(日本–スペイン)では、受託荷物が1個以上含まれていることが多く、チェックも比較的スムーズです。一方、スペイン国内線や近距離ヨーロッパ線では、最安運賃では受託荷物が含まれず、搭乗ゲートでのサイズチェックも厳しい傾向があります。
【重要】機内持ち込み手荷物のサイズ・重量
メインの機内持ち込みは「56×40×25cm・10kgまで」
イベリア航空・イベリアエクスプレスともに、エコノミークラスの機内持ち込み手荷物は次のように定められています。
- サイズ: 高さ56cm × 幅40cm × 奥行25cm
- 重量: 10kgまで(エコノミークラス)
- 個数: メインの手荷物1個
!注意:幅は「40cm」です!
このサイズには、キャスターやハンドル、外側のポケットも含まれます。幅が「40cm」という点が他社(45cmが多い)と違うため、ここだけは特に注意が必要です。
幅45cmのスーツケースだと、計測ゲージに入らず、ゲートで追加料金を請求されるリスクがあります。 必ずメジャーで実測してから持って行きましょう。
身の回り品(付属品)は「40×30×15cm」まで
メインの手荷物1個に加えて、「身の回り品」として小さなバッグを1個持ち込むことができます。
- サイズの目安: 40cm × 30cm × 15cm 程度
- 例: ハンドバッグ、ノートパソコン用バッグ、小さめのリュックなど
- 置き場所: 自分の座席の下に収まるもの
最近は、この「身の回り品」がかなり大きくなっている乗客も多いため、搭乗口でサイズをチェックされることがあります。リュックなどは、できるだけコンパクトなものを選ぶと安心です。
液体物のルール(100mlの欧州共通ルール)
液体物の機内持ち込みルールは、ヨーロッパの一般的な規則と同じです。
- 100ml以下の容器に入った液体物のみ持ち込み可
- ジッパー付きの透明プラスチック袋にまとめる(容量1リットルまで)
- 1人あたり1袋まで
マドリード空港など一部では新しい検査機器の導入も進んでいますが、基本的には「液体は出す・まとめておく」と思って準備しておくのが無難です。
受託手荷物(預け荷物)のサイズ・重量・超過料金
基本ルール:158cm・23kgまで
カウンターで預ける受託荷物のルールは、イベリア航空とイベリアエクスプレスで共通です。
- サイズ: 三辺(縦・横・高さ)の合計が158cm以内
- 重量: 1個あたり23kgまで
23kgを超え、24〜32kgの範囲になった場合は超過料金がかかります。作業員の安全上、32kgを超える荷物は預けることができません。
超過料金の目安と、事前追加のすすめ
24〜32kgの重さになった場合、目安としては1個あたり60ユーロ前後(空港支払いの場合)を見ておくとよいでしょう。
お土産のワインやオリーブオイル、巡礼後の荷物などで重くなりそうな場合は、出発前にラゲッジスケール(携帯はかり)で重さを量っておくと安心です。
また、荷物を追加する必要がある場合は、空港カウンターよりもオンラインで事前購入した方が安いことがほとんどです。公式サイトやアプリから、必要な個数だけ追加しておきましょう。
国際線には受託荷物が含まれていることが多い
日本–スペイン間の国際線では、多くの運賃タイプで受託荷物1個以上が含まれているのが一般的です。ただし、
- プロモーション運賃(セール運賃)
- 第三者サイト経由で購入したチケット
では、受託荷物が含まれていないこともあります。購入時のメールやマイページで、「Baggage」欄に何個と書かれているかを必ず確認してください。
運賃タイプごとの荷物の違い(ざっくり整理)
細かい名称や条件は路線や時期で変わることがありますが、基本的なイメージは次のようになります。
- Basic / Express(最安運賃): 機内持ち込みのみ。受託荷物は含まれない。
- Classic: 機内持ち込み+受託荷物1個(23kg)を含むことが多い。
- Flex: Classic同様に受託1個を含みつつ、日程変更に少し余裕があるタイプ。
- Business: 機内持ち込み+受託荷物2個(各23kg)など、荷物に余裕のあるタイプ。
大事なのは、「最安運賃=荷物なし」になっていないかどうかです。スーツケースを1個預けたい場合は、最初からClassic以上を選ぶか、予約時にオプションで荷物を追加しておきましょう。
日本 → スペイン → 国内線乗り継ぎ時の注意点
「国際線+国内線」でトータルの荷物を考える
日本からマドリードまでイベリア航空で飛び、そのあとイベリアエクスプレスでサンティアゴやセビージャへ乗り継ぐケースも多いと思います。この場合、通常は日本の出発地でチェックインした際に、最終目的地までスルーチェックインされます。
チェックインカウンターで渡される荷物タグ(シール)に、
- SCQ(サンティアゴ)、SVQ(セビージャ)など、最終目的地の空港コードが印字されているか
を必ず確認してください。
もし「MAD(マドリード)」止まりになっている場合は、マドリードで一度荷物をピックアップし、国内線のカウンターで預け直す必要があります。乗り継ぎ時間が短いと慌ただしくなるため、チェックイン時に地上係員に「最終目的地まで荷物が行くか」を確認しておくと安心です。
荷物が多い人は「列車移動」も検討を
スーツケースが2個ある、ワインや缶詰などで重くなりそう…という方は、スペイン国内の移動を飛行機ではなく高速列車(AVE・長距離列車)にするという方法もあります。
鉄道は、航空会社のような細かい重量制限はなく、「自分で持ち運べる範囲」であれば比較的自由に荷物を持ち込めます。
- 重量オーバーの追加料金を気にしなくてよい
- 空港での待ち時間が少ない
- 車窓からスペインの景色を楽しめる
荷物が多い人、長期滞在の人には、列車移動はかなり相性の良い手段です。
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LCCを組み合わせる場合は、荷物ルールの違いに注意
イベリア航空のチケットとは別に、ライアンエアーやブエリングなどのLCCで国内線や他国へのフライトを組み合わせる方も多いと思います。LCCは運賃自体は安いものの、イベリアより荷物ルールが厳しめです。
- 機内持ち込みサイズが小さい
- 受託荷物は完全に有料
- 空港で追加すると非常に高額になることも
LCCを使う予定がある方は、あわせて下記の記事も参考にしてみてください。
赤ちゃん連れの荷物(ベビーカー・機内用バッグ)
ベビーカーは1台無料で預けられることが多い
赤ちゃん連れの場合、多くの路線でベビーカー1台は無料で預けることができます。チェックインカウンターで預けるか、搭乗口まで使って最後に係員に渡すかは、空港や路線によって異なります。
長距離フライトの場合は、折りたたみやすいベビーカーを選び、カバーをつけておくと破損防止になります。
赤ちゃん用の機内バッグも持ち込める場合が多い
機内持ち込みの手荷物とは別に、赤ちゃん用のミルクやオムツ、着替えなどを入れた小さなバッグを1つ持ち込めることが多いです。航空会社や路線によって運用が変わることもありますが、実際には比較的柔軟に対応してもらえることが多い印象です。
まとめ|サイズ確認と運賃タイプのチェックを忘れずに
イベリア航空・イベリアエクスプレスの手荷物ルールは、基本的には分かりやすいものの、次の点には特に注意が必要です。
- 機内持ち込みの幅は40cm(45cmではない)
- 受託荷物は158cm・23kgまで、それ以上は超過料金が発生する
- 最安運賃(Basic / Express)は受託荷物が含まれていないことが多い
- 日本→スペイン→国内線乗り継ぎの場合、荷物タグの最終目的地を必ず確認する
- 荷物が多い人は、国内移動を列車にする選択肢もある
イベリアで日本からスペインへ飛ぶ場合、「荷物をどこまで無料で預けられるか」「国内線区間はどうなるか」を事前に把握しておくことで、空港で慌てることがぐっと減ります。
また、スペイン国内や周辺国でLCCを組み合わせる場合は、それぞれの荷物ルールも合わせて確認し、ご自身の荷物の量や旅のスタイルに合った移動手段を選んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。