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飛行機が欠航・遅延したあなたへ|EU261補償の対象かすぐ分かる完全ガイド(日本人OK)

2025年11月22日

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いつこ

ガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学観光マネジメント修士課程修了。留学生サポート業務(約4年)や、巡礼専門旅行会社での勤務経験を活かし、現地目線で役立つ情報を発信中。まだあまり知られていない本当のサンティアゴとガリシアの魅力を、日本語で丁寧にお届けしています。

もし今、あなたが空港やホテルで「どうしたらいいの?」と不安な気持ちでこのページを開いているなら、まずは一度、深呼吸してみてください。
そして安心してください。あなたはEU261補償の対象である可能性がとても高いです。

「EUの制度だから、日本人は対象外なのでは?」と心配される方も多いのですが、EU261は“EU域内を発着するすべての乗客” を守るルールです。国籍は関係ありません。日本人の旅行者でも、正当に受け取れる補償があります。

実は私自身も、2025年7月末にEasyJetの突然のフライトキャンセルに遭い、空港で途方に暮れた経験があります。
「次いつの便で帰れるの?」「今夜のホテル代はどうなるの?」と不安でしたが、EU261という制度に助けられました。

→ 【体験談】EasyJetフライトキャンセルで立ち往生した日のすべて


あなたはEU261補償の対象かもしれません

EU261の対象かどうかは、次の3つのポイントである程度判断できます。

  • EU加盟国またはイギリスを発着するフライトですか?
  • 欠航、または到着が3時間以上遅れましたか?
  • 原因は悪天候などではなく、航空会社側の都合(機材トラブル、乗務員の手配など)だと思われますか?

このうち、ひとつでも「はい」があれば、EU261補償の対象となる可能性が高いです。
すべてを完璧に理解していなくても大丈夫です。このあと、必要な部分だけわかりやすく説明します。


EU261とは?いま必要な部分だけ、最短で説明

EU261は、EU域内の飛行機の欠航・長時間遅延・搭乗拒否(オーバーブッキング)が起きたときに、乗客を守るための補償制度です。

  • 対象となるトラブル:欠航、3時間以上の到着遅延、オーバーブッキング
  • 対象となるフライト:EU加盟国・イギリスを発着する便
  • 対象となる乗客:国籍を問わず、すべての乗客(日本人旅行者も含まれます)
  • 対象となる航空会社:EasyJet、Vueling、RyanairなどのLCCを含む、多くの航空会社

ここで大事なのは、「EU圏を飛ぶ飛行機に乗っていて不便を被ったなら、補償を受けられる可能性がある」ということです。
チケット代の払い戻しとは別に、EU261の「補償金」が上乗せされるケースもあります。


いくら受け取れる?補償金額を30秒で確認

補償金額は、おおまかにフライトの距離によって決まります。

フライト距離 補償額の目安
〜1,500km 250€
1,500〜3,500km 400€
3,500km以上 600€

ヨーロッパ内を飛ぶEasyJetやVuelingなどの場合、多くは250〜400€のゾーンに入ります。
「そんなにもらえるの?」と驚くかもしれませんが、これはEUが定めた正式なルールです。


EU261が適用されるケース

代表的なケースを挙げます。自分の状況と近いものがないか、ざっとチェックしてみてください。

  • 欠航(キャンセル):航空会社側の理由でフライトが取り消された
  • 3時間以上の遅延:目的地到着が予定時刻より3時間以上遅れた
  • オーバーブッキング:座席数より多くの予約を受けたため、搭乗を断られた

一方で、次のようなケースは「航空会社の責任ではない」と判断され、EU261の補償対象外となることが多いです。

  • 悪天候(嵐・濃霧・雪など)
  • 空港や管制のストライキ
  • 政治的な不安定や空域閉鎖など

ただし、航空会社は自分たちに有利な説明をすることもあります。
「とりあえず申請してみる」こと自体にはリスクはありません。


何をすればいい?英語が苦手でもできる「3ステップ」

ここからは、できるだけシンプルに行動手順だけをまとめます。

ステップ1:証拠を集める

最低限、次のものがあれば大丈夫です。

  • 予約番号(PNR)
  • 搭乗券(紙・アプリ・スクリーンショット)
  • 欠航・遅延を知らせるメールやメッセージ
  • 空港の掲示板や案内表示の写真(「CANCELLED」「DELAYED」など)

あとから「本当にその状況だったのか?」と確認されることもあるので、気づいたときに画面を撮っておくくらいの感覚で大丈夫です。

ステップ2:航空会社の申請フォームから請求する

EasyJetの場合、公式サイトにEU261申請のオンラインフォームを用意しています。
オンラインで申請が可能です。

下記の情報を入力します。

  • 乗客全員の名前
  • 便名・日付・予約番号
  • どの空港からどの空港への便か

オンラインで質問に答える形なので、状況を詳しく説明する文章を作成するわけではありませんでした。

ステップ3:返答がこない/拒否された場合は方針を切り替える

申請後、航空会社から「不可抗力なので対象外です」といった返答が来ることもありますが、
それで本当に終わり、とは限りません。

この段階で不安が大きい場合や、英語でのやり取りに疲れてしまった場合は、次の「代行サービス」の選択肢を検討しても良いタイミングです。


英語が不安/手続きが面倒な方へ|代行サービスという選択肢

正直なところ、EU261の申請は「やろうと思えば自分でもできる」手続きです。
ただ、

  • 英語のフォームやメールのやりとりが不安
  • すでに仕事や旅程で疲れていて、これ以上手続きに時間を割きたくない
  • 申請しても本当に通るのか自信がない

こう感じる方が多いのも事実です。私自身、EasyJetの欠航時、
夫と2人で手続きをしましたが、申請しずらい場所にフォームがあったりして簡単ではありません。

実際、EU261の請求を専門に扱う代行サービスに依頼しようといくつか見ました。

  • フォームの入力や証拠の整理を代わりにやってくれる
  • 航空会社との英語でのやり取りも任せられる
  • 成功報酬型(補償が支払われたときだけ手数料が発生)

Airhelpは、日本語で対応していませんが、今は翻訳機能が充実したサービスはあります。
「とにかく早くこの問題を終わらせたい」「専門家に任せてしまいたい」という方には、現実的で安心できる選択肢だと思います。

▼ 自分での申請に不安がある方はこちら
AirHelp公式ページ(EU261補償の申請代行)

※ 上記リンクは、EU261請求のサポートを行う外部サービスです。手数料や条件をよく確認した上で、ご自身に合うかどうか判断してご利用ください。


拒否された/数週間返事がないときの考え方

EU261の申請をしても、

  • 「今回は不可抗力のため補償対象外です」と返事が来る
  • 何週間も返答がなく、そのまま放置されている気がする

こうしたケースは少なくありません。
ですが、航空会社から一度「No」と言われても、それで完全に終わりというわけではありません。

ご自身で続けて交渉することもできますし、
途中から代行サービスに切り替えるという方法もあります。

「自分ひとりでは、もうこれ以上は難しい」と感じたら、
先ほどご紹介したような専門サービスに相談するタイミングかもしれません。


よくある質問(初心者の不安をまとめて解消)

Q. 申請はいつまでに行えばいいですか?

国や航空会社によって細かいルールは異なりますが、早ければ早いほど良いのは共通しています。
数ヶ月〜数年後でも認められるケースもありますが、できるだけ記憶が新しいうちに申請しましょう。

Q. 家族や友人など、複数人分も一緒に申請できますか?

はい、同じ予約で旅行していた場合は、代表者がまとめて申請できるケースが多いです。
その場合、全員分の名前や搭乗券情報をそろえておくとスムーズです。

Q. 日本発着の便でもEU261は適用されますか?

EU261は、主に次のような便を対象としています。

  • EU/イギリス発 → どこ行きでも対象
  • 日本発 → EU/イギリス行きの場合、EU加盟国の航空会社なら対象

詳細は航空会社やルートにもよるため、迷った場合は一度申請してみるか、代行サービスに判断を任せるのも一つの方法です。

Q. 航空会社からの説明があいまいで、対象かどうか分かりません。

多くの人が同じように悩みます。
その場合も、「とりあえず出してみる」こと自体にはリスクはありません。時間や気力が厳しい場合は、代行サービスに相談してしまうのも現実的な選択です。


まとめ|あなたには補償を受け取る権利があります

フライトの欠航や長時間の遅延は、それだけで大きなストレスです。
旅の予定が崩れ、帰国が遅れ、余計な出費も増えます。

でも、その負担をすべて自分だけで抱え込む必要はありません。
EU261は、そうした状況に置かれた乗客を守るために作られた制度です。

私自身、EasyJetの欠航で「もうダメだ」と感じた夜がありました。
そこからEU261を知り、手続きを進めることで、最終的に補償を受け取ることができました。

→ 【体験談】EasyJetフライトキャンセルで立ち往生した日のすべて

「自分で申請してみよう」と思えたなら、このページのステップを一つずつ進めてみてください。
「自分ひとりでは難しそう」と感じたなら、専門の代行サービスに頼るのも立派な選択です。

▼ 自分ひとりで抱え込まなくて大丈夫です
AirHelpでEU261補償の申請サポートを確認する

このページが、少しでもあなたの不安を軽くし、正当に受け取れるはずの補償につながるきっかけになれば嬉しく思います。

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