という質問に私の実体験をもとに詳しくお答えします。
2020年1月に歩いた体験談をベースにしていますが、他の時期に歩く場合でも参考にできると思います。
当記事のポイント
- サンティアゴ~フィステーラまでの行程と✅ポイント
- 標高グラフだけじゃわからない道のコンディションや情報
- 代替ルート情報
- サンティアゴ~オルベイロアまでの景色
- フィステーラへの道を冬に歩く時の注意点
- ネグレイラのアルベルゲ情報
- 推奨行程と別の行程
注意
上記のポイントは、
- 歩く前に自分が疑問に思った点
- 想定内で実験的に行った事
- 想定外だったこと
が含まれているので、本文中で詳しくお話したいと思います。
まずは、サンティアゴ~フィステーラまでの行程を見てみましょう。
サンティアゴ~フィステーラへの道の行程は?
フィステーラへの道の推奨行程(徒歩)
- 1日目: サンティアゴ~ネグレイラ 距離: 21㎞
- 2日目: ネグレイラ~オルベイロア 距離: 34km
- 3日目: オルベイロア~コルクビオン 距離: 21km
- 4日目: コルクビオン~フィステーラ 距離: 14km
ネットにある複数の巡礼サイトから確認できますが、私はガリシア州政府発行のパンフレットを参考にしました。
サンティアゴ巡礼者事務所で貰えますが、ネットからPDFファイルをダウンロードできます。
サンティアゴ~オルベイロア行程の特徴は?
歩く人の年齢や体力によるので絶対ではないですが、1日の徒歩平均距離は20~25㎞と言われます。
- サンティアゴ~ネグレイラ 距離: 21㎞
- ネグレイラ~オルベイロア 距離: 34km
と、思う人がいるかもしれませんが…
巡礼関連のサイトの中で、サンティアゴ~ネグレイラ間の方が難易度が高いと記す所もあります。
ここで、標高グラフを見て下さい。
サンティアゴ~オルベイロア間の標高図
(上がサンティアゴ~ネグレイラ、下がネグレイラ~オルベイロアの標高図)
巡礼の季節に関係なく、1日目の行程のポイントは‥‥
Aguapesada~Alto do Mar de Ovellasの上り坂
2.5㎞以上の傾斜のキツイ坂。途中に敷石の区間もあり、足腰に来ます。
一方、2日目の行程で初日ほどのキツイ坂はないですが…
全体的に登りが多く、距離が長い。
4日の短いルートとはいえ、前半2日間の行程は想像以上に大変でした。
フランス人の道など他のルートから何日もかけてサンティアゴへ歩いて継続する方は、
体が歩くことに慣れてきているので、私とは感じ方が違うかもしれませんが…
事前トレーニングをせずに、サンティアゴから出発する場合はかなりきつく感じるはずです。
正直言いますと、☝は私の事なんですね…。
2日のカミーノで筋肉痛がひどくて数日間大変でした。(*ノωノ)
私のようにならないよう、是非日頃からトレーニングをして下さいね!
後、トレッキングポールについてフィステーラの道を歩いて学んだ事があります。
巡礼の荷物に関する記事で詳しく紹介していますので、合わせてお読み下さい。
次に、冬の巡礼でまず私が気になった点と1月にフィステーラへの道を歩くと実際どうなのかを詳しく書いていきます。
冬の巡礼で1日に歩ける時間帯は?
と、一応ライトを持って行きましたが…
午前8時30分過ぎ、特に9時~午後18時30分の時間帯ならライトは必要ありませんでした。
具体例として、2020年1月11日のサンティアゴの空の様子を紹介します。
step
1AM7:00
写真を撮った後に、ベッドに戻ってひと眠り…。
step
2AM8:00
朝食中にほんの少し明るくなってきましたが、この時の外の気温は5℃。
(8時20分のサンペドロ通り。)
街灯がついたサン・ペドロ通りや旧市街は、特別な雰囲気があって私は歩いていて楽しかったです。
step
3AM8:30~A9:00
おはようございます。8時30分パラドールでスタンプをもらってカミーノ出発します! pic.twitter.com/SNJJM5hZOf
— オトラスペイン🍀 (@otra_spain) January 11, 2020
AM8:45になると、もうかなり明るくなりますし、この10分後に街灯は消えました。
翌日のネグレイラ出発時刻は9時頃で、ライトは必要なかったですが、
34㎞歩くために、自分はもっと早く出発したいと考えるなら、ライトを持参した方がいいでしょう。
自分が歩く時の日の出・日の入り時間は?
Negreiraなど村の名前を記入し、日の出・日の入り時間等を確認できるサイトはあります。
サンティアゴ~ネグレイラまでの道を詳しく!
オブラドイロ広場~最初のモホンを見つけるまで
簡単な流れ
- パラドール前の坂道を下る。
- オルタス通り(Rua do Hortas)を真っすぐ進む。
- ガレラス通り(Rua de Galeras)を渡る。
- ポサ・ド・バル(Poza do Bar)を進む。
上記の流れで、私が見つけたのは道路上に書かれた黄色い矢印が1つ。
Poza do Barでは、近くの小学校までの通学路を示した紫色の足跡のマークがあるのでそれを進んで下さい。
とにかく道なりにまっすぐ進んで、最初のモホンが出てきたらもう安心です。
- ペンキで書かれた矢印
- モホン
- 看板タイプの矢印
と、親切すぎるぐらいにちゃんと道案内してくれます。
この道で見られる黄色い矢印のタイプ
この道を歩く時、矢印の下にSCと書いたものを見ることが出来ます。
SCはサンティアゴ・デ・コンポステーラを意味し、
フィステーラからサンティアゴを目指して歩いている巡礼者を導いています。
期待以上の景色の良さ!
写真じゃ伝わりにくいですが、ここから見える大聖堂もなかなかよいです pic.twitter.com/tdKiuGWkhY
— オトラスペイン🍀 (@otra_spain) January 11, 2020
サンティアゴの中心地からそんなに離れるわけではないのですが、最初のモホンを過ぎてから
緑が多い道になり、想像していたよりも歩いている間の満足度は高かったです。
道のすぐ横で凍結した葉っぱの畑の景色が見れるのは冬の巡礼ならではですね。
朝は寒くて耳が痛かったので、人によっては耳当てがあるといいかもしれません。
Alto do Ventoでコーヒー休憩
巡礼シーズン中はもしかしたら状況が変わるかもしれませんが、
1月に歩いてこの行程で見つけたバルは、Alto do Vento(アルト・ド・ベント)にある同名のバルと
他に2つだったと記憶しています。
- トイレ休憩
- コーヒーを飲んで体を温める
- (事前に用意していない場合)道中で食べるチョコレートなどを買う
のために、営業しているバルがあれば利用するとよいでしょう。
Alto de Mar de Ovellasまでの登り坂~Ponte Maceira
Alto do Ventoのバルを出て、下り坂を進みもう少し先を行くと
先ほど伝えた初日の難所であるAlto do Mar de Ovellasまでの登り坂が始まります。
坂の特徴
- Alto do Mar de Ovellasまで2.5㎞以上ある登り坂の傾斜はきつい。
- 坂の傾斜や一部敷石の区間もあり、足に負担がかかる。
この坂に挑む前に県道(CP-0204)を渡るのですが、県道の左側にバルが一軒あります。
坂がここからとは知らず、トイレ休憩と水のボトルを買うのにたまたま入ったのですが、入っておいて良かったです。
この後、5㎞以上先のPonte Maceiraまでバルはありませんので利用するといいでしょう。
Alto de Mar de Ovellasまでの坂を登ったら、ポンテマセイラまでは下りです。
フィスラーラの道1日目で見つけた場所。誰でも自由に入れて牛も間近で見せてもらいました。#fisterrabovineworld pic.twitter.com/cxqjNKe6y8
— オトラスペイン🍀 (@otra_spain) January 11, 2020
ポンテマセイラは、タンブレ川、その上にかかる橋と周辺の家が一体となった風景が素敵な村です。
2020年1月にスペインで最も美しい村のリストに入りました。情報元: Los pueblos más bonitos de España
写真撮影、川の近くにあるバルで休憩、周りを散策するといいでしょう。
私はちょっとゆっくりしようと思ったのですが…
偶然、カミーノを歩いていたガイド仲間2人と一緒になり写真だけとって先を進みました。
Ponte Maceira~Negreiraまで
川の横を通る平坦な道を通ります。
A Chancela(ア・チャンセラ)という場所に着くまでに最後の上り坂がありますが、
短い距離でこの坂を超えて下ると1日目の目的地であるNegreira(ネグレイラ)に到着です。
ネグレイラで週末に到着した時の注意点
ネグレイラに到着する少し前から、右ひざの裏側から下のふくらはぎのところが痛みだしました。
ランチの後、ネグレイラにある3件の薬局へ行ったのですが、全部閉まっていました。
すぐ近くにいた女性に聞くと、週末の午前(9時~14時)を過ぎると…
- Negreira(ネグレイラ)
- A Baña(ア・バニャ)
- Seoane(セオアネ)
の3つの村にある薬局が交代で営業しているシステムになっていると教えてくれました。
私が到着した土曜日の午後担当していたのは、ネグレイラから3㎞先の村の薬局。
困った顔をしていると、なんとその女性が車まで連れて行ってくれました!
詳しく聞くと、4年ぐらい前から今のシステムになり、運転できないお年寄りは、週末の午後に何かあった時はタクシーを使わなくてはいけないのだとか…。
事前に薬やクリーム等持参していれば、影響はさほど受けないと思いますが、こういう状況もありますとだけ伝えておきますね。
冬に利用できるアルベルゲは?
ガリシア州が運営する公営アルベルゲは1年中営業しています。
先着順の公営アルベルゲでも1月ならまず問題ないだろうと思ったのですが…
グーグルで調べると、2019年10月以降に滞在した巡礼者のコメントで南京虫が出たという情報が‼
南京虫に刺されるのも嫌ですが、自分の家に連れて来てしまったら大変です。
多少高くても私営アルベルゲにとある場所を選んだのですが、別の記事で改めて詳しく紹介します。
ネグレイラ~オルベイロアの道
オフィシャルルートか代替ルートか?
ネグレイラのパソの門をくぐって坂を降りてすぐに下のような看板があります。
降りて来た坂の道を真っすぐ登っていくオフィシャルルートに対して、川の横を通る景観のよい代替ルートがあります。
距離はオフィシャルよりも少し長くなりますが、気持ちの良い森の道を歩いて行きます。
途中で分岐ポイントで黄色い矢印があるので、迷うことはありません。
アルベルゲやバルはあるけれど…
ネグレイラ~オルベイロアまでの34㎞の行程中に、私営のアルベルゲやバルはありますが…
道を歩きながら場所が確認できた私営アルベルゲは全部閉まっていました。
公営アルベルゲは、目的地店のオルベイロアのみ。
飲食店だから日曜日でもいくつか入れるだろうと期待したバルも営業していたのは、全行程で1軒のみ。
運動不足でカミーノすることに無理があるのを自覚していたので、
20㎞地点のAs Maroñas(アス・マロ―ニャス)の付近のバルで夫の迎えを待つ予定でした。
しかし…As Maroñasで開いているバルはなし。
仲間の1人のアドバイスに従って再び歩き始めたら、結局オルベイロアまで歩くことに。
『(歩き終わったら)メンシアワイン!チュラスコ!』と仲間と励まし合いましたが、
歩いている間にスーパーも見なかったので、特に冬の巡礼オフシーズン時は、
ネグレイラのスーパーで水やドライフルーツ、チョコレートなどエネルギー源になるものを調達するといいでしょう。
フィステーラの道で検討したい別行程とは?
2日目の行程数を縮める
ネグレイラから24.4㎞地点にあるVilar de Castro(ビラール・デ・カストロ)で上記の緑の矢印を発見しました。
宿泊施設などのサービスを利用できるPicota(ピコタという村)がある方向を案内しています。
私たちはオルベイロアへ向かったので、詳しいことは分かりませんが、
ピコタまで行くと28㎞で2日目の行程を終えることが出来ます。
ア・ペナで初日の行程を終了する
ネグレイラ~オルベイロアの行程は、私にとってフィステーラの道で最も長く辛い行程でした。
- 公営アルベルゲがある
- 宿泊施設や飲食店など、巡礼者のニーズを満たした町
などを考慮して推奨されている行程ですが…
ネグレイラを通過してサンティアゴから30㎞地点にあるア・ぺナ(A Pena)まで進み、
2日目の行程を23㎞ほどに距離を縮める方法もあります。
冬のフィステーラの道を歩く時のもう一つの制限とは?
私営アルベルゲの多くが閉まってしまう他に、スペイン郵便局の荷物移送サービスもお休みとなります。
サリア~サンティアゴ区間は、1年中(一部の日付を除き)対応していますが、他の道では4月1日~10月31日までです。
しかし、☟の記事で紹介するオルベイロアの宿に連絡したら対応してくれるかもしれませんので参考にして下さい。
まとめ
- サンティアゴからフィステーラの道、冬は巡礼者は減るが巡礼は出来る。
- 冬の間私営アルベルゲのほとんどは休業するが、公営は1年中空いている。
- 夏と比べると日が短くなるので、日の出・日の入り時間は✅するとよい。
- オブラドイロ広場を出て矢印が少なくて迷う場合もあるが、基本真っすぐ進むだけ。
- 最初のモホンから標識はかなり丁寧。
- 路沿いの景色はいいが、バルなどが少ないので空いていたら積極的に利用するとよい。
- 1日目の行程は距離は短いが、難易度は高いので注意。
- 2日目の行程は上り下りはあるが、特別に急な坂があるわけではないが距離が長いのでキツイ。
- 2日目を30KM以内にする行程も作ることが可能。
- 冬はスペイン郵便局の荷物移送サービスもない。
フィステーラの道・後編!
最後まで読んで頂きありがとうございました。