この記事では、2018年11月に列車の旅が大好きな親子が乗車したマラガ発マドリード・アトーチャ駅行き AVE2093(1等車Preferente)の体験をもとに、車両構成や座席、食事サービスなどの様子を紹介します。
内容は当時の体験に基づくものであり、現在のサービス内容や料金体系とは異なる可能性があります。最新情報は、別記事のガイドやRenfe公式サイトで必ずご確認ください。
この体験記でわかること
- マラガ〜マドリード間(AVE2093)の1等車Preferente利用の流れ
- 車両構成と1等車の座席・荷物置き場のイメージ
- 1等車で提供される食事サービスの一例(2018年当時)
- ラウンジ利用の注意点やWi-Fi利用に関する体験
- どんな人に1等車アップグレードが向いているかの目安
▼ AVE全体の路線・座席クラス・荷物ルールを知りたい方へ
【2025年版】スペイン高速列車AVE(アベ)完全ガイド|路線・座席クラス・荷物ルール利用した列車とチケット条件(2018年当時)
- 区間:マラガ・マリア・サンブラーノ駅 → マドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅
- 列車:AVE2093(AVEシリーズ102)
- クラス:1等車 Preferente(プレフェレンテ)
- 購入時期:乗車日の約18日前
- 運賃:早割りのPROMO運賃で購入(当時73.1ユーロ)
チケットはRenfe公式サイトから事前購入しました。日本語ページではなくスペイン語/英語版を利用し、日本のクレジットカードではエラーが出たため、最終的にPayPalで決済しました。
Renfe公式サイトでの予約方法や、クレジットカードエラー時の対処について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
▼ Renfe公式サイトでの予約手順とエラー対策
Renfeの予約方法やエラー時の対策は?割引チケットの種類は?マラガ・マリア・サンブラーノ駅〜乗車までの流れ
AVEには荷物のX線検査があるため、乗車当日は出発の約1時間前にマラガ・マリア・サンブラーノ駅に到着しました。おおまかな流れは次の通りです。
- 駅正面入口から進み、発着便案内の電光掲示板で列車番号・発車時刻・ホーム番号を確認。
- 掲示板下のゲートから入場し、スタッフにチケット(紙またはPDF)を提示。
- チケットのバーコード(またはQRコード)を読み取ってもらい、荷物のX線検査へ進む。
- 検査終了後、指定されたホームへ移動し、出発30分前からの搭乗開始を待つ。
マラガ駅のSala Club(ラウンジ)の場所と注意点
1等車Preferenteのチケットには、条件を満たす場合にSala Club(ラウンジ)利用特典が含まれます。マラガ駅では、チケット確認エリア右側のエレベーターで1フロア上に上がった場所に入口がありました。
ただし、PROMO(早割り)運賃で購入した1等車チケットではラウンジ利用ができないと案内され、当日は入室できませんでした。後でSala Clubの案内を確認すると、運賃タイプによって利用可否が分かれていることが明記されていました。
ラウンジ利用条件は運賃体系の変更とともに変わる可能性があるため、最新の利用条件はRenfe公式サイトやSala Clubの案内で確認することをおすすめします。
プレフェレンテ車両と座席の様子
車両構成と荷物置き場
乗車したAVE2093では、1等車Preferenteは進行方向の先頭車両に位置していました。改札を抜けてホームに出ると、後方の車両から順に並んでいるため、先頭車両まではスーツケースを引きながらホームを歩いていく形になります。
車両入口付近には、両側に大型の荷物置き場があり、スーツケースを上下2段に分けて置けるようになっていました。中段が先に埋まり、上段は頭の位置に近い高さのため、重いスーツケースを持ち上げるのはやや大変でした。
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座席配置
乗車した車両では、次のような座席配置になっていました。
- 車両の一番奥(先頭側):両サイドに3席ずつ向かい合った6席のコンパートメント(1A〜1C、2A〜2C)
- それ以外の部分:進行方向左側が1席(3A〜8A)、右側が2席(3B・3C〜8B・8C)の配列
一部の座席は向かい合わせになっており、家族やグループでの利用にも適したレイアウトでした。
座席の仕様と設備
座席は黒の革張り(もしくは合皮)で、見た目に高級感があります。隣の座席との間にスペースがあるため、通路側との間隔にも余裕が感じられました。
- リクライニング:通路側座席横のレバーをスライドさせると、座面が前方にスライドしながら背もたれが倒れる仕組み。
- テーブル:前の座席背面に三つ折りテーブルが収納されており、広げると食事やノートPC作業に十分なスペース。
- フットレスト:足元にフットレストと小さなゴミ箱(2席で共用)が設置されていました。
- コンセント:座席のアームレスト下部にコンセントがあり、携帯電話やPCの充電が可能でした(Cタイプのプラグが必要)。
車内モニター
通路上にはモニターが設置されており、現在走行中の位置や次の停車駅、速度、車内温度などが表示されていました。途中駅で下車する場合は、このモニターを確認しておくと安心です。
1等車の食事サービス(マラガ〜マドリード間、2018年当時)
プレフェレンテクラスでは、区間や時間帯によって食事サービスが運賃に含まれる場合があります。マラガ〜マドリード間(午前発)の列車では、次のようなタイミングでサービスが提供されました。
- 出発後約15分:メニューとおしぼりの配布
- 最初の停車駅を出発後(出発から約30分):食事の提供
- 到着約1時間前:ドリンクと小さなクッキーのサービス
提供されたメニューの一例(2018年11月22日)
- トルティージャ(ポテトオムレツ)とソーセージ・ベーコン
- 豆のトマトソース煮込み
- パン数種類(ジャム・バター・オリーブオイル・トマトソースなどを選択)
- 飲むヨーグルト
- 食後のドリンク(コーヒー、ハーブティーなど)
- デザートとしてチョコレートとレモン風味のスイーツ
その後、マドリード到着の約1時間前には、再度ジュースや水などのドリンクと小さなクッキーが配られました。
メニュー内容は路線や時間帯、時期によって変更されるため、現在の提供内容とは異なる可能性があります。最新情報はRenfe公式の案内をご確認ください。
Wi-Fiや新聞サービスなど(2018年当時の体験)
- 新聞サービス:食事の前に、数種類の新聞の中から好みのものを選べるサービスがありました。
- Wi-Fi:車体にWi-Fiマークが表示されていたものの、当日利用可能なネットワークは見つからず、車内スタッフからも「この便ではWi-Fiは利用できない」と説明を受けました。
現在は、車両や路線によってWi-Fiサービスの提供状況が改善していると思います。最新のサービス提供状況は、Renfe公式サイトや乗車時の車内案内でご確認ください。
どんな人にAVEの1等車(プレフェレンテ)が向いている?
今回のマラガ〜マドリード間では、乗車18日前の購入で運賃は73.1ユーロ(2018年当時のレートで約9,500円)でした。日本の新幹線「のぞみ」で東京〜新神戸間を移動する場合の運賃と比べると、距離とサービスのバランスを考えても十分に魅力的な価格設定と言えます。
円安で当時のようにはいきませんが、次のような方には1等車を検討する価値があります。
- 長距離区間(3時間前後以上)を移動する予定で、座席のゆとりや静かな環境を重視したい方
- 荷物が多く、車両入口の大型荷物置き場や広めのスペースを活用したい方
- 食事サービスや新聞配布など、移動時間そのものを楽しみたい方
- 2等車との価格差が大きくない時期・便に当たった方
一等車(プレフェレンテ)のサービス内容は路線や時期によって変わるため、最新の提供内容や条件は、AVEの基本ガイド記事やRenfe公式サイトで確認しながら検討してみてください。
▼ AVE全体の特徴と座席クラスを整理して確認する
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最後まで読んで下さりありがとうございました。