この記事では、スペインで春に食べるランプレアについて紹介します。
イベリコ豚「ベジョータ」やシラスウナギの「アングーラ」と同様にスペインの高級食材…
といってもスペイン全国で広く食べられているわけではないので、ご存知ない人の方が多いと思います。
本文では、下記の点からこのランプレアについて説明しています。
本文のポイント
- ランプレアの特徴
- 生息地に関する情報
- ランプレアの味
- ランプレアの伝統料理
春にスペイン旅行を予定していて、この時期にしか食べれないものを探している方は、是非参考にして下さい。
Lamprea(ランプレア)とは?
目の横に並ぶ7つのエラ穴があたかも八つの目に見えることから、日本ではヤツメウナギと呼ばれます。
見た目はウナギっぽいのですが、口を開けた様子(👇閲覧注意)を見ると…
エイリアンみたいです…。
吸盤のような口とトゲのような歯を使って、川にある石や他の魚に吸い付きます。
魚に寄生し、血を吸って生きることから、「水の吸血鬼」とも表現されます。
ランプレアの起源は、恐竜よりも古い4~5億年前まで遡り、川に生息していますが、魚ともまた違います。
脊椎動物の中でも「顎=アゴ」がありませんし、ウロコもありません。
骨格は縦に伸びる軟骨のみです。
ランプレアの一生
誕生
ランプレアは、淡水の河川で生まれます。
成長
海で3年ほど成長期を過ごします。
産卵と死
産卵のため海から川へ再び戻り、産卵後に死んでしまいます。
次に、ランプレアの生息場所を見ていきます。
ランプレアが生息場所
出典: https://viaxeaitaca.files.wordpress.com
昔、アンダルシア・エストレマドゥーラ・カタルーニャ・アラゴンとスペイン各地で採れたランプレアですが、現在は
- ガリシア
- アストゥリアス
- フランス
の一部の地域でしか見られなくなってしまいました。
ランプレア文化の最後の砦とも言われるガリシアでランプレアが生息するのは、
- タンブレ(Tambre)
- ウジャ(Ulla)
- ミーニョ(Miño)
の3つの川ですが、ランプレアの漁場として特に有名なのがミーニョ川です。
ガリシアの河川に生息するランプレアは、ローマ帝国の皇帝が好んで食べた高級料理としてガリシアからイタリアまで生きたまま運ばれたそうです。
ランプレア漁業で有名な場所
ランプレアの中心地でガリシア・ポンテべドラ県にあるアルボ(Arbo)という村があります。
ランプレアの捕獲技術に関する説明は省きますが、網を使用する以外にローマ人が作った石の壁をいまだに使ってランプレアをとるようです。
ランプレアの時期に、アルボでは『ランプレア祭』が開催されます。
ランプレアの旬の時期と気になる味
ランプレアの時期は1~2月から始まりますが、旬は3~4月の2か月間です。
産卵のために川の上流までのぼる間に引き締まった肉は歯ごたえがあり、クセが強く個性的な味がします。
『万人受けする味じゃないけれども、私は家族は全員ランプレアが大好きなの!』という友達がいて、毎年ランプレアの時期になると家族揃ってレストランで食事するのが楽しみにしています。
ランプレアはどう料理される?
ランプレアのボルドー風煮込み料理
この料理は、皮をむいて内臓を取ったランプレアを、
- 玉ねぎ
- ニンニク
- パセリ
- 赤ワイン
- ランプレアの血
と一緒に煮込みます。
ボルドー風煮込み料理のアルボ(Arbo)村スタイルは、ランプレアを白いご飯と一緒に食べます。
ランプレアの腸詰め
ハムやゆで卵の黄身と一緒に作るソーセージ(腸詰め)です。
その他
- 燻製したランプレアと小さいパスタを一緒に煮込んだ料理
- 卵と小麦粉に絡ませて油で揚げるフライ
- エンパナーダというガリシア風パイの具材
という感じにも料理されます。
ランプレアは、ガリシア以外でも食べられるの?
ガリシア以外でも、マドリードなど大都市のレストランでは、この時期の特別料理としてランプレアを出す場所があります。
また、ランプレアの缶詰や燻製の商品が売っていますので、1年中食べることができます。
まとめ
- ランプレア(ヤツメウナギ)は太古から生息する希少価値の高い動物。
- ランプレアがとれるのはスペインのガリシア州の3つの川(ウジャ・タンブレ・ミーニョ川)
- ランプレアの時期は1~4月(3・4月が特に有名)
- その独特の味から、好き嫌いが分かれる。
- 血と赤ワインから作るソースの煮込み料理や燻製したお肉をソーセージにしたり揚げたりと料理方法は色々。
- 缶詰の商品もあるので1年中食べることができる。
スペイングルメ関連記事
-
スペイン冬の煮込み料理コシード・マラガトは食べる順番が逆?
続きを見る
-
トレドの名物料理とは?おすすめのレストランやバルはどこ?
続きを見る
最後まで読んで頂きありがとうございました。