スペイン旅行の準備で、いちばん悩むのが「何を持っていくか」ですよね。特に、女性ひとり旅となると、 服装や体調管理、ホテルのアメニティ、治安のことなど、心配ごとも増えてきます。
この記事では、スペイン各地を毎年旅しているベテラン旅行者と、スペイン在住の日本人ガイドである筆者の経験をもとに、 「これは持ってきてよかった!」というアイテムを厳選してご紹介します。
とくに、日本とは気候も生活リズムも違うスペインでは、現地に住んでいるからこそわかるポイントがあります。 北スペイン(ガリシアやレオンなど)は夏でも涼しく、アンダルシアのような「スペイン=灼熱」というイメージだけで荷造りすると、 意外なところで困ってしまうことも。
この記事は、こんな方を想定して書いています。
- スペインに初めて行く女性ひとり旅
- ツアー+自由時間で、ひとりで街歩きする予定がある人
- 北スペイン(ガリシア・バスクなど)にも行く予定がある人
パスポートやクレジットカードといった「絶対に必要なもの」は、一般的な海外旅行の持ち物リストに譲り、 ここでは「スペイン旅行ならでは」のポイントに絞って解説します。
スペイン旅行の持ち物の考え方(女性ひとり旅向け)
まずは、スペイン旅行の持ち物を考えるときの基本的な考え方をまとめておきます。
- 「日本は猛暑」でも、北スペインは「夏でも涼しい」ことがある
- 日本のホテルのアメニティを期待しすぎない(特に地方や巡礼路沿い)
- 「現地で買えるもの」「日本から持って行きたいもの」を分けて考える
- 不安をゼロにするよりも、「困ったときの保険になる持ち物」を少しだけ増やすイメージにする
すべてを完璧に準備しようとすると荷物が増えすぎてしまいます。この記事では、「小さくて軽いのに、あると安心」 という視点でアイテムを選んでいます。
体調管理に役立つ医薬品
スペイン旅行でいちばん避けたいトラブルは、体調を崩して観光を楽しめなくなることです。 特に、食事の量・油の使い方・気温差が日本と違うため、体がびっくりしてしまうことも。
胃薬|スペイン料理は美味しいけれど量も油も多め
スペイン料理はとてもおいしいのですが、
- オイルをたっぷり使う料理が多い
- 一皿の量が日本より多め
- 夜ごはんの時間が遅くなりやすい(20〜22時頃)
といった理由から、胃が疲れてしまう旅行者も少なくありません。学生さんや少食の方は特に要注意です。
普段から飲み慣れている胃薬を日本から持参しておくと安心です。お守りのつもりでスーツケースに入れておきましょう。
「油っこい料理が続くのが心配」「どんなメニューを選べばいいか不安」という方は、
スペイン旅行中の食事で油が少ないおすすめ料理 の記事もあわせてどうぞ。
風邪薬|春・夏でも気温差に注意
「スペイン=常に暖かい」というイメージを持って来られる方が多いのですが、実際には地域差がとても大きいです。 春や夏でも、北スペインや内陸部では朝晩がひんやりする日が続くこともあります。
現地でも薬局は簡単に見つかりますが、成分表示がスペイン語のみだったり、症状を説明するのが大変だったりします。 いつも使っている風邪薬を、少量でよいので持ってきておくと安心です。
気温差については、
【2026年版】スペイン3月の気温と服装ガイド で詳しく解説しています。
春〜初夏に旅行される方は、あわせてチェックしてみてください。
スペインの気候と服装|北スペインは夏でも羽織りが必須
日本が猛暑続きの近年、「日本の夏用の服装」の感覚で荷造りをしてしまうと、 スペイン、特に北スペインでは「思ったより寒い」と感じる方が多いです。
北スペイン(ガリシア・レオンなど)は7〜8月でも涼しい日がある
たとえば、ガリシアやレオンなどの北スペインでは、
- 日中は20〜25℃くらいでも、朝晩は15℃前後まで下がる日がある
- 8月でも「夕方になると肌寒い」と感じることがある
- 曇りや海風の影響で、実際の気温よりも涼しく感じる日が多い
日本の「猛暑の夏」から来ると、とても過ごしやすいのですが、半袖だけだと心もとないことも。 長袖のカーディガンやパーカーなど、さっと羽織れるものを1〜2枚入れておくと安心です。
「スペインは暑そうだから…」と、アンダルシアのイメージだけで荷造りしてしまうと、北スペインでは逆に寒さ対策が足りない場合があります。
夏でも涼しく過ごせるヨーロッパの避暑地として、ガリシアはとてもおすすめです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ/ガリシア観光まとめ の記事も、旅の候補地選びに役立ててくださいね。
紫外線対策にサングラスはあると便利
スペインでは、夏場は夜の21時頃まで明るい日もあり、日差しも強めです。 サングラスをかけ慣れていない方も多いと思いますが、
- 日中の街歩き
- 海沿いの散策
- テラス席でのランチ
などでは、目の疲れ防止にもなります。日本で使い慣れたものをひとつ用意しておくと安心です。
ホテルで快適に過ごすためのアイテム
スペインのホテルは、日本に比べるとアメニティがかなりシンプルです。 都市部の四つ星ホテルでも、
- シャンプーとボディソープだけ
- コンディショナー(トリートメント)はなし
- スリッパやパジャマは基本的にない
というところが多く、地方や巡礼路沿いのホテルになるとさらに簡素になります。 また、近年はバスタブがなくシャワーのみの部屋も増えています。
トリートメント・ヘアケア用品
水の質が日本と違うため、「髪がきしきしした」「パサつきが気になった」という声もよく聞きます。 普段使っているトリートメントやヘアオイルを小さなボトルに詰め替えて持参すると、滞在中のストレスがぐっと減ります。
ボディクリーム・保湿グッズ
地域にもよりますが、スペイン内陸部は空気が乾燥しています。 いつものスキンケアに加えて、ボディクリームや保湿力の高いハンドクリームがあると安心です。
S字フック|小物を掛けるのに意外と便利
バスルームやクローゼットに「ちょっと掛ける場所が足りない」と感じることがあります。 小さなS字フックが2〜3個あると、
- 洗面台近くにポーチをひっかける
- シャワーブースの外にタオルを掛ける
- 部屋でちょっとした洗濯物を干す
など、細かなところで活躍してくれます。
小分けの洗剤・洗濯石けん
スペインのスーパーでも洗剤は売っていますが、家庭用の大容量サイズがほとんどです。 長期滞在でもない限り、旅行者が一箱買うのは少しもったいないですよね。
下着やTシャツだけでも軽く洗いたい方は、小分けパックの洗濯洗剤や、固形の洗濯石けんを持参すると便利です。 洗面台でさっと洗って、部屋で干しておくだけでも、荷物を減らすことができます。
外食に疲れたときの「部屋ごはん」グッズ
スペイン旅行中はバルやレストランでの食事も楽しみのひとつですが、
- 夜遅くまで出歩きたくない日
- 量の多い外食に少し疲れてきたとき
- 一人でゆっくり部屋で食べたいとき
などは、スーパーや市場で買ったものを部屋で食べるだけでも十分満足できます。
ジップロック・タッパー(小さめ)
生ハムやチーズ、オリーブなどを部屋で少し食べて残ったとき、 ジップロックに入れておけば、においや水分が外に漏れる心配がありません。
小さめのタッパーがひとつあると、
- スーパーのサラダミックス+生ハムで簡単サラダ
- チーズを崩れないように持ち帰る
といった使い方もできて便利です。
フリーズドライ食品・インスタント味噌汁
「外食するほどお腹は空いていないけれど、ちょっと何か温かいものが飲みたい」
そんなときに役立つのが、フリーズドライのスープや味噌汁です。
注意したいのは、スペインのホテルには客室に電気ケトルが置いていないことが多い点です。 必ず使いたい方は、コンパクトなトラベル用ケトルを検討するか、レストランやバーでお湯を分けてもらう方法もあります。
麦茶パックなどのティーバッグ
スペインのスーパーには清涼飲料水が並んでいますが、
- コーラやジュース類
- 「お茶」でも砂糖入りで甘いもの
が多く、日本のような無糖のお茶はあまり見かけません。
「甘くない飲み物が飲みたい」「普段どおり麦茶を飲みたい」という方は、 麦茶や好きなお茶のティーバッグを持ってきて、現地で水やお湯に浸して飲むのがおすすめです。
飲み物について詳しく知りたい方は、
スペインで楽しめるノンアルコール飲料 の記事も参考にしてみてください。
衛生・スキンケア・日焼け対策アイテム
ポケットティッシュ・ウェットティッシュ
スペインでもポケットティッシュは売っていますが、紙質が硬めのものが多く、 肌が敏感な方には少し使いづらいと感じるかもしれません。
日本の柔らかいポケットティッシュを数個、ウェットティッシュを1〜2パック持っておくと、 外出先のトイレやバルでとても重宝します。
日焼け止めクリーム・帽子・サングラス
日差しの強い時間帯に長く外を歩く予定がある方は、日焼け止めクリームをしっかり塗っておきましょう。 現地でも購入できますが、肌に合うか心配な方は、日本でいつも使っているものを持参するのがおすすめです。
帽子やサングラスも、夏の観光にはあると安心です。 特に、長時間のフリータイムで美術館や旧市街を歩き回る場合は、体力消耗を防ぐ意味でも大切なアイテムです。
電源&スマホまわりの持ち物
変換プラグと電圧の確認
スペインのコンセントはCタイプ(丸い2本穴)が一般的です。 日本のプラグはそのままでは差し込めないので、変換プラグを必ず用意しましょう。
また、スペインの電圧は220V前後です。スマホやパソコン、デジカメの充電器は世界対応のものが多いですが、 念のため、アダプターの表示に「100〜240V」と書かれているか出発前に確認しておくと安心です。
モバイルバッテリー
地図アプリや翻訳アプリを使っていると、想像以上にスマホのバッテリーが減ります。 観光中にバッテリー切れになってしまうと、道に迷ったときにとても心細くなってしまうので、 軽量のモバイルバッテリーを1つ用意しておきましょう。
女性ひとり旅のちょっとした安心アイテム
スペインは多くの観光客が訪れる国で、基本的には明るく旅行を楽しめる場所です。 ただし、マドリードやバルセロナなどの大都市ではスリが多いのも事実です。
とはいえ、過度に怖がる必要はありません。最低限の注意と、少しの工夫で、安心して街歩きを楽しめます。
ファスナー付きのバッグ・スマホストラップ
- バッグは口がしっかり閉まるもの(ファスナー式)を選ぶ
- スマホにはネックストラップやリングを付けて、手から落としにくくする
- 人混みではバッグを体の前に回して持つ
これだけでも、スリに狙われにくくなります。特別な防犯グッズをたくさん持ってくる必要はありませんが、 「開けっぱなしのトートバッグで人混みを歩かない」といった基本のところだけ、意識しておきましょう。
スペインの治安や、具体的に気をつけたいエリアについては、
【最新】スペインの治安とスリ対策 に詳しくまとめています。
心配な方は、出発前に一度目を通しておくと安心材料になります。
現地で買えるもの/日本から持って行きたいもの
現地で買えるもの
- シャンプー・ボディソープ
- 生理用品
- 歯ブラシ・歯磨き粉(種類は少なめですが購入可能)
- 基本的な薬(頭痛薬・風邪薬など)※ただし説明はすべてスペイン語
日常的に使うものは、基本的には現地でも購入できます。 ただし、自分に合うかどうか試す余裕がないので、肌が敏感な方・こだわりがある方は日本から持参しておくと安心です。
日本から持って行きたいもの
- 飲み慣れた胃薬・風邪薬
- トリートメントやヘアオイルなどのヘアケア用品
- ボディクリームやハンドクリーム
- ポケットティッシュ・ウェットティッシュ
- 麦茶などのティーバッグ
- 小分けの洗剤・洗濯石けん
- 変換プラグ・モバイルバッテリー
- 薄手のカーディガンやパーカー
どれも大きなスペースは取らないので、スーツケースのすき間を埋めるようなイメージで入れておくと良いと思います。
まとめ|「知らないと困る」を一歩手前で防ぐ持ち物選び
スペイン旅行の持ち物は、「すべてを完璧にそろえる」必要はありません。
ただ、日本とスペインの違いを少しだけ知っておくと、現地での「困った」をかなり減らすことができます。
- 北スペイン(ガリシア・レオンなど)は夏でも羽織りが必要な日がある
- ホテルのアメニティは日本よりシンプル。トリートメントや保湿グッズは持参がおすすめ
- 外食に疲れたときは、スーパーの食材+ジップロックやタッパーが大活躍
- 麦茶パックやティーバッグがあると、「甘くない飲み物」が欲しいときに助かる
- 変換プラグとモバイルバッテリーは、スマホ旅には必須アイテム
- 防犯グッズを増やしすぎるより、ファスナー付きバッグ&スマホストラップなど最低限を意識
これらをベースに、ご自身の旅のスタイルに合わせて、必要なものを少し足したり引いたりしてみてください。
スペイン旅行全体の注意点や、治安・英語・食事についてまとめた記事もありますので、
【2026年版】スペイン旅行の注意点まとめ も、出発前のチェックリストとして役立てていただければうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。どうぞ安全で、楽しいスペインの旅になりますように。