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【2025-2026年版】スペインのクリスマスはいつまで?過ごし方や伝統菓子、宝くじまで完全ガイド

2021年12月28日

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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

「スペインのクリスマスは12月25日で終わりじゃないの?」 そう思ったあなた、実はスペインのクリスマスはもっと長いんです!

12月22日の「宝くじ」から始まり、年を越して1月6日の「東方三賢人の日」まで、約2週間にわたって祝祭ムードが続きます。

この記事では、スペイン在住16年以上の私が、2025年から2026年にかけてのクリスマスの過ごし方、独特の伝統行事、そして旅行者が気をつけるべき「お店の営業状況」まで、現地から最新情報をお届けします。 

スペインのクリスマス日程(2025-2026)

スペインのクリスマス・シーズンは、大きく分けて4つの山場があります。

  • 12月22日: クリスマス宝くじ(Lotería de Navidad)
  • 12月24日・25日: イブとクリスマス(家族の日)
  • 12月31日: 大晦日(Nochevieja)
  • 1月5日・6日: 東方三賢人の日(子供の日)

それぞれの日に何をするのか、詳しく見ていきましょう。

【12月22日】国民が熱狂!「クリスマス宝くじ」

スペインのクリスマスの幕開けは、12月22日の朝。 国民的イベント**「エル・ゴルド(El Gordo)」**と呼ばれる宝くじの抽選会です。

子供たちが当選番号を歌うように読み上げる様子がテレビで生中継され、街中のバルや家からその歌声が聞こえてきます。 1等が当たった地域はお祭り騒ぎ!スペイン人にとって、この日は「夢を買う日」なのです。

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【12月24日・25日】イブは家族と、当日は静かに

12月24日:Nochebuena(聖なる夜)

日本のクリスマスとは違い、スペインのイブは**「家族全員が集まってディナーを食べる日」**です。 実家に帰り、エビや生ハム、子羊のローストなどの豪華な食事を囲みます。

12月25日:Navidad(クリスマス)

国の祝日です。前夜のパーティーで夜更かしをしたため、25日は家族でゆっくり過ごすのが一般的。 注意点として、この日はスーパー、デパート、多くのレストランが閉まります。 観光客の方は、ホテルのレストランを予約するか、事前に食料を確保しておく必要があります。


4. 【12月31日】12粒のブドウで年越しカウントダウン

12月31日は「Nochevieja(古い夜)」。 この日の主役は**「12粒のブドウ」**です。

マドリードのプエルタ・デル・ソル時計台の鐘の音に合わせて、1秒に1粒ずつブドウを食べ、全部食べきると新年が幸せになるという風習があります。 もし年末にスペインにいるなら、スーパーで「種なしブドウ」を買ってチャレンジしてみてください!

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5. 【1月5日・6日】プレゼントを持ってくるのは誰?

イエスが誕生した馬小屋へ向かう東方の三博士

ここが日本と大きく違う、スペインならではの文化です。 最近では、12月25日にサンタクロース(パパ・ノエル)からプレゼントをもらう家庭も増えてきていますが、スペインの伝統においてクリスマスプレゼントを持ってくるのは「Reyes Magos(東方三賢人)」です。

今でも多くの子供たちにとって、本当の「本番」は1月6日。

1月5日の夜は、1年の中で数少ない「子供たちが主役になれる日」として、街中が特別なワクワク感に包まれます。

1月5日夜:Cabalgata(パレード)の熱狂

らくだに乗った3人の王様(賢者)が街にやってきて、盛大なパレード(Cabalgata)を行います。 山車から撒かれる大量の飴を拾うために、子供たちは袋を持って必死に追いかけ、大人たちも童心に帰って夢中になります。この夜の熱気は、スペインのクリスマスのハイライトと言えるでしょう。

1月6日朝:プレゼント開封とロスコン

「王様たちが来てくれた!」 朝起きるとツリーの下に置かれたプレゼントを見つけ、子供たちは大喜びします。 そして朝食には、この日限定のリング状の菓子パン**「Roscón de Reyes(ロスコン・デ・レイジェス)」**を家族で食べるのが習わしです。中に隠された陶器の人形が当たれば「王様」、豆が当たれば「支払い係」という運試しも楽しみの一つ。

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6. 【現地事情】スペイン人の本音と「プレゼント交換」

スペイン人はクリスマスが嫌い?

実は、「クリスマスがストレス」というスペイン人も少なくありません。 家族の集まりが義務のようになっていたり、プレゼント出費がかさんだり…。 親戚が多いスペインならではの悩みですが、それでも「家族の絆」を確認する大切な行事であることに変わりはありません。

アミーゴ・インビシブレ(見えない友達)

友人や同僚との間では、「Amigo Invisible」というプレゼント交換ゲームが人気です。 くじ引きで「誰に贈るか」を決め、当日まで秘密にします。予算を決めて気軽に楽しめるので、留学生の方も誘われるかもしれませんよ。


まとめ:旅行者が気をつけるポイント

2025年の年末年始にスペインを訪れる方へ、最後にアドバイスです。

  1. 12/25と1/1はお店が閉まる: 買い物は前日までに済ませましょう。
  2. 1/6も祝日: この日までがクリスマス休暇です。本格的に社会が動き出すのは1/7から。
  3. イルミネーション: 11月下旬から1月6日まで点灯しています。

日本とは違う、長く、家族の温かさに満ちたスペインのクリスマス。 ぜひ、ブドウやロスコンを食べて、現地の風習を楽しんでください!

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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