スペイン留学に興味がある方へ。
この記事では、2019年9月〜2020年6月、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学に留学した日本人学生の体験談を紹介します。
10カ月にわたる体験を
- 通常時の大学生活(キャンパスライフ)
- コロナ禍による外出制限下の留学生活
の2つの時期に分けてまとめました。
大学での授業スタイル、スペイン人の友達作り、住まい探しの体験から、パンデミック下で学び続けた苦悩と成長まで、留学希望者に役立つリアルな情報をお届けします。
スペインで学び、暮らすことを考えているあなたの参考になれば幸いです!
スペイン留学前のイメージや現地で感じた事は?
スペインは、文化や人の性格、家族の関係など日本との違いが顕著にある国というイメージがありました。

コミュニケーションの取り方に関しても、日本の察する文化と対照的に意思表示をして話して解決するスペインとの違いに難しさを感じていました。
そんな理由から、スペインに留学したら色んなタイプの人と関わって自分の柔軟性を鍛えたいと思いました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラはどんな街?

- 自然が多い。
- 大学都市でエラスムス主催のイベントがあるので、友達を作ろうと思えばチャンスがある。
- 小さな町なので、歩いて移動しやすく友達同士集まるのが容易。
- 治安が良い。
- 夜に外を歩いていても怖いと感じることがない。
エラスムスとは、EU加盟国間の学生流動や交流を高めるために1987年に設立された計画のこと。
と、留学に最適な私の好きな生活スタイルの町だと思いました。
留学前はサンティアゴ=宗教的な町というイメージが強く、ガリシア人はシャイで閉鎖的とも聞いていました。
実際、サンティアゴに住む人にスペインの地域別の人々の印象(アンダルシアやカタルーニャ等)を聞いていくと、ガリシア人が自分達に対して閉鎖的という意識が全くないというのを知って個人的に興味深かったです。
留学生活の初めに辛かった事は?
買い物など日本にいたらできて当たり前のことも全く分からない状態でした。
でも、逆に毎日新しく出来ることが増えていく感覚がとても嬉しかったです。
生活しながら特に辛かったという経験はありませんが、学生交流会でヨーロッパの学生がいつも彼らだけでグループを作って、アジアや南米系の学生と混じらない態度や自分から話そうとしても彼らと自分の間の圧倒的な英語力の差を感じて苦しむことがありました。
昔からヨーロッパへの憧れが強く、留学中にヨーロッパの学生と交流できるのを楽しみにしていましたが、段々と憧れが苦手意識へ変わってしまったときが辛かったです。
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スペインの大学・学部授業や学生について
授業はすぐに理解できた?

大学の授業で聞くスペイン語は早いし、単語もまともに拾えなくて全然慣れませんでした。
自分は完全に浮いてるなと感じながら授業を受けていましたね。
授業の内容を大体理解できたと感じるまで半年ぐらいかかりました。
✅ 参考リンク
スペインの大学授業についていくためのスペイン語力とは?
➡️ 【スペインの大学へ留学する前に語学コースは必要?B1・B2レベルと入学準備の現実】
授業について行くために取った方法は?
クラスメートにノートを見せてもらったり、先生に直接質問もしました。
授業の終わりに話かけるよりも、先生の研究室を訪ねた方が暖かく迎えてくれて、時間をかけてきちんと説明してくれました。
スペインの大学生を見て感じた事
みんなめちゃ勉強するし、遊びと勉強の切り替えが凄いなと思いました。
授業中に寝ちゃうみたいな概念なかったです。(笑)
図書館で感じた違い
テスト週間になると、図書館の開館時間が夜中の3時まで延長されるのもビックリしました。
ちょっと細かいことですが、日本の大学の図書館では、自分の勉強空間を重視し、学生間に距離があります。
一方、スペインは大きな机に隣同士で座って勉強していて、自分の横に置いている荷物の場所に『座っていい?』と聞いてくるのが日本と違うなと感じました。
大学の授業で一番悔しかったことは?
ある授業でグループワークのプレゼンをした時です。
プレゼンの内容を完全に覚えていたのに、いざ先生やクラスメートを前にしたら、練習してこなかったみたいに真っ白になって本当に悔しかったです。
逆に、大学で勉強して一番嬉しかったことは?
みんなの前でプレゼンするのが怖くて、準備もなかなか進まなかった時、スペイン人の友達が家まで来て手伝ってくれたり、無事プレゼンが終わった時にハグをしてくれたことです。
大学で初めて私に声をかけてくれたスペイン人で、テスト期間中に私を自宅に招待してくれ、プロジェクターを使って勉強のポイントを教えてくれました。
本当に色々助けてもらいました。
👉授業が上手くいかない時の対処法などはこちらの記事も参考に!スペイン留学は辛いし楽しくない?大学や語学授業の乗り越え方
スペイン人の友達を作るためにトライした事
大学で

クラスメートとの距離を縮めたくて、『どこのシャンプー使ってるの?』とか1日1ネタの気持ちで自分から話しかけました。
でも、全然ダメな日もありました(笑)
最初、自分が興味を持たれないのは『私がアジア人だから?』とも考えましたが…
私より語学力やコミュニケーション能力が高い他の国の留学生も同じことを言っていました。
学生へ声をかけ続けるうちに…
- クラスのメンバーの雰囲気で話しかけやすさが全然ちがう。
- 学部内で人脈を広げようという学生が少ない。
- 興味を持たれないが普通で、話を続けてくれたらラッキー。
と感じたので、反応が薄い時は『次!』と割りきりました。
でも、学部内で色んな学生に声をかけて『あの日本人の女の子はヤバい!』と思われるのも嫌だったので…
授業がない別の学部で暇そうな人にスペイン語の質問をしたこともありました。
中には、『次分からないことがあったらまた連絡してね!』と、連絡先をわざわざ渡しに来てくれた人もいました。
大学以外の場所で
一方、ディスコテカやBARで知り合うスペイン人の中には、びっくりするくらい友好的な人がいました。
大学での友達作りにこだわる必要はないと考え直し…
- バルで近くのお客さんと話してみる。
- スペイン人も参加するインテルカンビオ(言語の教え合い授業)に参加。
- 日本好きスペイン人を探し、素敵な子と知り合ったら日本人同士で紹介し合う。
なんてこともしました。

次は、長期滞在の学生が知りたいテーマのひとつ、ピソ(シェアフラット)探しについて聞きました。
スペインでピソを探しながら学んだ事
2か月間のホームステイの次は大学寮へ移る予定でしたが、ピソでの生活も経験したいなとピソ探しを始めました。
ピソ探しで利用したもの
- 大学掲示板
- エラスムスのFacebookページ
- 不動産
- スペインの家探しサイト(Idealista)のアプリ
- ピソを探していることを学部でアピール
家探しサイトのアプリは使える?
Idealistaなどのアプリですが、私の場合は返信率が低かったです。
返信が来ないと焦りが出てくると思いますが、来なくて普通ぐらいの気持ちでいたほうがよいかもしれません。
ピソ探しで大変だったことは?
同居人の募集者となかなか連絡が取れず、内見までたどり着くことが出来ずに焦りました。
ピソを探したい学生へアドバイスするとしたら…
大学の掲示板を毎日チェックして電話でどんどん連絡を取る!です。
私は日本語で電話をするのも苦手なので、スペイン語で電話をする前に要件をまとめて先にスピーチしました。
勇気をだして電話をしたらより確実に、早く見つけられることを学びました。
また、学部の友達にピソを探していると相談すると、『同居人として選んでもらうために、好印象を与えるメッセージを教えてあげる。』
と、アドバイスをくれました。
ついに、希望通りのピソを見つける!
サンティアゴ旧市街内にあって学部まで徒歩5分という好立地のピソを見に行くと…

明るくて広いピソには、家主で造形芸術のアーティストであるマリアの作品が所々にありました。
日本食に興味があるという彼女と話をしながら『この人と一緒に暮らしたい!』と強く思いました。
数日後、彼女からOKの返事をもらった時は本当に嬉しかったです。
マリアの作品例
サンティアゴ・エモーショナルマップ(Mapa Emocional de Santiago)
\マップの一部をもっと詳しく/
(上下2枚、マリアから直接頂いたマップの画像です)

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地方都市での学生生活や暮らしやすさをもっと知りたい方へ
➡️ 【2025年版】スペイン留学まとめ|地方都市で学ぶ魅力と現地生活のリアル
スペイン留学を終えて
スペインに住んでスペインへの印象は変わった?
はじめの頃、スペインのカフェやレストランでの店員の態度が丁寧じゃなくて苦手だなと思っていました。
しかし、お客様は神様みたいな日本と違って、スペインは店員とお客が対等でお互いの距離が近いと気付きました。
ラフに話せて友達になる事も出来たりと、苦手だと思った部分が好きな部分に変わってもっとスペインが好きになりました。
同時に、スペインでは話してなんぼ、沈黙を時間を作らないみたいなところに疲れを感じました。
静かにご飯を食べたり、沈黙の時間に落ち着くので、自分は日本のこういうところが好きだったんだと、逆の気づきもありました。
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コロナ禍の留学生活:想定外の挑戦と成長
スペイン・サンティアゴ大学での留学生活は、ただでさえ文化や言語の違いに挑戦する毎日でしたが、ちょうどコロナ禍という世界的な未曾有の状況も重なりました。
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授業は一時的にオンライン化され、キャンパスの雰囲気も大きく変化。
友達作りや現地交流も難しくなり、孤独を感じることもありました。
それでも、こうした逆境の中で
「どんな環境でも自分なりに適応していく力」
「スペイン語での自己表現力」
を鍛えることができたのは、今となっては大きな財産です。
困難な時期を乗り越えた経験は、ただの語学力以上に、
「スペインで生き抜く力」
を私に与えてくれました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。