子育て&教育

スペインの学校給食費は日本の〇倍!メニューや食育の例を紹介

2021年1月20日

学校給食

本文では、スペインの給食事情について紹介します。

 

このテーマに関心をもったきっかけは、近くの公立小学校へ通う女の子のある一言でした。

私の学校の給食、コルーニャ(サンティアゴから約70㎞離れた都市)から運ばれてくるから冷たくておいしくない。
えっ、どういうこと?

 

色々と女の子に質問をしてみると、日本とスペインでは給食事情がだいぶ違うのでびっくり。

 

当時、長男の小学校選びの真っ最中だった私は、それ以降に学校を選ぶ際に給食の対応をチェックするようになりました。

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本文では、スペインの給食事情について日本のケースと比較しながら下記のポイントを見ていきます。

本文のポイント

  • スペインの給食基本情報
  • 小学校の給食費
  • 給食の献立メニューの決め方
  • スペインにも食育はある?

 

是非、参考にして下さい。

スペインの給食事情、日本とどう違う?

日本とスペイン給食事情を比較
日本 スペイン
実施方法

全員給食

  • 生徒は全員教室で食べる
  • 先生も一緒に食べる
  • 給食当番による配膳

オプション

  • 希望者のみ食堂で食べる
  • 先生は生徒と一緒に食べない
  • 配膳は専門のスタッフ
調理方式

複数

  • 校内で調理
  • 給食センター
  • 外部委託

複数

  • 校内で調理
  • 外部委託
給食費

1日平均 約210円

情報元: 文部科学省調査

1日平均4,75€

情報元: ABC

 

他のヨーロッパ諸国と比べても食事時間が変わっているスペインでは、午後14時に授業が終了してから家に帰ってからご飯を食べる家庭が多いです。

 

共働きの親を持つ子供は、学校に残ってお昼を食べますが…

  • 毎週火曜日と木曜日だけ給食を利用。
  • 休日が多い月は、給食を利用しない。

など、オプションですので家庭の事情に合わせて利用しています。

 

私の子供の学校の例を挙げると、授業が午前と午後の2部制になっています。

 

給食を利用しない生徒の親は…


  • 午前

    午前の授業が終わる頃、学校へ子供を迎えにいく。


  • 昼食

    家へ帰ってお昼を食べる。


  • 午後

    午後の授業開始前に、学校へ再び子供を送る。


と、1日家と学校を2往復をしています。

 

スペインの給食の調理形式と気になる点

校内で作る自校式と外部委託式では、どちらが多く採用されているのか気になりましたが…

  • 同じ町の公立学校でも対応が違う。
  • 各自治州によって状況もかなり違う。

ことが分かりました。

 

自治州ごとでの違いを現した表はこちら。

自校式 外部委託
アンダルシア州 317校 1,264校
カスティージャ・イ・レオン州 226校 236校
ガリシア州 302校 132校

(BUENAVIDA, Nº 39 SEPTIEMBRE, 2017の情報から表を作成)

 

外部委託が大多数のアンダルシア州に対し、カスティージャ・イ・レオン州は半々、一方ガリシア州は自校式が多いです。

 

どちらの給食も、自治州が定める規則に沿って作るので、栄養学的な違いはないそうですが…

 

外部委託の給食は、調理後に90分かけて70度から2度へと冷却し、学校で配膳する前に、特別なオーブンで再び温めるという工程が入るそうです。

 

校内で調理された温かい給食が直接子供たちへ配られる給食と比べれば、口に入れた時の食感など感覚的な部分で差は出てきてしまいます。

 

次に、給食費について説明します。

 

スペインの小学校の給食費

スペイン自治州ごとの給食費マップ

出典: https://e00-elmundo.uecdn.es

 

1日当たりの給食費が最も高い自治州と最も安い自治州から出した平均の給食費が4.75€となっています。

 

円に換算すると、約600円なので日本の約3倍です。

595.33円 1€ = ¥ 125.33 2021年1月20日時

 

最も高いバレアレス諸島の給食費と比べたら、6.5€(814円)なので日本の給食の4倍です。

 

同じ公立でも自校式と外部委託のケータリングと給食の事情が異なりますが、スペインの公立学校の80%以上はケータリングで調理した日から数日後に、再加熱した給食を出しています。

 

毎日子供が食べる給食が、そんな状態で出されるのは納得できない。

 

子供の学校は、学校内で調理する料理がとても美味しいと家の周りで評判がよく、学校の先生が一緒に食べてくれます。

 

それだけで学校を選んだわけではないですが、とても好感が持てたのは事実です。

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スペインの給食メニュー

スペインの給食

各自治州で給食に関するガイドラインがあり、マドリードやカタルーニャ州の例はこんな感じです。

マドリード

  • 肉を使った料理は月に5~8品に制限。
  • 果物、野菜、パンは毎日出す。

カタルーニャ

  • メインディッシュ用の揚げ物料理は、週に最大で2品まで。
  • 添え付けのフライドポテトは週1回。
  • 魚の揚げフライなど調理済みの食品は月に3回以下。
  • ハンバーグやソーセージといった肉の加工製品は週に0~1回。

 

具体的な例として、子供の学校の献立メニューを紹介します。

 


  • 1皿目

    野菜のクリームスープやサラダが中心


  • 2皿目

    メインディッシュは肉・魚・豆料理にごはんや野菜がついた料理


  • デザート

    バナナ・梨・りんご・キューイとフルーツが中心で週に1回ほどヨーグルトやケーキ


 

メニュー自体は普通だと思いますが、親の料理よりもマリア(給食を作る人)の料理が美味しいと絶賛する子供たちが多く、私の子供もその中の1人です(笑)

 

スペインの小学校でも食育はある?

学校の方針や給食担当者のイニシアティブにより面白い取り組みをしてるところがあります。

 

子供の学校では、


  • 2016年

    油ものを少なくするために調理場の機械を変更


  • 2017年~現在

    毎月1回各国の料理や季節のイベントに関連したメニューを献立に取り入れています。

 

規模の大きい学校でこういう取り組みが難しい所もあるかもしれませんが、個々の例を探せばもっと出てくるのではないかと思います。

 

まとめ

  • スペインで給食はオプショナルなので、家で昼食を食べる子供が多い。
  • 週1回など、家庭の事情に合わせて給食を利用することが可能。
  • 小学校の給食は、自校式と外部委託式と学校で対応が異なる。
  • 自校式と外部委託式の選択は各自治州によって違う。
  • 自校式と外部委託式の給食は栄養面の差はないが、料理の見た目や食感など感覚的なところで違いが出る。
  • 給食を通じて異文化や地元の行事を教える取り組みもある。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

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いつこ

ガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で観光マネージメント修士課程修了。同大学のスペイン語コースで留学生サポート業務を約4年経験。サンティアゴ巡礼専門の旅行会社勤務経験あり。まだ認知度が低いサンティアゴやガリシアの魅力を伝えるのが私のミッション。

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