スペイン巡礼路に発展した美術の名前や特徴は?簡単に美術傑作を理解するポイントは?

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初めてスペイン巡礼路を歩いた時、巡礼路周辺にある有名な教会や修道院を訪れました。

 

美術の専門家である先生が各建築様式の説明を詳しくしてくれるのはいいのですが・・・説明を聞いて余計頭が混乱してしまいました。

 

学校の授業で各時代の建築様式を学んでいるスペイン人同士の説明だと、日本人にはチンプンカンプンです。

 

日本人学生のグループに同行し、スペイン人ガイドの通訳をしましたが、キリスト教や美術に関する一般知識の差があるので、欧米人と日本人では説明の仕方を少し変えるべきなのではと思いました。

 

スペイン巡礼と共に発展した美術をテーマに、難しいところは大胆に省き、簡単に理解できるポイントを紹介します。

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9世紀、イエス・キリストの側近ともいえる12使徒のひとり、聖ヤコブのお墓がサンティアゴ・デ・コンポステーラで発見されました。

 

このお墓を一目見たいとヨーロッパ中から沢山の巡礼者がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しました。

 

スペイン巡礼の成長・全盛期(特に11世紀~13世紀前半)にヨーロッパ全域に広まった美術様式のことをロマネスク美術と言います。

 

巡礼路やその周辺に建てられた巡礼者のための教会や修道院の様式をロマネスク建築と言います。

 

ロマネスク美術の特徴は?

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ロマネスク美術をひと言で表すとしたら、それは・・中世のコミックです。

 

読み書きのできない大多数の人にイエスの教えとは何かを伝えるには、建築物の壁や柱の装飾部分に聖人の像や聖書に出てくる場面を表すのが最もわかりやすいからです。

 

そういう意味では、このロマネスク美術の装飾を見て親しみやすいとか、ものによってはカワイイと思うものさえあります。

 

美術というと絵画も入ってくるの?と思うかもしれませんが、ロマネスク美術といったら、建築と彫刻と思ってください。

 

ロマネスク建築の特徴は、厚い石の壁でできていること、建物の構造技術が発達する前の時代なので建物の窓が小さいこと、この2つをとりあえずおさえておきましょう。

 

ロマネスク美術の最高傑作とは?

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂正門の扉から入ってすぐの場所に、ロマネスク美術の傑作と呼ばれる「栄光の門(Pórtico de la Gloria)」があります。

 

栄光の門を作ったのは、彫刻家であり建築家でもあったマエストロ・マテオ(Maestro Mateo)という人物です。12世紀後半に活躍し、とにかくサンティアゴの大聖堂の説明によく出てくる人物です。

 

誤解を招いてはいけないので、ひとつ追加するとマエストロ・マテオが1人で作ったわけではありません。彼率いる制作スタッフのチームが携わっています。

 

栄光の門は、1168年から20年ほどかけて作った作品です。

 

栄光の門は外から丸見えだった?

12世紀に栄光の門が完成した頃、大聖堂の正門にドアはありませんでした。

 

ドアが作られたのは16世紀より前にサンティアゴ大聖堂に到着する巡礼者は、遠くから栄光の門が見えていたということになります。

 

栄光の門は何を表しているの?

栄光の門は、新約聖書の一番最後に書かれているヨハネ黙示録を題材としています。

 

非常に難解なため、解釈するにあたって議論が尽きないのですが、新約聖書の一番最後に置かれている書で、世の終わりに疫病や戦争など非常な困難が人類に訪れるが、キリストの再臨によって真の楽園が築かれると予言するものです。

 

キリストの再臨は、キリスト教信仰によって非常に重要なものです。

 

栄光の門の3つのアーチは何を意味するの?

栄光の門を見ると、両端に二つの小さなアーチがあり、中央に両端のアーチの2倍の大きさのアーチがあります。真ん中のアーチの中心部分に荘厳のキリストが座っています。

 

キリストの周りにある4つの像は、キリストの使徒でありキリストの言行録である福音書を書いた4人がいます。(聖マタイ、聖ヨハネ、聖マルコ、聖ルカ)

 

中央のアーチの壁面の解釈は、美術専門家の間でも意見が分かれるそうです。中央のキリストが最後の審判で、誰が天国へ行き、誰が地獄へ行くのかを決めるという解釈をする人もいれば、神の息子であるキリストは人を裁かない、やってくる巡礼者を温かく迎えているんだと解釈する人もいるのだとか。

 

左のアーチは旧約聖書を、右のアーチは新約聖書の世界を表しています。

 

中央アーチの縁にいるのは何?

出典: http://www.porticodelagloria.com

 

中央のアートの縁の部分にあるのは、黙示録に出てくる24人の長老です。

 

彼らは、キリストの再臨を祝って行う天のコンサートの演奏者となっており、各自が楽器を持っています。キリストの再臨を待っているので、演奏しているのではなく調律をしているのです。

 

栄光の門のこの部分のすごいところは、あまりにも精巧なので専門家はここから沢山の情報を得ることができ、実際に楽器も復元できるというのです。

 

中でも12世紀の楽器で、円盤を回す人と鍵盤操作する人の二人で操作するオルガニストムがあり、下のビデオでこの楽器の音色を聞くことができます。(演奏しているところが見ずらくてすみません!)

 

中世楽器は少ないので、実際に演奏するのが難しいという問題点があります。非常に貴重な経験でした。

 

栄光の門は、非常に沢山の見どころがありますので、今回はあえてポイントを絞って扱いました。

 

ロマネスク建築を扱った本にもこの作品の説明がありますので、興味のある方は是非読んでみて下さい。

 

まとめ

  • ロマネスク美術とは、11世紀から13世紀前半までヨーロッパに広がった美術で、巡礼路に発展。
  • ロマネスク美術は、建築と彫刻。
  • ロマネスクの特徴は、中世のコミック!
  • サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂にあるロマネスク美術の最高傑作は、「栄光の門」
  • 栄光の門はヨハネ黙示録を題材としている。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラ在住の40代2児のママ。3歳の娘と日々格闘中。スペインの観光や留学生活、サンティアゴ巡礼路に関する情報を発信します。スペイン旅行の悩みに記事内で回答します。問合せ
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