「2026年こそ、カミーノを歩きたい!でも、結局いくらかかるの?」
「円安だし、ヨーロッパの物価も上がり続けていると聞くから不安…」
数年前のブログ記事を見て予算を立てているなら、今すぐ見直してください。
コロナ後のインフレ、そして長引く円安により、スペインの巡礼費用は大きく変わりました。
この記事では、サンティアゴ在住の公認ガイドである私が、「2026年の巡礼計画」に役立つ最新の物価事情と、リアルな費用の相場を解説します。
古い情報のまま出発して現地で青ざめないよう、最新の予算感をしっかり掴んでください。
1. 【結論】1日あたりの予算目安(2026年最新)
まずは結論から。これからのスペイン巡礼で、1日にかかる現地費用(宿泊+食事+雑費)の目安は以下の通りです。
※航空券代、装備代は含みません。
| スタイル | 1日の予算(ユーロ) | 日本円目安(1€=170円) |
| ① 節約派 (公営宿+自炊) | 35€ 〜 45€ | 約 6,000円 〜 7,600円 |
| ② 標準派 (私営宿+外食) | 50€ 〜 65€ | 約 8,500円 〜 11,000円 |
| ③ 快適派 (個室+荷物輸送) | 80€ 〜 | 約 13,600円 〜 |
かつては「1日30ユーロで歩ける」と言われていましたが、2026年の計画では「最低でも50ユーロ(約8,500円)」見ておかないと、心に余裕のない旅になってしまうでしょう。
2. 物価はどう変わった?主要項目のリアル相場
具体的に何がどれくらい値上がりしているのか、2026年に向けて知っておくべき項目別の相場です。
① 宿泊費(アルベルゲ・ホテル)

最も値上がり幅が大きいのが宿泊費です。
- 公営アルベルゲ: 以前 6〜8€ → 現在 10€前後
- ガリシア州の公営アルベルゲは一律10€になりました。
- 私営アルベルゲ: 以前 10〜12€ → 現在 15〜20€
- 設備の良い新しいアルベルゲは18€前後が標準です。サンティアゴでは20€以上のアルベルゲもあります。
- オスタル・ペンシオン(個室): 以前 30€〜 → 現在 45€〜60€
- 清掃コストや光熱費の上昇で、個室料金はかなり上がっています。
② 食費(外食・カフェ)

「安くてお腹いっぱい」の代名詞だった巡礼者メニューも、価格改定が進んでいます。
- 巡礼者メニュー(定食): 以前 10€ → 現在 13〜15€
- 内容(前菜・メイン・デザート・ワイン)は変わりませんが、10€で食べられる店はほぼありません。
- 朝食(カフェ): 以前 2.5〜3€ → 現在 4〜5€
- コーヒーとトーストのセットも、地味に値上がりしています。
- スーパーの食材:
- 野菜やパン、水などの価格も上昇していますが、それでも自炊は最強の節約術です。
3. 意外と痛い!見落としがちな「隠れ出費」
予算オーバーの原因になりやすいのが、以下のちりもつもれば的な出費です。
洗濯・乾燥機代(重要!)

手洗い派の人も、雨の日や疲れた日は洗濯機を使いたくなります。
- 洗濯機: 4〜5€(都市や場所によって値段は変わります。)
- 乾燥機: 3〜5€(乾燥の時間、場所によって値段は変わります。)
- 合計:1回 7〜10€(約1,500円!)
- 毎日使うとこれだけで数万円飛びます。粉洗剤を持参して手洗いをするか、仲間とシェアするのが賢い節約術です。
荷物輸送サービス(Mochila-Paq)
「今日は疲れたから荷物を送ろう」という時の救世主。
- 1区間: 5〜7€(距離や業者による)
水代・おやつ代
スペインの水道水は飲めますが、夏場は冷たい水を買いたくなるもの。
- 水(1.5L): スーパーなら0.5€前後ですが、バルや自販機だと1.5〜2€(もしくはそれ以上)します。
4. 期間別の総予算シミュレーション(航空券別)
日本からの航空券(約15〜25万円)を除いた、現地で使うお金の総額イメージです。
ケースA:1週間(実質5日歩き)の場合
- 宿泊費: 20€ × 6泊 = 120€
- 食費: 30€ × 6日 = 180€
- 雑費・予備: 50€
- 合計:約 350€(約 60,000円)
- ※お土産代やサンティアゴでのちょっといい食事代は別途用意しましょう。
ケースB:1ヶ月(フランス人の道・全行程)の場合
- 宿泊費: 15€(平均)× 30泊 = 450€
- 食費: 25€(平均)× 30日 = 750€
- 雑費(洗濯・薬など): 200€
- 合計:約 1,400€(約 240,000円)
- ※アルベルゲをメインに使って食事を料理していく場合ですが、余裕を持って 1,600〜1,800€ 用意しておくと安心です。
【実録】「北の道」巡礼者のリアル出費データ
ここでは、2023年5月〜6月に「北の道」を歩かれた日本人巡礼者(O様)の実際の家計簿データを特別に公開します。
※北の道はフランス人の道より少し宿代が高めですが、インフレが進んだ2026年のフランス人の道を予想する上で、非常に参考になるリアルな数字です。
1ヶ月(約35日間)の現地費用データ
- 1日の平均出費:約 65ユーロ(約 11,000円)
- 内訳イメージ:宿泊 30〜40€ + 食事 25€
- 宿泊スタイルの特徴:
- 基本はアルベルゲ(8€〜15€)を利用。
- 疲れが溜まった日や、宿がない場所ではホテル(30€〜55€)を利用して回復。
- 「無理な連泊はせず、たまに個室でリセットする」のが完歩の秘訣です。
ここに注目!リアルな「物価」の記録
実際の家計簿から、気になる項目の金額を抜粋しました。
- 洗濯代:6.5€ 〜 9.0€
- 洗濯機+乾燥機を使うと、これくらいかかります!
- 夕食代:15€ 〜 30€
- 美食の北スペインだけあって、しっかり食べるとこれくらい。フランス人の道でも、美味しいものを食べれば同じくらいかかります。
- SIMカード:10€
- 通信費は意外と安く抑えられています。
💡 いつこの分析
「1日65ユーロ」というと高く感じるかもしれませんが、これは「たまに個室に泊まり、美味しいものも我慢しない」という大人の巡礼スタイルです。
2026年の計画でも、予備費を含めてこれくらいの予算を見ておけば、現地で我慢することなく、心に余裕を持って歩けます。
とにかく節約する巡礼もありですが、私のブログを見る方は、O様の巡礼スタイルが合う方が多いはず。O様は何度も巡礼を経験しています。もし初めての巡礼の場合、予算もすこし余裕を持っておくというのも大事な点かもしれません。
5. 初心者が装備にかける費用(アンケート結果より)
ここは節約できるポイントです。
以前実施したアンケート(99名回答)によると、装備(ザック・靴・雨具など)にかけた費用は以下の通りでした。
- 1〜3万円: 最も多い層
- 3〜5万円: 機能性を重視した層
全てをモンベルなどの高級ブランドで揃える必要はありません。
最近はワークマンやデカトロン(Decathlon)で、安くて優秀な巡礼グッズが揃います。
まずは手持ちのスポーツウェアを活用し、靴とザックだけはお金をかける、というメリハリが大切です。
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【2026年版】サンティアゴ巡礼の持ち物リスト!「トコジラミ対策」と「1gでも軽くする技術」
6. お金をかけるべきところ、節約すべきところ
限られた予算をどう使うか。ガイドとしての私のアドバイスはこれです。
- 節約していい:
- 朝食: スーパーでパンや果物を買えば1€で済む。
- 水: 空のペットボトルに公共の水飲み場(Fuente)で水を汲む。
- お金をかけていい:
- 靴と靴下: 足のよい状態があって前へ進めます。ここはケチらないで!
- たまの個室泊: 疲れが溜まった時、個室でぐっすり眠ることは最高の投資です。
- 荷物輸送: 体を壊して最悪病院に行くより、5~7€で巡礼を楽しめると思えば安いです。
まとめ:予算には「心の余裕」を含めておこう
今のカミーノは、通常のヨーロッパ観光に比べれば安くても、決して「激安旅行」ではありません。
しかし、自分の足で歩き、仲間と助け合う経験は、お金には代えられない価値があります。
ギリギリの予算でピリピリするよりも、少し余裕を持って、「今日は疲れたからシングルルームでゆっくり休もう!」ぐらいの準備をしてきてくださいね。
もし、「自分に合った予算やプランを詳しく相談したい」という方は、出発前のオンライン相談も受け付けています。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。