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文化・習慣

【2025年版】スペインのクリスマス伝統菓子を解説|在住者が選ぶお土産と美味しい食べ方

2020年12月13日

トゥロンやポルボロンが盛られたテーブルの様子
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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

日本のクリスマスといえば「甘さ控えめのショートケーキ」ですが、スペインでは全く違います。 今年は10月頃から、スーパーマーケットの棚は「トゥロン」「ポルボロン」「マサパン」といった伝統菓子が置かれてちょっとびっくりしました。

ただ、正直に申し上げますと、スペインの伝統菓子は日本人にとっては「かなり甘い」です。 大きなサイズを買ってしまうと、「甘すぎて食べきれない…」と持て余してしまうことも。

この記事では、スペイン在住ガイドが、日本人の口に合いやすい選び方や、ばらまき土産に便利な「一口サイズ」の探し方など、失敗しないクリスマス菓子の楽しみ方を解説します。 

トゥロン(Turrón)|お土産には「ミニサイズ」が正解

2種類のトゥロン

最も代表的なクリスマス菓子。アーモンドと蜂蜜、卵白で作られたヌガーです。 伝統的なものは「アリカンテ(硬い)」と「ヒホン(柔らかい)」の2種類ですが、どちらも非常に甘く、板チョコのような大きなサイズで売られています。

日本人へのおすすめは「Bolsa Surtida(詰め合わせ)」

40代〜60代の方へのお土産や、自分用のお茶請けなら、大きな板を買うよりもスーパー(Mercadonaなど)で売っている「一口サイズの詰め合わせ袋」が断然おすすめです。

  • メリット: 個包装なので配りやすい。
  • 楽しめる: ハード、ソフト、チョコ味などがミックスされているので、少しずつ味見ができる。
  • 食べきれる: 「甘っ!」となっても、一口サイズなら美味しく完結します(笑)。

味が心配なら「チョコ系」を

「伝統的なアーモンド味は甘すぎるかも…」という方は、「Turrón de Chocolate(チョコ味)」「Yema(焼き菓子風)」などの変わり種を選ぶと、日本人の口にも合いやすいですよ。


ポルボロン(Polvorón)|個包装で配りやすい

ポルボロン

口に入れるとホロホロと崩れる、アンダルシア地方発祥のクッキーです。 「口の中で溶けてなくなる前に『ポルボロン』と3回唱えられたら幸せになれる」という言い伝えもあるようですが、現地では普通にパクっと食べてしまうことの方が多いですね(笑)。

食べ方の儀式

非常に崩れやすいため、個包装されているものを、食べる前に手でギュッと握って固めてから開けるのがスペイン流です。

お土産としての評価:◎

個包装: 職場や友人へのばらまき土産に最適です。

種類: レモン味やシナモン味などバリエーションも豊富。スーパーの量り売りで少しずつ買うのも楽しいですよ。

 

マサパン(Mazapán)|トレドの銘菓を少しだけ

Mazapan

アーモンドと砂糖を練り上げた、和菓子(練り切り)のようなしっとりしたお菓子です。 古都トレド(Toledo)の名物としても知られています。

動物や果物の形をした可愛らしいものが多く、味は非常に濃厚で甘めです。 たくさん買うというよりは、**「小さな箱入り」「可愛い形のものを数個」**買って、濃いめのブラックコーヒーや渋いお茶と一緒に、ちびちび楽しむのがおすすめです。

トレドの名物料理とは?おすすめのレストランやバルはどこ?

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4. ロスコン・デ・レイジェス(Roscón de Reyes)|現地で楽しむ生菓子

これはお土産ではなく、「現地滞在中に体験してほしい」生菓子です。 1月6日(東方三賢人の日)の朝食に食べる、リング状のブリオッシュパン。ドライフルーツで飾られています。

本来は1月6日のものですが、最近は12月中旬頃からスーパーやパン屋さんに並び始めます。 クリスマス時期に旅行される方は、ぜひハーフサイズなどを買って、ホテルで朝食やおやつに食べてみてください。

運試しのルール

パンの中には「陶器の人形」「そら豆」が隠されています。

  • 人形が当たった人: その日の「王様」。王冠をかぶって祝福されます。
  • そら豆が当たった人: ハズレ。来年のロスコン代を支払わなければなりません。我が家は、娘がそら豆をここ数年連続であてているのでロスコン代は相変わらず私が出して終わりです(笑)。

5. 日本のケーキはないの?スペインのクリスマス事情

「スペインにはクリスマスケーキはないの?」とよく聞かれますが、日本のような「スポンジに生クリームのケーキ」を食べる習慣は基本的にありません。

その代わり、イブのディナーの後は、大皿に盛ったトゥロンやポルボロン、ドライフルーツやナッツを家族みんなでつまみながら、カバ(スパークリングワイン)で乾杯するのが定番です。


まとめ:スペインの「甘さ」を賢く楽しもう

スペインのクリスマス菓子は、日本のスイーツとは異なる「ガツンとした甘さ」が特徴です。

  • ばらまき土産なら 👉 スーパーの「トゥロン一口サイズ詰め合わせ」や「ポルボロン」
  • 現地で食べるなら 👉 運試しの「ロスコン・デ・レイジェス」

甘いものが苦手な方は無理にたくさん買わず、スーパーで小さなパックを探して、現地の食文化として少しだけ味わってみるのがおすすめです。

甘いものを確保したら、次はクリスマスの過ごし方をチェック! レストランの営業状況や、1月5日のパレード情報は、こちらのまとめ記事で確認できます。

スペインの長いクリスマスのアイキャッチ画像
【2025-2026年版】スペインのクリスマスはいつまで?過ごし方や伝統菓子、宝くじまで完全ガイド

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

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多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

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