「いつかはサンティアゴ巡礼を歩いてみたい。でも、1ヶ月も休みを取るのは現実的に難しい……」
そんな日本の皆様に、現地の公認ガイドである私が今おすすめしたい選択肢があります。
それが、5日間で完歩できる「ムロス〜ノイアの道(Camino de Muros Noia)」です。
日本からの往復移動(約3〜4日)を含めても、トータルで「10日間〜12日間」の休暇があれば、憧れのサンティアゴ大聖堂へ自分の足で辿り着くことができます。
なぜ、今このルートなのか?
- 驚異の成長率: 2025年の最新統計では利用者数が前年比55.01%増!徐々に認知度が上がっているルートです。
- 歴史の裏付け: 15世紀のヴェネツィア商人ピエトロ・ケリーニも歩いた、ロマン溢れる歴史の道です。
- 2026年最新情報: 今春ノイアに待望の公営アルベルゲがオープン!
2020年認定の新公式ルート「ムロス〜ノイアの道」とは?
「新しい道だけど、ちゃんと証明書はもらえるの?」という不安を解消するために、このルートの成り立ちと特徴を解説します。
サンティアゴ大聖堂が認定した「公式巡礼路」
このルートは、2020年にサンティアゴ大聖堂によって正式に公式巡礼路として認定されました。
規定の条件を満たして完歩すれば、大聖堂の巡礼者事務所で公式の巡礼証明書(コンポステーラ)を正当に受け取ることができます。
2地点から合流する珍しい「Y字型」ルート

このルートの構造は非常にユニークです。ムロス(Muros)とポルト・ド・ソン(Porto do Son)という2つの起点が、歴史的な街ノイア(Noia)で一つに重なり、サンティアゴを目指します。
アルファベットの「Y」のような形を描き、ノイアがそのハブとなる構成です。
800年の歴史が息づく「海の玄関口」
新しい道といっても、その歴史は12世紀まで遡る由緒ある巡礼路です。
- 十字軍の足跡: 1149年、170隻以上の船がノイアに寄港し、騎士たちが聖ヤコブに加護を求めてこの道を歩きました。
- 海の玄関口: かつては「イギリス人の道」の重要なサブルートであり、北欧やイギリスからの巡礼者が海を渡って辿り着いた歴史あるルートです。
- 国王の保護: 16世紀には国王カルロス1世が「400年以上続くこの歴史的な道を歩く巡礼者から税を取るな」と命じた記録も残っています。
このように、中世の旅人と同じ景色を辿れるのが、このルートの隠れた醍醐味なのです。
進化中のルートゆえの「不便さ」と、それを超える魅力
2020年に認定されたばかりのこのルートは、現在まさに「成長痛」の最中にあります。歩き出す前に、まず知っておいていただきたい「現状」があります。
1. 知っておくべき「不便さ」:標識と宿のリアル
- 標識の現状: 他のメジャーなルートにある立派な石の標識(モホン)は、まだほとんど設置されていません。頼りになるのは、有志の手でこまめに塗られた「黄色い矢印」のみです。
- 宿泊インフラ: 2026年春にノイアに公営アルベルゲが誕生しますが、全体としてはまだ民間施設が中心。そのため、「とにかく安く、10ユーロの巡礼宿(アルベルゲ)だけを繋いで歩く」というスタイルを希望される方には、正直なところ向きません。
2. だからこそ提案したい「大人の巡礼スタイル」
このルートは、予算を切り詰める旅よりも、「限られた時間で、どれだけ豊かな経験ができるか」を重視する方にこそ最適です。 もともとガリシアのバケーション地を通るため、美しいビーチ沿いのホテルなどがあります。アルベルゲに縛られず、質の高いペンションやホテルを組み合わせることで、この道のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
3. それでもこの道を選ぶべき「3つの魅力」
不便さを補って余りある、この道の魅力があります。

- 誰にも邪魔されない「静寂」: 混雑とは無縁の道。波の音を聴きながら自分と向き合う、本当の贅沢が残っています。
- 圧倒的な「海の景色」: どのルートも最後の100㎞でこれほど長く海を眺められるルートは他にありません。特にポルト・ド・ソン出発時の解放感は、筆舌に尽くしがたいものです。
- 「夏巡礼」の隠れた最適解: 海風が吹き抜けるため、8月に歩いたのに思ったよりも快適でした。真夏のカミーノのオプションに。
【ガイドのアドバイス】日本からの長旅を癒やす「+1日」のゆとり
日本からガリシアへ到着した直後は、時差ボケや移動の疲れがあるものです。5日間の巡礼を最高のコンディションで楽しむために、私はどこかで「1日ゆっくり過ごす日」を作るプランをおすすめしています。
- 出発地のムロス(Muros)で休む: 夏なら港から出る船のサンセットツアーに参加して、海からガリシアを眺める贅沢な時間を。
- 拠点のノイア(Noia)で休む: 「小コンポステーラ」と呼ばれる街並みを、歩く足を止めてじっくり味わう。
無理のないスケジュールを組むことが、完歩への一番の近道です。
【全5日間】モデルコースの詳細
【1日目】ムロス 〜 O Cruceiro de Roo(23km)

サンティアゴからバスで1時間ほどの場所にある出発地点の港町ムロスを目指します。
- 歴史: ヴェネツィア商人ピエトロ・ケリーニも辿ったと言われるロマン溢れる道。
- ハイライト: サン・ペドロ教会には、聖水盤の中でとぐろを巻いているヘビが!なぜ、聖水盤にヘビがいるのか?港町に作られた教会ならではの見所ポイントもあり、是非見学してほしい教会です。
- 宿泊情報: 初日は23㎞と長めです。移動の疲れをいやすため、出発前夜はムロスでの宿泊がおすすめ。

【2日目】O Cruceiro de Roo 〜 Noia(18.7km)
少し距離が短くなる安心の2日目。
- ハイライト:ノイアの聖マルティーニョ教会やポンテナフォンソの中世橋
- 最新情報: 2026年春、公営アルベルゲ「Portus Apostoli」がオープンする予定です。これにより宿泊の選択肢は増えますが、ルート全体のアルベルゲ不足が完全に解消されるわけではありません。
- 聖年2027年に向けて現在進行形で変化している道ですので、常に最新の状況を確認しながら歩くことが大切です。
【3日目】Porto do Son 〜 Noia(16.4km)

「Y字」を体感する日。一度ノイアに着いた後、バスでポルト・ド・ソンへ移動して再びノイアを目指します。
- ハイライト: 教会から見渡す、吸い込まれるようなガリシアの青い海。
【4日目】Noia 〜 Urdilde(19.2km)
海に別れを告げ、神秘的な森の中へと進むドラマチックな1日。
- ハイライト: 滝の音と修道院跡が放つ癒やしの聖域、トショソウトス(Toxosoutos)。
【5日目】Urdilde 〜 Santiago de Compostela(約14km)
ついに、聖ヤコブの待つ場所へ。
- ハイライト: 大聖堂の尖塔が見えた瞬間の感動。
あなただけの「特別な5日間」を、プロの知恵とともに
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
地元の人たちの熱意により2020年にサンティアゴ大聖堂から認定を受けた「ムロス〜ノイアの道」。
2026年春には待望の公営アルベルゲがオープン予定ですが、インフラはまだ発展途上であり、聖年2027年に向けて日々変化し続けている「進化中のルート」です。
「限られた休暇を、単なる移動ではなく『人生の特別な体験』に変えたい」 「でも、標識や最新の宿の状況には不安がある……」
そんなあなたのために、私は現地の公認ガイドとして『日本語・遠隔コンサルティング & オーディオガイド』を提供しています。
ガイドの声をお守りして歩く
- 最新情報の提供: 私がこれから実際に歩き直して収集する、最新の宿・バス・ルート状況を反映。
- 歴史の深掘り: ピエトロ・ケリーニの足跡や教会の謎など、歩くだけでは気づけない物語を音声でお届け。
- 「大人の旅」をプランニング: 日本からの長旅を考慮した休息日や、クルーズ船の予約、質の高い宿選びまで。
「10日間の休みを、最高の感動で満たしたい」 その想いを、現地ガイドが全力でサポートします。
まずは、あなたのご希望や不安を、私に聞かせてください。一緒に、あなただけの完璧な巡礼計画を立てましょう。
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最後までお読み下さりありがとうござました。