この記事では、スペイン格安高速列車『AVLO(アブロ)』について紹介します。
AVLOとはローコスト高速列車を意味するAlta Velocidad Low Costの略。
EUの鉄道路線開放計画による自由化でイタリアやフランスの企業が参入したため、RENFE(スペイン国鉄)は激しい競争に勝つため品質向上とコスト削減を進めるために2021年にAVLOを投入しました。
マドリード~バルセロナ間から始まり運行路線は増え、マドリード~ガリシア路線が開始されたのは2024年7月です。
今年8月にサンティアゴからマドリードまでの移動で初めてAVLOを利用したのですが、なんと料金は7€‼
家族4人でも28€…あまりの安さに感動しました。
しかし、ここまで読んできてあなたはこんなことを考えているかもしれません。
- AVLOはなんでそんなに安いの?
- いつも7€で買えるの?
- AVEとAVLOの違いは?
- 安いけど、その代わり色々条件があるはずだ…
本文では、上にあげたポイントの答えの他に、8~10月の間で2回AVLOに乗った私の体験談をシェアします。
スペイン旅行中にAVLOに乗ってお得い移動してみたい方は是非最後までお読みください。
AVLOの最安値は7€‼ 安さの理由は?
2024年8月家族4人の旅行でサンティアゴ~マドリードを列車で往復しました。
往路サンティアゴ→マドリードは7€のAVLOに対し、復路マドリード→サンティアゴの区間はAVEを利用しました。
25€とAVEにしては高くない料金でしたが、AVLOの安さにはかないません。
実際、サンティアゴ・デ・コンポステーラ~マドリード間で所要時間にどのくらい差があったかというと…
AVEの3時間に対し、AVLOは3時間26分。
26分の時間差はやっぱり大きいと考えるか、このぐらいなら大丈夫と意見が分かれるかもしれません。
列車でマドリード~ガリシア間を3時間台で移動出来ること自体が昔と比べて大きな前進です。
新しい車両・早い・安い(7€)と3拍子揃ったAVLOで全く問題ない!というのが私の正直な感想でした。
いずれにしても、AVLOの料金が安いのは1日に1本と少ない点にあるでしょう。(路線によっては違うかもしれません。各自ご確認下さい。)
また、最安値7€から購入できる点も注意です。いつも7€で買えるわけではありません。
料金は変動しますので、移動日の直前に予約すればAVEより安いとしても50€ぐらい支払うこともあります。
私の場合、夏のチケット販売解禁のニュースを読んですぐにレンフェのサイトでチケットを予約したから7€で購入できました。
なるべく早めに料金をチェックしてタイミングが合えばすぐ購入がおすすめですが、安いからにはそれなりの条件があります。
AVLOとAVEのチケットやサービスの違いは何か?AVLOで旅行する際の注意点を順番に見ていきます。
AVEとAVLOのチケットやサービス違いは何?
チケットの種類と条件
現在、RENFEのチケットでは次のタイプがあります。
- BASICO(バシコ)
- ELIGE ESTÁNDAR(エリへ・エスタンダル)
- ELIGE CONFORT(エリへ・コンフォルト)
- PREMIUM(プレミアム)
エリへ・エスタンダルとエリへ・コンフォルトの違いは、座席のサイズ。
エスタンダルは幅460㎜の座席に対し、コンフォルトを選ぶと幅500㎜と大きめの椅子に座れます。
座席前後の幅もコンフォルトの方が広めになっています。
その他にも、エリへ・エスタンダルとエリへ・コンフォルトのチケットでは…
- 最初の変更は無料
- キャンセルの場合でも70%返金
- 20€でチケット利用者の変更が可能
- 乗り遅れた場合も次の列車の30%を払って乗車が可能
というメリットがあります。
しかし、AVLOのチケットはBasicの1種類のみ。
時間変更やキャンセルは不可となります。
注意
大きい荷物の持ち込みは追加料金
- 27 x 36 x 25 cm以内の手荷物やリュック
- 55 x 35 x 25 cm以内のスーツケース
2個まで無料、かつ重量の制限はありませんが‥‥
大きなスーツケース(85✕60✕35)をお持ちの場合は下記の追加料金がかかります。
- 予約時に10€
- 購入後オンラインでの追加は15€
- 駅構内及び出発30分前以降の追加は30€となります。
(AVLOのチケットの記載内容、2024年10月確認)
座席指定も有料
予約時に8€の追加料金を払うと座席指定ができます。
カフェテリアの有無
AVLOの車両内には、冷たい飲み物、スナックの自動販売機があります。
スナックは2,6€、コーラは2,5€とかなり強気な価格設定ですので、乗車前に何か買っておくといいでしょう。
AVEもスナックや飲料の料金は安くないと思いますが、カフェテリアや車内販売サービスがあり、暖かい飲み物や食べ物を買えます。
飲食できるスペースもAVLOよりも広めに設定されています。
AVLOに乗ってみての感想とAVLOのサービスまとめ
新しく清潔な車両内の座席は通路を挟んで2列-3列となっています。
AVEは【2列-2列】か【2列-1列】になっているのでAVLOは座席は少し狭さを感じるでしょう。
リクライニングできないのも気になりましたが、3時間でガリシアに着けるからまぁいいかという感じでした。
各座席にはコンセントやUSBの差し込み口があり、携帯電話・PC・タブレットの充電ができます。
そして、AVLOでも無料WIFIにアクセスできます!
私はYoutubeを見ていましたが、PlayRenfeと呼ばれるプラットフォームで何百時間ものコンテンツにアクセスすることが可能だそうです。
それでは、スペインのローコースト高速列車AVLOのポイントをここでまとめてみます。
- AVLOはRENFEが2021年に投入したローコストの高速列車。
- ガリシア~マドリード路線のAVLO運行は2024年7月に開始。
- AVEと比べて最高時速や所用時間の差は大きくないが、AVLOは本数が少ないので安い。
- AVLOのチケットは、最安値7€から購入。
- AVLOのチケットはBASICOのみで変更やキャンセル不可。
- 荷物は2個口まで無料だが大きい荷物の持ち込みは追加料金。
- カフェテリアがなく自動販売機のみ。
- AVLOでも無料WIFIのアクセス可能。
- AVLOの座席はリクライニングができない&ちょっと狭い
最後に、ここ1年ぐらい国内移動で列車や飛行機のチケットを調べながら感じていることを書いておきます。
列車と飛行機どっちが安い?
あくまでもガリシアに住む私の個人的な意見ですが、マドリード行の長距離列車を検索して料金の高さにびっくりすることがあります。
同じタイミングで調べた飛行機の料金の方が安かったりもします。
飛行機よりも列車の旅が好きとか、荷物の事を考えると列車の方がいいとか旅のスタイルは人それぞれですが…
ひと昔前のように、国内移動は列車とバスがおすすめとは状況が変わっている気がします。
スペイン各地からガリシアへの空の移動は、ライアンエアーやブエリング、イベリア航空が飛んでいます。
各会社に関する記事はとても良く読まれておりますので、是非合わせて読んで参考にして下さい。
スペイン国内の移動はさくっと飛行機で!
最後まで読んで頂きありがとうございました。