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文化・習慣

【2025年版】スペインのクリスマス宝くじ「エル・ゴルド」の仕組みと賞金|旅行者も買える?

2020年12月5日

スペインのクリスマス宝くじを買い求める人の行列と宝くじを持つ人の手
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いつこ

ガリシア州公認観光ガイド。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学観光マネジメント修士課程修了。留学生サポート業務(約4年)や、巡礼専門旅行会社での勤務経験を活かし、現地目線で役立つ情報を発信中。まだあまり知られていない本当のサンティアゴとガリシアの魅力を、日本語で丁寧にお届けしています。

「スペイン人は、クリスマスプレゼントよりも宝くじに夢中になる」

という言葉は決して大げさではありません。

毎年12月22日に抽選が行われる「Lotería de Navidad(クリスマス宝くじ)」

1等の賞金総額は世界最大級と言われ、国民の約75%が購入する一大イベントです。

この記事では、現地在住ガイドの私が、独特すぎる「歌う抽選会」の仕組みから、「20ユーロでいくら当たるの?(2025年最新レート)」、そして旅行者が購入する際の注意点までを分かりやすく解説します。

1. クリスマス宝くじ(Lotería de Navidad)とは?

12月22日は「夢の日」

毎年12月22日の朝9時、スペイン中のテレビとラジオが抽選会の生中継を始めます。

会場のマドリード「テアトロ・レアル」には巨大な2つのカゴ(Bombo)が設置され、そこからボールが落ちてくるのですが……その発表方法がユニークなんです。

マドリードのサン・イルデフォンソ学校の生徒たちが、「〇〇番〜♪」「400万ユーロ〜♪」と独特の節回しで歌い上げる姿

マドリードのサン・イルデフォンソ学校の生徒たちが、「〇〇番〜♪」「400万ユーロ〜♪」と独特の節回しで歌い上げます。

この歌声が街中に響き渡ると、「ああ、クリスマスが始まったな」と誰もが感じるのです。

子供たちの学校の休みも始まり、私は地元のバルでチュロスを食べながらテレビを見る時間がクリスマスを感じる最初の瞬間です。

「シェアする」のがスペイン流

この宝くじの最大の特徴は、「みんなで買って、みんなで当たる」こと。

1等の番号が1つ出ると、同じ番号を持っている何百人、何千人もの人が同時に当選し、地域全体がお祭り騒ぎになります。

家族、会社の同僚、行きつけのバルの常連客同士で同じ番号を買い、「当たったらみんなで山分けだね!」と語り合うのがスペインのクリスマスの風物詩です。


2. 仕組みを解説!「デシモ」って何?

「宝くじ1枚200ユーロ(約3万2000円)」と聞くと驚きますよね?

でも安心してください。実際に私たちが買うのは、それを10分割した**「Décimo(デシモ)」**という券です。

  • Billete(ビジェテ): 1枚のフルサイズ券。200ユーロ。
  • Décimo(デシモ): 1/10サイズ券。20ユーロ(約3,400〜3,600円)

ほとんどの人は、この「デシモ(20ユーロ)」を宝くじ売り場やバルで購入します。

つまり、20ユーロで夢に参加できるわけです。


3. 【2025年最新】1等はいくら当たる?賞金一覧

では、もし1等(El Gordo)が当たったら、いくらもらえるのでしょうか?

昨今の円安傾向(1€=170〜180円)をふまえ、1ユーロ=170円の目安で計算してみましょう。

デシモ(20ユーロ券)1枚あたりの当選金額

等級通称賞金(ユーロ)賞金(日本円目安)
1等El Gordo400,000 €約 6,800万円
2等Segundo125,000 €約 2,125万円
3等Tercero50,000 €約 850万円
4等Cuarto20,000 €約 340万円
5等Quinto6,000 €約 102万円
末等Pedrea100 €約 17,000円

※日本円は1€=170円で計算した場合の目安です。為替レートにより変動します。

※賞金が4万ユーロを超える場合、20%の税金が差し引かれます。

「たった20ユーロ(約3,400円)が、6,800万円に!?」

夢がありますよね。これがスペイン人が熱狂する理由です。

4. 旅行者も買える?買い方と換金方法

もちろん、旅行者でも購入可能です。

クリスマスの時期にスペインを訪れるなら、お土産話に1枚買ってみてはいかがでしょうか?

どこで買える?

  • 宝くじ売り場(Loterías y Apuestas del Estado): 青い看板が目印。
  • 街角のバルやレストラン: 窓に「この番号あります」と貼り出されています。
  • 路上販売: 公認の販売員が歩いていることも。

💡 有名店「Doña Manolita」

マドリードにある「ドニャ・マノリータ」は、過去に何度も1等を出している伝説の売り場。

毎年ものすごい行列ができますが、並んで買うのも旅の思い出になります。

もし当たったら?換金期限に注意!

  • 少額(2000ユーロ以下): 街中の宝くじ売り場で換金可能。
  • 高額(2000ユーロ以上): 指定の銀行で手続きが必要。
  • 期限: 抽選日の翌日から3ヶ月以内(3月22日まで)

※日本に帰国してから当選に気づいた場合、換金のためにスペインに戻るか、現地の友人に頼む必要があります(郵送での換金はできません)。

「当たったらまたスペインに来る口実ができる!」と考えて買うのも楽しいですね。


5. ラッキーナンバーはある?よく当たる地域

「どこで買うか」「何番を買うか」は永遠のテーマです。

1等が多く出ている都市(累計)

  1. マドリード
  2. バルセロナ
  3. バレンシア

よく出る末尾の数字

統計データによると、1等の末尾で最も多いのは**「5」**。次いで「4」や「6」も人気です。

逆に「1」は出現率が低いと言われていますが……あくまで統計です。直感を信じましょう!


まとめ:12月22日はスペインの夢の日

毎年12月22日、スペインのクリスマス宝くじは、多くの人に富と話題を提供します。

たとえ当たらなくても、「健康が一番の宝物だね(Salud)」と笑い合って、本格的なクリスマス休暇へと突入していくのです。

宝くじが終われば、次はクリスマスイブ、そして年越しです。

スペイン流の楽しい過ごし方は、こちらの記事で予習してください!

スペインの長いクリスマスのアイキャッチ画像
【2025-2026年版】スペインのクリスマスはいつまで?過ごし方や伝統菓子、宝くじまで完全ガイド

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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