この記事では、スペインのクリスマスに行われる宝くじについて紹介します。
クリスマスの宝くじは、ロテリア・デ・ナビダ(Loteria de Navidad)と呼ばれ、毎年12月22日に抽選が行われます。
宝くじ抽選日の少し前、義理の父と旧市街を歩いていると…
と、近くにある宝くじ販売店へ入っていきました。
それを見ながら…
と気づいたので、この機会に調べてみました。
本文では、次の2点について説明します。
- スペインのクリスマス宝くじの仕組み
- 宝くじの賞金
興味のある方は、是非最後までおつきあいください。
クリスマスの宝くじ抽選方法は?
スペインのクリスマス宝くじ「ロテリア・デ・ナビダ(Lotería de Navidad)」。
毎年、夏ごろ(2017年は7月11日から)から販売され、当選番号の公開抽選会は12月22日の朝9時から開始します。
抽選会場には、ボンボ(bombo)と呼ばれる大小の抽選かごが設置され…
- 小さいかごには、賞金が書かれたの1807個のボール
- 大きいかごには、5桁の数字が書かれた10万個のボール
が入っています。
抽選方法は、2つのかごを同時に回し、各かごから出できたボールに表示されている当選番号と賞金額を読み上げます。
ボールの数字を読み上げるのは、マドリードのサン・イルデフォンソ学校の生徒たち。
番号と賞金額を歌うように読み上げ、一度聞くと結構耳に残ります。
下の動画で、是非チェックして下さいね。
この抽選方法では、1等がいつ出てくるのかわかりません。
朝9時のスタートからテレビやラジオを通じて多くのスペイン人が抽選会の動きに注目します。
宝くじの仕組みは?
くじの番号は、00000から99999まで10万個あり、各番号は毎年決められたserie(組)の分だけ発行されます。
2016年は1つの番号で165枚、2017年は各番号で170枚が印刷されました。
本文の冒頭で、義理の父親が言ったデシモ(décimo)とは、10分の1を意味する単語です。
宝くじ1枚の値段は200€と高いので、一般の人は10分割した10分の1券(デシモ)を宝くじ店やバルなどで購入します。
1つの番号で170枚印刷し、10分割したデシモを買う人が出てくるので、多くの当選者を生み、賞金を分け合うという状況が生まれます。
バルだけでなく、会社で1つの番号の宝くじを買い、会社の仲間同士でも購入します。
スペイン全人口の75%がこのクリスマス宝くじを購入し、1人あたり約70€出費することから国民行事と言われるのがお分かりいただけるかと思います。
当せん金や本数は?1等の賞金は?
一等は、通称「エル・ゴルド」と呼ばれ、賞金は4,000,000€です。
日本円に換算すると約5億(504,870,720円)(1€=126.217円、2020年12月5日時点)
下のグラフで宝くじの等級、賞金と本数を紹介します。
等級 | 当選賞金 | 本数 |
---|---|---|
1等(El gordo) | 4.000.000€ | 1本 |
2等 | 1.250.000€ | 1本 |
3等 | 500.000€ | 1本 |
4等 | 200.000€ | 2本 |
5等 | 60.000€ | 8本 |
6等(La pedrea) | 1.000€ | 1794本 |
1等の前後賞 | 20.000€ | 2本 |
2等の前後賞 | 12.500€ | 2本 |
3等の前後賞 | 9600€ | 2本 |
1等当選番号と最初の3桁が一致 | 1000€ | 99本 |
2等当選番号と最初の3桁が一致 | 1000€ | 99本 |
3等当選番号と最初の3桁が一致 | 1000€ | 99本 |
4等当選番号と最初の3桁が一致 | 1000€ | 198本 |
1等当選番号と最後の2桁が一致 | 1000€ | 999本 |
2等当選番号と最後の2桁が一致 | 1000€ | 999本 |
3等当選番号と最後の2桁が一致 | 1000€ | 999本 |
Reintegro (1等と最後の1桁が一致) | 200€ | 9.999本 |
よく当たる場所やその逆は?
日本でも「よく当たる店」で買いたいと人が多いと思いますが、1等の宝くじが最も多く出ている都市は次の通りです。
- マドリード(90回)
- バルセロナ(57回)
- バレンシア(25回)
- アリカンテ(20回)
逆に、まだ一度もゴルドが当たっていない場所もあり、アビラ、セウタ、メリージャ、タラゴナ、サモーラです。
ラッキー番号ってあるの?
- 15.640: 1956年と1978年に1等
- 20.297: 1903年と2006年に1等
と、1等に2回当選した番号が存在します。
他にも、最も良く出る末尾として、5が32回、85が7回というデータもあります。
宝くじを買うときに参考にされてはどうでしょうか?^^
宝くじの歴史で興味深い情報は?
初めてクリスマスの宝くじが行われたのは1812年ですが、公式にロテリア・デ・ラ・ナビダの名前が採用されたのは1892年。
1897年から宝くじにLoteria de la Navidadの名前が印刷されるようになりました。
1938年、内戦中のスペインで、共和国派とナショナリスト派が独自の宝くじを開催し、バルセロナとブルゴスで2回行われました。
2002年のユーロ導入で、抽選会で賞金額をペセタで歌っていたのかユーロに変わりました。
2004年の公開抽選会で、開始から13分で1等の賞金が確定した最短記録だそうです。
まとめ
- 毎年12月22日はスペインのクリスマスの宝くじ「ロテリア・デ・ラ・ナビダ(Loteria de Navidad)」の抽選日
- 等級が書かれたボールとくじ番号が書かれたボールを入れた籠を回し、出てきたボールの組み合わせで当選番号と賞金がわかる。
- 宝くじを10分割した「10分の1券」をデシモと呼ぶ。
- 宝くじの仕組み上、当選すると賞金を多くの人と分け合う形になる。
- 1等はエル・ゴルドと呼ばれ、賞金は400万€。
クリスマス宝くじですが、12月22日の次に1月6日のレイジェスの日に「ロテリア・デル・ニニョ(Lotería del niño)」という別の宝くじがあります。
niñoの方が当たりやすいという情報もありますが実際はどうなんでしょうか・・。
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