バルセロナは見どころの宝庫。
サグラダ・ファミリアの圧倒的な迫力、ゴシック地区の迷路のような路地、そして地中海の風。 街を歩いているだけで、胸が高鳴る瞬間が何度もあります。
でも、空港に降り立った瞬間に少し不安になるのが「移動手段」ではないでしょうか?
「切符の種類が多すぎて分からない」 「地下鉄はスリが多いって聞くけど本当?」 「空港から市内へ、一番安く行く方法は?」
スペイン在住の私も、久しぶりにバルセロナへ行く時は「今の最適解はどれ?」と必ず調べ直します。大きな街では交通のオプションが豊富なのはいいですが、ルールも頻繁に変わったります。
特にここ最近、バルセロナの交通システムは「磁気切符」から「タッチ決済(T-mobilitat)」へと進化しています。
この記事では、2025年現在の最新情報(TMB・ATM公式)をもとに、観光客が本当に使うべき切符とルートだけを、現地目線で分かりやすく解説します。
複雑な路線図とにらめっこするのは終わりにして、バルセロナの街歩きをスマートに楽しみましょう!
バルセロナ市内の公共交通や空港アクセスはこちらの記事で詳しくまとめています
👉【2025年最新】バルセロナの地下鉄・バス・切符ガイド
結論:観光に使う切符は「この2つ」だけでいい
バルセロナの交通機関(地下鉄・バス・トラム・近郊線)は、すべて共通のチケットシステムで動いています。 券売機の前で迷わないために、まずは「自分の旅のスタイル」に合わせて、次の2択から選んでください。
① 9割の人におすすめ!コスパ最強の回数券「T-casual」
ほとんどの観光客にとって、これが正解です。
- 概要: 1ゾーン内を10回利用できる回数券。
- 特徴: 1人1枚が必要です(以前のT-10のように、複数人で1枚を使い回すことはできません)。
- メリット: 1回あたりの運賃が通常のシングルチケットより圧倒的に安くなります。
- 向いている人:
- 1日に3〜4回くらい地下鉄やバスに乗る人。
- ゴシック地区など、徒歩観光も楽しみたい人。
- 【重要】空港から国鉄Renfe(R2線)で市内へ安く移動したい人。
② 弾丸旅行・移動重視なら「Hola Barcelona」
何も考えずに乗りまくりたい派はこちら。
- 概要: 48時間〜120時間の乗り放題パス(トラベルカード)。
- 特徴: 地下鉄の**空港線(L9 Sud)**も追加料金なしで乗れます。
- 向いている人:
- 1泊2日などで、とにかく時間を惜しんで名所を回りたい人。
- いちいち「あと何回残ってる?」と気にするのが面倒な人。
【超重要】2025年の常識!切符は「差し込み」から「タッチ」へ
「バルセロナの地下鉄といえば、薄い紙の切符を改札に入れて、ジジジ…と出てくるのを取る」 そんなイメージをお持ちの方は、アップデートが必要です。
現在、バルセロナの主要な切符(T-casual等)は、「T-mobilitat(T-モビリタット)」というシステムに対応した非接触式になっています。
👇 ここが変わりました
- 見た目は「厚紙」 券売機で買うと、少し厚手の紙のカードが出てきます。見た目は紙ですが、中にチップが埋め込まれています。
- 改札は「ピッ!」とかざすだけ SuicaやPASMOのように、改札機の上部にある読み取り機(Wi-Fiのようなマーク)にタッチします。スロットに差し込む必要はありません。
- 捨てないで!チャージできます 10回分使い切っても、カードを捨てないでください。券売機に乗せて**「チャージ(Recarga)」**することで、繰り返し使えます。
⚠️ 注意点 最初に購入する際、カード代として 約0.50ユーロ が加算される場合があります。これは「カード本体のデポジット」のようなものです。
バルセロナ空港から市内へ:4つの方法を徹底比較
空港(エル・プラット空港)に着いたら、まずはホテルへ。 「荷物の多さ」と「予算」で、ベストな移動手段は変わります。
A. 【楽さNo.1】Aerobús(空港バス)

スーツケースがあるなら、迷わずこれを選んでください。最もストレスがありません。
- ルート: 第1・第2ターミナル ⇔ カタルーニャ広場(市内中心部)
- 料金: 片道 約7〜8ユーロ
- 特徴: 荷物置き場があり、座って確実に市内へ行けます。地下鉄のようなスリの心配も少なく、Wi-Fiも完備。
- チケット: バスのりばの券売機か、運転手から直接購入(コンタクトレス決済可)。
B. 【最安の裏ワザ】近郊鉄道 Renfe(R2 Nord線)
「とにかく安く済ませたい!」という旅慣れた方向けのルートです。
- ルート: 第2ターミナル ⇔ サンツ駅 / パセジ・ダ・グラシア駅
- 料金: T-casual(10回券)が使えます!(つまり実質1回分約1.2ユーロ)
- 注意点:
- 第1ターミナル到着の場合、無料シャトルバスで第2ターミナルへ移動する必要があります。
- 本数が30分に1本程度と少なめです。
- ここが重要: 空港では「Metro(地下鉄)」の改札ではなく、「Renfe(国鉄)」の入り口に向かってください。
C. 【便利だが高い】地下鉄(L9 Sud)
展示会場(Fira)方面へ行く方には便利ですが、カタルーニャ広場などの中心部へは乗り換えが必要です。
- ルート: 第1・第2ターミナル発
- 料金: 片道5.15ユーロ(Airport Ticketが必要)。
- 注意点: T-casualは使えません。(Hola Barcelonaなら利用可)
D. タクシー / Uber / FreeNow
- 料金: 市内まで35〜40ユーロ前後(目安)。
- 特徴: 深夜到着や、ホテルが駅から遠い場合は安全をお金で買いましょう。黒と黄色の車体が公式タクシーです。
失敗しない!券売機での切符の買い方

地下鉄駅にある赤い券売機。画面が大きくて威圧感がありますが、操作はシンプルです。
- 言語選択: 画面下の国旗マークからイギリス国旗(英語)をタッチ。
- チケット選択:
- 10回券なら 「T-casual」 を選択。
- ゾーンは 「Zone 1」 のままでOK(サグラダ・ファミリアも空港もZone 1内です)。
- 支払い: クレジットカード(タッチ決済推奨)または現金で。
- 発券: お釣りやレシートの取り忘れに注意!
💡 ガイドのワンポイント 最近の券売機は反応が良いですが、たまに「カードを受け付けない」機械もあります。その場合は慌てず、隣の機械を試してください。スペインではよくあることです(笑)。
これだけは知っておきたい「ゾーン1」の範囲
「ゾーン(Zone)」という言葉を聞くと難しく感じますが、観光客にとってのルールはたった1つ。
「観光スポットは、ほぼすべてゾーン1にある」
これだけ覚えておけば大丈夫です。 以下の人気スポットはすべてゾーン1(T-casualでOK)です。
- サグラダ・ファミリア
- カサ・ミラ / カサ・バトリョ
- グエル公園
- バルセロネータ(海岸)
- カンプ・ノウ(FCバルセロナ)
- モンセラットへの乗換駅(スペイン広場駅)
※モンセラット本体はゾーン外ですが、そこへ向かうためのカタルーニャ鉄道の出発駅までは市内交通で行けます。
-
-
バルセロナからモンセラットへの行き方!登山鉄道の時刻表や所要時間は?
-
-
バルセロナからジローナへの行き方|電車が最速38分【2025年版・料金・切符の買い方】
【最重要】地下鉄・バスでの「スリ対策」完全マニュアル
残念ながら、バルセロナの地下鉄はスリの「職場」でもあります。 でも、過剰に怖がる必要はありません。彼らの手口を知っていれば、被害は100%防げます。
現地で私が実践している**「鉄の掟」**を伝授します。
1. 改札を通る瞬間が一番危ない
スリは、あなたが切符をタッチしたり、バーを押したりして注意が散漫になった瞬間を狙っています。 また、改札を通った直後に立ち止まって地図を確認するのもNG。スムーズに通り抜け、すぐに壁際へ移動して安全を確保しましょう。
2. 「ドア付近」には立たない
「プシュー」とドアが閉まる瞬間に荷物をひったくって逃げるのが常套手段です。 混んでいても、できるだけ車両の中ほど(座席の間)へ進んでください。ドア付近はスリのホットスポットです。
3. リュックは「前」がマナーであり防御
バルセロナの地下鉄でリュックを背負っているのは「私のお財布をどうぞ」と言っているようなもの。 必ず体の前で抱えましょう。ファスナー部分を手で押さえておけば完璧です。
4. スマホを見すぎない
Googleマップは便利ですが、キョロキョロしながら最新のiPhoneを見ているとターゲットにされます。 路線図や降りる駅は、乗車前に頭に入れておきましょう。
-
-
【最新】スペインの治安は?マドリード・バルセロナの危険エリアとスリ対策を現地ガイドが解説
まとめ:移動を制する者はバルセロナを制す
バルセロナの公共交通機関は、少しの知識さえあれば、清潔で、時間に正確で、驚くほど便利な足となります。
- 基本は 「T-casual(10回券)」 を1人1枚持つ。
- 空港から荷物があるなら 「Aerobús」、節約するなら 「Renfe(T-casual利用)」。
- 地下鉄内では 「リュックは前」 で 「改札通過時に注意」。
この3つさえ守れば、あなたのバルセロナ滞在はきっと素晴らしいものになるはずです。 浮いた移動費で、美味しいタパスをもう一皿楽しんでくださいね!
-
-
バルセロナのホテルはどのエリアが良い?空港近くでおすすめの場所は?
最後まで読んで頂きありがとうございました。