というあなたに、44歳で15年以上働いた会社を辞めてスペインへ留学した女性のケースを紹介します。
サンティアゴ大学で留学生のサポートをしていた時に知り合った彼女に、次の点について聞いてみました。
- 留学を決断した時の気持ちや不安
- 留学の準備方法
- 4カ月の留学費用
- 現地で学んだ事
- 帰国後の再就職
社会人留学自体はめずらしくないとはいえ、会社を辞めて海外へ留学するのはとても大きな決断です。
しかし、サンティアゴで過ごした4か月間が一生の宝物になったと語ってくれました。
留学するかしないか最終的な決断を下すのはあなたですが、もし本文の内容があなたの背中を押すきっかけとなれば嬉しいです。
40代でスペイン留学を考えた時の状況
ひとつの会社に15年以上働き、色々な仕事をさせてもらいましたが、段々と仕事がマンネリ化する状況に行き詰まりを感じていました。
会社への愛着から踏ん切りがつかなかったのですが、ある時このままでいいのかと自問自答し始めました。
現状維持が安全とは限らない
今持っているものを手放さないと新しいものが入ってこないのでは?
自分なりにこの会社で勤め上げた!
当時の会社でひとつのサイクルを終えたと認識した時、スペインへ行く決心ができました。
留学を決めた時の不安
多少の貯蓄はあったので、費用面での不安は少し解消されましたが、年齢的に再就職の不安がありました。
留学の期間を4カ月にした理由
会社を辞めてまで留学するなら、1年ぐらい行かないと意味ないと思う人もいるでしょう。
家庭の事情もありましたが、逆に1年間も日本を留守にしたら復帰できないかもしれないと私は思いました。
使い物になるか、面接時にそれなり以上の理由が必要になる気がしたのです。
留学先をサンティアゴにした理由
30代の時に会社を休職して、ロンドンに半年間滞在した経験があります。
治安が悪くて外出時にいつも緊張したり、市内の移動で時間がかかった経験から、
- 大都市ではなく、静かに落ち着いて勉強できる場所
- 学校、家、町の中心地などがコンパクトにまとまった場所
を希望していました。
スペイン留学経験がある友人に相談し、私の条件にピッタリだったのがサンティアゴ・デ・コンポステーラでした。
留学前の準備について
留学を決めてからの準備期間は、3か月弱。
語学コースの登録は、専用サイトから自分で手続きできるようになっていたので、メールで現地の担当者に質問をしながら進めました。
初めてサンティアゴへ行くので、
- 現地の物価
- 現金とカードのどちらがいいのか
- 対応しているATMは近くにあるのか
とお金の管理に関する事が気になりましたが、ATMは街の至るところにあって困ることはありませんでした。
現金の他に、VISAカードとデビットカードの2枚を持っていきました。
コロナ禍前の留学体験談のため、本文では紹介していませんが、2021年12月以降、スペインで営業する保険会社の医療保険が必要となりました。外国人留学生向けの医療保険は、34歳までという年齢制限があります。35歳以上の場合の医療保険を契約する時の情報を紹介していますので、下の記事を合わせてご覧ください。
留学前にスペイン語は勉強した?
バケーションで行ったロンドンでしたが、言葉ができなくては何もできないと慌てて現地の語学学校へ通った経験があります。
スペイン留学を決める前から、東京のセルバンテス協会で週末にスペイン語レッスンを受けていましたが、
- 留学前の語学勉強はとても大事!
- 前回と同じ失敗は繰り返さない!
という気持ちが自分の中で強くあったので、留学を決めてから一層スペイン語の勉強を頑張りました。
スペイン留学4カ月の費用
- 学費 : 2,350€
- ピソでの宿泊費 118日分 : 1,770€(1日15€)
- 留学保険 : 12万円ほど
- 交通費 : 東京‐成田往復(ANA)+レンフェ(マドリードからサンティアゴ)15~20万円
- 現地での出費(食費・旅行など)
と、100万近く使いました。
1年の留学ならもう少し節約モードで生活したかもしれませんが、4か月という限られた時間だったので、食べたり飲んだり旅行も積極的にしました。
旅行留学保険は、当時高くて驚いた記憶がありますね。
ちょっと話がそれますが、行きの便でスペイン人の男性が勤務していました。
スペインに留学すると伝えると、
と、エコノミーではお目にかかれないような高そうなチョコレートをこっそり紙コップに入れ、他のお菓子と一緒にくれたり、とても優しくしてくれました。
スペインでの留学生活について
現地での経験は、全て自分への投資になると、何事も意欲的に取り組みました。
昼は学校の勉強に宿題、夜はバルへ行ったりと1日があっという間でした。
スペイン語コースの先生やクラスメート、宿泊先のホストマザーにも恵まれ、毎日が充実していました。
印象に残ったスペイン語のクラスメート
生徒の国籍、文化、年齢、留学の理由や目的、勉強に取り組む姿勢と実に皆様々でした。
中でも印象に残っているのが、中東から来ていた20代前半の学生たち。
時間にルーズで、欠席も多くて全く授業になりませんでした。
仕事を辞めて留学している私には我慢できない事態だと先生に訴えて、放課後に全員でミーティングをしました。
彼らにも言い分はあり、話し合うことでお互いを理解することができ、その後状況が改善しました。
今では私にとって大事な友達です。
4カ月の留学で学んだ事は?留学して良かった?
コミュニケーションや人とのつながりの大切さを学びました。
できる事ならもっとスペインに残りたかったですが、日本以外にもうひとつ帰る場所ができたのが嬉しかったです。
心の拠り所でもあり、あの4カ月間は一生の宝物です!
日本で再就職までの流れ
今どきの転職経験がなくて、帰国後に派遣エージェントに登録して仕事につきました。
スペイン語を使った仕事も探しましたが、スペイン語にこだわり無職で空白の時間が出来る方がリスキーだと感じ、日本での生活を戻すことをまず優先しました。
その後、タイミングを見て知人、友人から誘いを受けたうちの1社に正社員として転職しました。
再就職先でスペイン語を使っている?
面接時にスペインに留学していた事は伝えましたが、仕事で使うのは英語です。
『留学したのに、何故スペイン語関係の仕事をしない?』と言われるかもしれません。
しかし、実際に日本でスペイン語を使う仕事は多くないし、条件が合うとは限らないし、タイミングもあります。
その辺りの割り切りも、社会人で留学する時の大事な点ではないでしょうか。
帰国後の仕事探しが心配な人は、スペインに渡る前からコンタクトしておくといいかもしれません。
40代で語学留学したい社会人に何かアドバイスは?
40代での留学は、帰国後の再就職に誰しも不安を持つでしょう。
しかし、色々な方法の留学があっていいはず。
そう考えると、自分らしい選択ができるのではないでしょうか。
完璧な留学はありませんが、あなたが留学したいと心から望んで決心できたら、その決断は正しいのです。
泣いたり笑ったり、予期せぬ事が起こりますが、それらをまとめて『良い経験だったね。』と言える力が社会人にはあると思います。
お金・お金と言いたくないけどやはり必要なもの、心の安定につながる蓄えは用意した方がいいでしょう。
迷っていて決心がつかないなら、1~2週間のお試しのプチ留学してみるのもありではないでしょうか。
さいごに
インタビューに協力してくれた彼女が最後に提案した1~2週間のお試し留学。
現地の様子を見ることで、より現実的な視点で期間を延ばした留学について考えることもできると思います。
スペインにある多くの語学学校で1週間から、大学のコースでは2週間から受講可能ですので是非検討してみて下さいね。
留学生サポート業務経験を持つ筆者が、留学を検討中の方へ向けて書いた記事がありますので、宜しければお読みください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。