この記事では、スペイン人の名前についてあなたが思っているこんな疑問をクリアにします。
- なんでスペイン人の名前ってあんなに長いの?
- 名前と苗字の順番や構成は?
- スペイン人の苗字はどうして2つあるの?
- スペインは女性は結婚したら姓が変わるの?
- 苗字についてる「De」って意味あるの?
- 子供の名前を付ける時に考えることは?
- 女性と男性で人気の名前や変わった名前はどれ?
2018年6月2日に可決された不信任決議のあとに就任したスペインの新しい首相の名前を例に使って
スペイン人の名前と苗字の構成についてお話します。
是非参考にして下さい。
スペイン人の名前の特徴は?
出典: https://www.ecestaticos.com
上の画像は、スペインの首相であるペドロ・サンチェス・ペレス=カステホン氏です。
Pedro Sánchez Pérez-Castejón
スペイン人の名前は、次の順番で表記されます。
-
- 名前
- 苗字
よって、Pedro(名前) +Sánchez Pérez-Castejón(苗字)となります。
名前が1つや2つ以上の人もいますが、スペイン国王のフェリペ6世の場合は名前が4つです。
スペイン人には2つ苗字があり、父親の第一苗字と母親の第一苗字をつけます。
(父親)Pedro Sánchez Hernández + (母親)Magdalena Pérez-Castejón
↓
Pedro Sánchez Pérez-Castejón
スペイン人の苗字は、両親の第一苗字を組み合わせる!
スペイン語圏で同じように両親の苗字を維持している国はありますが、
ヨーロッパで苗字を2つ戸籍簿に登録し、日常でも使用するのはスペインとポルトガルの2か国です。
スペインで苗字が2つになったのはいつ頃から?
スペインで子供の名前に母親の苗字を付けて維持するようになったのは、だいたい19世紀末からとのことです。
日本で女性が結婚すると男性の苗字を名乗るのが一般的ですが、
スペイン人女性は結婚しても苗字は変わりません。
昔は父親の第一苗字を母親の第一苗字の先に置くのが普通でしたが、
現在は、母親の第一苗字を先に置いて戸籍簿に登録することができます。
この場合、後に生まれる兄弟(姉妹)の苗字も自動的に【母親の第一苗字+父親の第一苗字】の順番で統一します。
Deがつく苗字は家柄がいいの?
スペイン語で「De」とは、由来や所有を意味する前置詞ですが、スペイン人で「de+○○」という苗字を持つ人がいます。
「deってつく苗字があるんだな。」程度の理解でしたが…
あるスペイン人外交官の苗字を見た友人が、
と言い、Deのついた苗字を見ると、上流階級の苗字と察することがあると教わりました。
もともと、Deのつく苗字は地名(De Madrid: マドリード出身の)を表すものだったのですが
19世紀以降に苗字からDeが何らかの理由で消滅し始めた時、
家族の伝統を守るためにDeを維持した家庭が現在まで残っているケースがあるようです。
また、父親よりも母親の家庭の方が有名だったり格式が高い場合、
母親側の苗字を失わないようにDeもしくはハイフン(‐)を使って複合姓にすることがあります。
この場合のDeがつく苗字は、いい家柄の苗字である可能性が高いです。
しかし、父親の苗字がよくある苗字で母親の方が少し変わった苗字の場合、子供の苗字に『個性』を出すために
Deを使って複合姓を作る場合もあるので、Deのつく苗字が全ていい家柄と言い切ることはできません。
Deのつく苗字に誇りを持つ人もいれば、Deの苗字がつくいわゆる裕福な家庭に生まれ友人でDeを外している人もいます。
ちょっと複雑な説明になって申し訳ありませんが、興味深いなと思いました。
スペイン人の名前の付け方は?
ざっくりとした説明になりますが、スペインの伝統的な名前の付け方として下記の2つがあげられます。
- キリスト教の聖人の名前をつける
- 祖父母(もしくは両親)と同じ名前をつける
聖人の名前を付けるのはキリスト教の古い伝統で、聖人に子供を守ってもらおうという考えからです。
祖父母や両親と同じ名前を付けるケースは、自分の友人や親族のケースから見ても実際に多いです。
でも、父親と息子が同じ名前って紛らわしいと思いませんか?
私の親族内でも、父親と長男が同じ名前のケースが4つ、おじいちゃんと孫が同じ名前も1つあります。
正直、彼らの話をしていてもそれが父親なのか、子供の方なのかと混乱することがあります。
日本ではちょっとありえないシチュエーションですが、スペインでは結構あるあるなネタです。
父親が『Juan(フアン)』なら、子供はJuanの愛称の『Juanito(フアニート)』で呼び分けたりとかもします。
現在も上記2つの伝統に従い子供の名前を付ける人はいますが、時代とともに減少傾向にあります。
スペインで最も多い名前や苗字は?
男女別最も多い名前
2018年5月29日に発表されたスペイン国立統計局のデータによると…
- 男性: ANTONIO(アントニオ、690,587人)
- 女性: María Carmen(マリア・カルメン、660,635人)
この記事を最初に書いた2017年4月は、アントニオさんは715,215人、マリア・カルメンさんは668,639人だったので数字が減少。
スペインでもっと多い苗字
GARCÍA(ガルシア)(1,467,275人)
その他にも…
- LÓPEZ(ロペス)
- GONZALEZ(ゴンサレス)
- RODRÍGUEZ(ロドリゲス)
といった苗字が非常に多いです。
最近人気の名前は?
日本でもそうですが、時代によって流行する名前ってありますよね。
2016年に生まれた赤ちゃんの名前で一番人気はこちらです。
- 男の子: HUGO(4,870人)
- 女の子: LUCÍA(4,672人)
Lucía(ルシア)は2003年から女の子に人気の名前で、Hugo(ウーゴ)は2013年からだそうですが、地方によって流行の名前に若干の違いもあります。
ガリシアで6年前に長男が生まれた頃、自分の周りでは男の子の名前でNUNO(ヌノ)、女の子ではNOA(ノア)という名前をよく聞きました。
スペインで変わった名前は?
私もルシアという音の響きが好きですが、実際に小学校で同じクラスにルシアが数名いるケースがあります。
自分の子には、ちょっと違う名前をと考える親もでて来ます。
2017年6月9日付のスペイン全国紙エル・パイス紙の記事で、
スペインで登録数が20名以下の変わった名前が紹介されていました。
スペイン版キラキラネームと言えるかわかりませんが、変わった名前は下記のとおりです。
男の子
- Zac(サク)
- Vinay(ビナイ)
- Unatz(ウナツ)
- Senda(センダ)
- Orson(オルソン)
- Noan(ノアン)
- Marcell(マルセル)
- Kiryl(キリル)
- Jeno(ヘノ)
- Hedi(ヘディ)
女の子
- Zanna(サンナ)
- Tonina(トニナ)
- Nahiala(ナイアラ)
- Mauren(マウレン)
- Leide(レイデ)
- Kaia(カイア)
- Bita(ビタ)
- Anan(アナン)
- Yolaine(ジョライネ)
- Olina(オリナ)
まとめ
- スペイン人の名前は、名前が苗字の前にくる。
- スペイン人の苗字は、両親の第一苗字を組み合わせたもの。
- 2つの苗字を日常的に使用するのはヨーロッパでスペインとポルトガルのみ。
- スペイン人の女性は、結婚しても苗字は変わらない。
- スペインでは子供の名前を付ける時に、祖父母や両親と同じ名前や聖人の名前をつける習慣がある。
- スペインで現在人気のある名前は女の子がLucia(ルシア)で、男の子がHugo(ウーゴ)
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最後まで読んで頂きありがとうございました。