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文化・習慣

【2025年版】丸太から炭焼き職人まで。スペイン地方独自のクリスマス伝承と登場人物

2021年12月28日

Reyes MagosのCabalgataの様子
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いつこ

多くの巡礼者が目指すゴール、サンティアゴ・デ・コンポステラ在住。スペインガリシア州公認ガイド。観光学修士(Master)としての知識と現地在住者ならではの視点を活かし、ガイドブックには載らない「本当のガリシア」を発信中。 年間100名以上の日本人巡礼者を聖地へご案内しています。

「スペインのクリスマスプレゼントは、サンタクロースが持ってくるんじゃないの?」 そう思ったあなた、半分正解で半分間違いです。

スペインでは、伝統的にプレゼントを持ってくるのは「東方三賢人(ロス・レイジェス・マゴス)」

しかもそれだけではありません。ガリシア、バスク、カタルーニャなど、地方に行くと「山から降りてくる炭焼き職人」や「プレゼントを出す丸太」**など、ユニークすぎるキャラクターたちが活躍しているのです。

この記事では、スペイン在住ガイドが、各地に伝わる不思議なクリスマスの登場人物たちを一挙にご紹介します。 これを知れば、冬のスペイン旅行がもっと楽しくなるはずです!


1. スペイン全土の主役「レイジェス・マゴス(東方三賢人)」

まずは、スペイン全土で愛される「公式サンタ」のような存在から。

聖書から飛び出した3人の王様

東方の三博士(レイジェス・マゴス)

新約聖書において、イエス・キリストの誕生を祝いに東方からやってきた3人の博士たちです。 1月6日(公現祭)の前夜、彼らがラクダに乗って子供たちの家にプレゼントを届けると信じられています。

  • メルチョール(Melchor): 白いひげのおじいさん。
  • ガスパール(Gaspar): 茶髪(または赤毛)のひげ。
  • バルタサール(Baltasar): 黒人の王様。子供たちに一番人気!

【見どころ】1月5日夜の「カバルガタ(パレード)」

1月5日の夕方、スペイン中の街で大規模なパレード(Cabalgata de Reyes)が行われます。 巨大な山車に乗った王様たちが、数トンもの飴(キャンディ)を沿道の子供たちにばら撒きます。 傘を逆さにして飴を受け止める人も。旅行者も童心に帰って参加してみてください!

悪い子には「炭」が届く?

いい子にはプレゼントが届きますが、悪い子には「炭(Carbón)」が届きます。 (※実際には、炭の形をした黒い砂糖菓子が売られていて、ジョークとして贈られたりします)


2. ガリシア地方の「O Apalpador(アパルパドール)」

ここからは地方限定のキャラクターです。まずは私の住むガリシア地方から。

山から来る「お腹さすりおじさん」

アパルパドールは、ルーゴ県の山奥に住む炭焼き職人の大男です。 ボロボロの服にベレー帽をかぶり、パイプをふかしています。

  • 何をするの? 12月24日と31日の夜、寝ている子供たちの元へ忍び込み、お腹をそっと触ります(Apalpar)
  • 理由は? 「今年はご飯をちゃんと食べたかな?」と確認するため。 お腹がいっぱいなら、枕元に「一握りの栗」とプレゼントを置いて、来年も食べ物に困らないようにと祈ってくれます。

サンティアゴの旧市街でも、クリスマスの時期にはアパルパドールの人形や絵本が売られています。赤服のサンタとは違う、素朴な温かさが魅力です。

サンティアゴ大聖堂と観光のまとめ記事のアイキャッチ画像
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3. バスク地方の「Olentzero(オレンツェロ)」

美食の地・バスク地方にも、アパルパドールによく似た人物がいます。

酒飲みで陽気な炭焼き職人

オレンツェロもまた、山に住む炭焼き職人です。 丸々と太っていて、お酒が大好き。クリスマスの時期になると山から下りてきて、イエス誕生のニュースと共にプレゼントを運びます。

バスクの街中では、サンタクロースよりもこのオレンツェロの人形(黒いベレー帽にパイプ姿)をよく見かけます。


4. カタルーニャ地方の「Caga Tió(カガ・ティオ)」

一番ユニーク(衝撃的?)なのが、バルセロナがあるカタルーニャ地方の風習です。

「うんちを出せ!」と叩かれる丸太

カタルーニャ地方のTio de Nadal

ティオ(Tió)は、顔が描かれた「丸太」です。 子供たちは12月8日からこの丸太に食べ物を供え、毛布をかけて大事に世話をします。

そしてクリスマスの夜……。 子供たちは「Caga Tió(ティオ、うんちを出せ)!」という歌を歌いながら、棒で丸太をバシバシ叩きます。 その後、毛布をめくると……なんと、お尻からプレゼントやお菓子が出てくるのです!

バルセロナのクリスマスマーケット(サンタ・ルシア市場)に行くと、大小様々なティオが売られています。お土産にひとついかがですか?


5. その他の地方のキャラクター

  • アンダルシア(エシハ):Tientapanzas(ティエンタパンサス) ガリシアのアパルパドールと同じく、子供のお腹を触って確認する人物。
  • アストゥリアス:L'Anguleru(アングレル) 2008年に生まれた新しいキャラ。シラスウナギ漁師の姿をしていて、海からやってきます。

まとめ:スペインのクリスマスは多様で面白い!

スペインには、赤服のサンタクロース以外にも、これほど多くの「プレゼントをくれる人たち」がいます。 それぞれに地方の歴史や生活(炭焼き、農業など)が反映されていて、とても興味深いですよね。

もし冬にスペインを旅行するなら、その土地ならではのキャラクターを探してみてください。きっと素敵なお土産話になりますよ。

クリスマスの日程や過ごし方、伝統菓子については、こちらのまとめ記事で詳しく解説しています。

スペインの長いクリスマスのアイキャッチ画像
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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