この記事では、スペイン北西部ガリシア州の港町にオープンした非日常的空間を味わえるホテルを紹介します。
学生の頃は海外旅行では観光重視で、寝れればいいと安宿を探していた私ですが…
年を取ってきたせい?最近は何をするかと同じくらいどこに泊まるかも大事だなと思うんです。
ガリシアのこんな田舎にというところに、旅の目的が宿になっている素敵な宿ってあるんですが…
そういう宿の情報は、ネットでも日本語で探すのはちょっと大変だと思います。
本文では、次の条件に当てはまる人におすすめの素敵なホテルを紹介します。
- 有名な観光地とは別に海が見れる小さな村での滞在に興味がある。
- カップルもしくは1人で過ごしたい。
- 非日常的な空間でまったり過ごしたい。
- 部屋から海の景色を楽しみたい。
- 静かな環境だけど、歩いてすぐに町の中心部にアクセスできる距離感がよい。
あくまでも個人的な意見になりますが、2024年1月に実際に宿泊してみて感じたこともお話しますので最後までお付き合い下さいね。
ガリシアのリアの風景を楽しめるホテルはどこにある?
今回紹介するホテルは、リア・デ・ムロス・イ・ノイアと呼ばれるリアス海岸の入り江内の港町、ムロス(Muros)にあります。
ガリシアにある港町の中でも町並みの保存状態が良く、夏は避暑地としてガリシア各地やマドリードからバケーションで人が訪れる場所です。
リア・デ・ムロス・イ・ノイアのエリアは、観光地化していない白い砂浜のビーチや昔ながらの漁師文化を見られる場所があり、私は個人的にとても好きな場所です。
また、ムロスは2020年12月に認定されたサンティアゴ巡礼路正式ルートの出発点でもあります。
ある日、ムロス出身の友達との会話の中で偶然このホテルの存在を知りました。
友達がオーナーに連絡を取ってくれ、早速見学に行ってみました。
ムロスのリアス海岸が一望できるホテル『オタントゥス』
ムロスの町に入って車でホテルへ向かうまでの5分ぐらいの間でしょうか。
丘の上に建つ住宅の間の狭くて急な上り坂を登る車が後ろに下がってしまいそうなゾクッとした感覚と近くにホテルらしい建物は見当たらなくてどこへ連れて行かれるんだ?と、ちょっとドキドキしていました。
無事に坂を登りきりホテルの駐車場に到着すると、待っていたのはこの景色。
今まで港から見てきた景色も良かったけど、この町でこんな景色を見られる場所があったのかとびっくりしました。
しかし、オーナーに案内されて最初の部屋に入って感動しました。
広いお部屋の中にはトイレ、洗面所とシャワーを区切る壁がひとつあるだけ。
ベッド、テラス、バスタブにその脇にシャワーから海に向かっているので、リアスの風景をゆっくり楽しむことができます。
実は、オタントゥスを訪れる前にある灯台を修復したホテルを見学していました。
灯台ホテルの部屋のデザインも素敵だったのですが、部屋が全体的に小さいかなという印象がありました。
一方、オタントゥスの部屋は仕切りがない広い空間と真っ白でシンプルなデザイン。
ガラス張りの窓から入る太陽の光や海の景色は解放感いっぱい。
テラス席を見ながら『夕方にワインを飲みながらまったり過ごせたら最高だな…』と、思ってました。
オタントゥスの意味と名前に込められたメッセージ
私はオタントゥスという名前を聞いた時、初めて聞く言葉なので造語かな?と思いつつ辞書を引いてみると…
オタントゥス(Otantus)は、塩生植物を指す言葉でした。
一般の植物は、塩水の中では枯れてしまいますが、塩度の高い土壌でも生育できるたくましさをもつ植物です。
昔から海と共に生きてきたムロスの町。
ムロス出身のドミさんのお祖父さんは、自分の船でムーロス港まで塩を運び、港に積み上げた塩をトラックで近郊の村や工場に運搬する仕事をしていたそうです。
ムロスの町の近くのビーチに実際に塩生植物である花もあるそうなんですが、なぜオタントゥスなのかドミさんの奥様であるジョハンナに質問してみました。
非日常の空間と海の景色。オーナーの想いが部屋のデザインからも感じられるなと感心しました。
『子供を誰かに預けていつ夫とここに来れるだろうか…。でも大分先の話だろうな』と思っていたら、2024年1月に仕事でこのホテルに泊まることができました。
実際に泊まってみて感じたことを正直に書いてみたので、参考になれば嬉しいです。
オタントゥスの宿泊体験談
特別何もしないのに、いるだけで贅沢な時間
ある仕事がきっかけでオタントゥスへの宿泊が叶ったのですが…
なんと、雨と濃い霧のせいで部屋から海の風景が楽しめなかったのです…(´;ω;`)
冬のガリシアの天気だね…とはいえ、ホテルを見に来た時は晴れていただけに残念でした。
しかし…お客様は広くて清潔感があるモダンなデザインのお部屋に喜んでました。
部屋の中でワインを開けて、グレーのリアの風景を見ながらお客様と何時間も語り合った時間はとても貴重でした。
ただ、仕切りがないのでトイレに入るために自分の部屋に戻りました(笑)
冒頭で1人またはカップル向けの宿と書いた理由はこの点にあります。
自分の部屋に戻り、ジェットバスや泡風呂用のクリームを見て『これは家ではできない!』と早速テンションが上がりました。
部屋にあるバスローブや実際にお風呂で使ったシャンプーやボディクリームは気に入れば、後ほど購入も可能です。
お風呂に入ってバスローブに身を包み、仕事をしてベッドでゴロゴロ。
特別なことはしていないのに、その時間もなんか贅沢だなと感じました。
ジョハンナさんからバスローブやタオルなどの品質にこだわっていると聞いていましたが、ベッドの寝心地も本当に良かったです。
朝食
ブッフェスタイルの朝食をホテル内の食堂で取るか、自分が食べたい朝食を選んで部屋でとることもできます。
ホテルの部屋で朝食を食べた経験がなかったので、部屋での朝食を希望しました。
事前に朝食の内容を選べる紙を渡されましたが、コーヒー、紅茶などの種類の他にもコーヒーに入れるミルクのタイプが選べたり、パンもグルテンフリーなど何種類もあって、好きなだけ選んでいいよと言われました。
翌朝、注文した朝食がバスケットに入ってこんな感じで届きました。
テラスのテーブルで食べたかったのですが、今度はプライベートで戻ってきなさいというメッセージと受け取ることにしました(;^_^A
今回、部屋での朝食を選んだので実際に体験できなかったのですが、ホテルの朝食スペースはこんな感じになるそうです。
朝食スペースからも海を見て朝ごはんが食べられるので、次は朝食ブッフェにしようと思っています。
ホテルと町の中心部の距離
オタントゥスでは現時点で食事のサービスは朝食のみ。昼食や夕食時は、小高い丘の上にあるホテルから港や町の中心部まで降りる必要があります。タクシーを使うのも可能ですが、ゆっくり歩いても10~15分で中心部にアクセスできます。
初めて訪れる町では、できるだけ中心部に宿があって歩ける方が嬉しいなと思う方もいるかもしれません。
坂の昇り降りは絶対に無理、町中の移動でホテルを使うのは嫌という方にはこの点は少しマイナスかもしれませんが、町中の細い道とかを歩くのは知らない町を探検している感じが好きという人なら全然苦にならない距離です。
正直、部屋にいるのが居心地よくて外に出るのが面倒臭いなと感じましたが、港近くには魚介類やトロトロのスパニッシュオムレツが美味しいお店やバルが沢山ありますので、是非トライして下さいね!
ホテルのサイトはこちらからご覧ください。
最後までお読み下さりありがとうございました。