スペインの冬を締めくくる最大のイベントといえば「カーニバル(Carnaval)」です。
カトリックの断食期間(四旬節)を前に、街中が仮装と熱狂に包まれます。
この記事では、世界的に有名なテネリフェやカディスの祭典から、ガリシア公認ガイドの私が最もお勧めする「泥や蟻を投げ合う」ディープな奇祭まで、2027年の最新日程と共に詳しくご紹介します。
2027年のカーニバル日程
2027年のカーニバルは、例年よりも少し早い開催となります。
- 開催期間:2027年2月4日(木)〜2月9日(火)
- 最も盛り上がるのは、2月6日(土)・7日(日)の週末です。
- 最終日の9日は「告別(葬儀)」の儀式が行われ、翌10日の灰の水曜日から四旬節に入ります。
スペイン三大カーニバル:一度は見ておきたい華やかな世界
1. サンタ・クルス・デ・テネリフェ(カナリア諸島)

世界最大級の規模を誇るテネリフェのカーニバル。
- 見どころ: 「カーニバルの女王(レイナ)」選出コンクール。100kgを超える豪華な衣装は、まさに動く芸術作品です。
- ガイドの視点: 日本の紅白歌合戦の小林幸子さんを彷彿とさせる圧倒的なスケール感。
2. カディス(アンダルシア州)
衣装よりも「音楽」と「風刺」が主役の、非常に知的なお祭りです。
- 見どころ: 「チリゴタ」などのグループが歌う、ユーモアたっぷりの社会風刺歌。
- ガイドの視点: 言葉遊びが巧妙で、街中に溢れる明るいメロディだけでも心が躍ります。地元の人々の楽しそうな雰囲気は、アンダルシアならでは。
3. アビレス(アストゥリアス州):泡にまみれる街
北スペインでは、街中が泡だらけになるユニークなパレードが行われます。
- 見どころ: 泡の中を船のような山車が突き進むカオスな光景!
- ガイドの視点: 寒い時期ですが、その熱気は凄まじいです。一風変わったカーニバルを体験したい方に。
【本命】ガリシアの「エントロイド」:蟻と小麦粉が舞う?
私が暮らすガリシア州では、カーニバルを「エントロイド(Entroido)」と呼びます。
オウレンセ県の「魔法のトライアングル」と呼ばれる3つの村には、スペインで最も古く、かつクレイジーな伝統が今も息づいています。
魔法のトライアングル(Triángulo Mágico)
| 村の名前 | 特徴 | 独特のキャラクター |
| シンソ・デ・リミア | 小麦粉や壺を投げ合う | パンタージャス(牛の膀胱を叩く) |
| ラサ (Laza) | 泥の布や「酢に浸した蟻」を投げる | ペリケイロ(鞭を振り回す) |
| ベリン (Verín) | 25kgの衣装でのパレード | シガロン(16世紀の徴税人が起源) |
シンソ・デ・リミア

人口約1万人ほどの小さな町シンソ・デ・リミアのカーニバル期間は、スペインで最も長い5週間。
1997年にスペインの国際重要観光祭に指定され、カーニバル本番前の日曜日(Domingo)に次のようなイベントがあります。
Domingo Fareleiro
村の中央広場で小麦粉を容赦なく投げ合います。
Domingo Oleiro
中央広場で輪を作り、壺を投げ合うゲーム。落とした人はワインをご馳走するようです。
Domingo Corredoiro
パンタージャスが町を走り回る最初の日。

シンソ・デ・リミアのカーニバルのシンボルと言えるキャラクター。
上から独特な仮面、赤いマントに白のシャツとズボン、腰に赤いスカーフと鈴を巻き、足元は黒い靴を履いています。
手に持っている風船のようなものは、実は乾燥した牛のぼうこう。
力強く叩き、大きな音を出しながら走ります。
仮装していない男性を見つけ、バルへ連行して飲み物をおごらせる監視役です。
住民以外が仮装していない場合は、彼らに囲まれて踊られるというユニークな洗礼があります。
泥の布や蟻を投げ合うラサ

カーニバルの行事は、村のピコタ広場で開催されます。
午前はファラパーダ
泥一杯の布を投げ合うファラパーダ(Farrapada)が行われます。
午後は蟻投げ戦争
酢につけておいた蟻をピコタ広場で投げます。
木製の牛を仮面と角をつけた男性が現れると、待ちにまった蟻投げ戦争の時間となります。
酢につける理由は、蟻を『怒らせ』て人に噛みつくようにするためです。
誰がこんな事を考えたのか不思議ですが、ラサでしか体験できないお祭りでしょう。
ベリン
シガロン(Cigarron)と呼ばれるこのキャラクターの衣装の重さは、なんと25㎏以上!
複数の人の助けがないと衣装を着ることができません。
この人物の起源は16世紀の税の取立人だったとか諸説ありますが、シガロンは父から子へと受け継ぐ誇りある役目。
昔からシガロンに触ってはいけないけど、ののしるのはのは大丈夫だそうです。
現地ガイドが教える「2027年カーニバル攻略」の知恵
2027年は2月初旬の開催です。しっかりとした準備が成功の鍵です。
- 宿の確保は今すぐ: 魔法のトライアングルの村々は非常に小さいため、周辺30kmの宿まで瞬時に満室になります。2027年は開催が早いため、早めの行動が鉄則です。
- 捨ててもいい古着とゴーグル: 小麦粉、泥、蟻が飛んできます。お気に入りの服は厳禁です。
- 蟻対策と防寒: 2月上旬は非常に寒いです。タートルネックで首を守り、ズボンの裾を靴の中に入れ、肌の露出を最小限にしましょう。
- 耳栓の持参: 三大祭りや火祭りのような大規模イベントでは爆音が凄まじいです。以前私が火祭りで経験した「耳栓売り切れ事件」を教訓に、必ず自参してください。
- 現地ツアーの活用: 慣れない冬の移動や、効率よく複数の町を回りたい方は、ツアーを利用するのも賢い選択です。
まとめ:あなたの好みに合わせた2027年の「冬の出口」
- 華やかなパレードなら: テネリフェ
- 音楽とユーモアなら: カディス
- 唯一無二の奇祭なら: アビレスの泡カーニバル、ガリシアの魔法のトライアングル
カーニバルが終わると、スペインは静かな伝統が息づく「セマナ・サンタ(聖週間)」の季節へと移り変わります。
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