サンティアゴ巡礼の時期についてネットで調べると、「春か夏がおすすめ」と書いているところが多いですよね。
でも、こんなことを思ったことはありませんか?
「冬のカミーノって実際どうなんだろう?」
「人が少ない時期に、静かに歩きたい」
「前回100km地点の混雑が嫌だった。次は静かな時期に歩きたい」
この記事は、そのモヤモヤに対して、いいことも悪いことも正直に答えます。
サンティアゴに住んで16年、コロナ禍以降は巡礼のガイドをしている筆者が冬のカミーノについてここ数年感じていることをお伝えします。
興味がある方は是非参考にして下さい。
冬カミーノに向かう巡礼者が20年で8倍になった理由
昨年、2025年の年間巡礼者数は530,987人。過去最高を記録しました。
でも、その83%は5月〜10月に集中しています。11月〜2月の冬季巡礼者は、全体のわずか7%(約37,000人)。
やっぱり少ないんだねという感想を持つかもしれませんが、確実に冬の巡礼の状況は変わっています。
サンティアゴ巡礼事務所の統計によると、11月にサンティアゴへ到着した巡礼者数はこう変化しています。
| 年 | 11月の巡礼者数 |
| 2005年 | 1,388人 |
| 2015年 | 5,228人 |
| 2025年 | 11,072人 |
20年で約8倍です。
特にコロナ禍以降は毎年1万人をキープしています。
これが何を意味するのか?
知っている人だけが選んでいる。それが今の冬のカミーノです。
「冬のカミーノ」の不安に、正直に答えます

冬のカミーノに関する日本語情報は少なく、オフシーズの巡礼に対してよくある4つの不安について正直な私の意見をシェアします。
アルベルゲ(巡礼宿)が閉まっているのでは?
冬に閉まるアルベルゲが増えるのは事実ですが、それは私営のアルベルゲ。ガリシア州のアルベルゲは1年中開いています。
「泊まる場所がない」わけではありません。
冬はペンションやホテルの個室が、ピークシーズンより安い価格で泊まれます。
ピークシーズンの仕事の多さで時にはピリピリしているスタッフにも余裕が生まれます。
アルベルゲ以外の選択肢が、むしろ冬を快適にします。
「アルベルゲを利用しなければ巡礼ではない!」という方もいますが、そこは人それぞれ。
快適に歩くことを優先する方にとっては 、冬の個室宿は最高の選択です。
荷物が重くなるのでは?
防寒着が増えるのは確かです。
ただ、個室に泊まる場合、分厚い寝袋は必要ありません。
防寒着も着脱で調整できます。毎日全部違う服を着るわけではないので、荷物がパンパンになることはほとんどない。
荷物転送サービスは冬に使えない区間が出るのも事実ですが、利用が全くできないわけではありません。
雨が多くて日照時間が短いのでは?

冬のガリシアは雨が多く、日没も早い(夕方18時頃)。これは本当のことです。
ただ、正直に言わせてください。
1月に何度か歩いたことがありますが、空が明るくなるのを待って出発しても、夜暗くなる前に目的地に着く事は出来ます。
どうしてもゆっくり歩くし、朝真っ暗な中1人歩きたくなければ、歩く距離を減らすなどの調整もできるわけです。
逆に日照時間が長い夏でも、暑さを避けるため、アルベルゲのベッドを確保するためなど色んな理由で夜明け前から出発する人達もいます。
そして——天気と季節は必ずしも比例しません。
ベストシーズンと言われる春と秋にガリシア州内のカミーノを何度も歩きましたが、5月に雨が続いたこともあります。
1週間で1日も雨が降らなかったツアーは半分行くか行かないかです。どこかで1日降ったりとかよくあること。
冬は危険なのでは?
これは、どこを歩くかによります。
ピレネー山脈越えなど特定のルートや区間では、冬の天候に注意が必要です。
ただ、カミーノは基本的に一年中歩けます。
冬でも安全に歩ける道、区間はあります。
巡礼路沿いのお店やアルベルゲは冬に営業しない、または縮小するところは増えますが、場所によって状況は変わります。
シーズン中でも危険なところは危険で、サービスがないところはないのです。
だからこそ、冬のサービスが少なくなる時期でも歩けるところを知っているかどうかも大事です。
カミーノを120回以上歩いたガイドが語る「なぜ11月なのか」
現地ガイドとして巡礼路で働く中で、色んな現地ガイドたちと出会ってきました。
その中で、私が巡礼ガイドとして尊敬する人がいます。
ガリシア生まれで、カミーノを120回以上歩いてきたトーニョさん。
カミーノへの深いリスペクトを行動で示すガイドです。
カミーノで働くために観光ガイドの資格をとり(ここすごく重要!)、巡礼専門の旅行会社を持っているのでオーガナイズもされています。
カミーノ、歩く人、巡礼路で働く現地の人を大切に思っているのが伝わってくる人です。
その彼に、冬のカミーノについて聞いたら、次のように答えてくれました。
- 気候は、体験の一部です。どの月でも、天気を保証できる人はいない。
- 11月は今、静けさを求める巡礼者にどんどん人気が高まっています。
- 穏やかな気温、秋の赤い景色、冬にあったまる地元料理、深い会話、少ない人数が魅力です。
- 宿もレストランも余裕があって、サービスも料金もずっといい。
そして、彼はこう言います。
『2、3年後に、11月は人気の月のひとつになるだろう。』
サンティアゴに住んでいるから言えること
私はサンティアゴ市の中でも、フランス人の道の巡礼者が街に入ってくる場所で住んでいるので、毎日彼らを見ています。
昔は、10月中旬で大きく巡礼者の数が減るのが普通でしたが、ここ数年は11月に入っても歩いている人を見ます。
個人で歩くのはオフシーズンが多く、一番直近で2026年3月末にフランス人の道をパンプローナからログローニョまで歩きました。
私たちが歩いた日は、地元の人も冬のコートをがっちり着ていて冬の寒さでした。
セマナ・サンタ中にもかかわらず、アルベルゲやバルも閉まっている所が多くて、本当にびっくりしました。
巡礼路を歩く人は少ないからこそ、同じ場所を歩く人とは会話が弾みやすく、別の場所で再会した時もお互いを覚えて声を掛け合うなどちょっとした一体感を感じました。
もちろん、シーズン中も巡礼者同士の出会いはあります。
しかし、人が少ない時期に歩くからこその巡礼者同士の距離は縮まるなと思いました。
冬カミーノだけが持つ5つの体験

道を自分のものにできる静けさ
ピーク時の100km地点は大行列。冬カミーノは、道が静かです。
ガリシアの秋の景色
赤・黄・オレンジに染まる森。汗をかかずに歩ける気温。
この季節だけの食
煮込み料理、ガリシア風スープ料理など、寒い季節だからこそテーブルに並ぶ料理があります。
地元の人の時間
繁忙期は誰もが忙しいが、人が少ない時は少しゆっくり話す時間が合ったりします。
同じお金で、体験の密度が上がる
宿泊費が下がり、サービスは上がる。コスパではなく、「体験の質」が変わります。
冬のカミーノ、気になった方へ
ここまで読んで「冬も悪くないかもしれない」と思った方はいるのではないでしょうか?
しかし、1人よりは仲間がいて歩ける環境を望む方もいるでしょう。
そこで、巡礼ルートをよく知るトーニョさんと私で、冬のカミーノを少人数グループで歩くツアーを作りました!
フランス人の道(サリア〜サンティアゴ)と、ポルトガルの道海岸ルート(バイオナ〜サンティアゴ)の2ルートを2026年11月に開催します。
現地集合・解散のため、出発地点に到着する前、巡礼終了後はご自分で好きに旅程を作ることができます。
自由度があり、費用が安く公認ガイド(私)が同行し日本語でサポートいたします。
興味のある方は、是非下記からツアー詳細のページに飛んで内容をご確認下さい。
👉 フランス人の道 11月ツアーはこちら
👉 ポルトガルの道コスタ 11月ツアーはこちら
現地でお会いできるのを楽しみにしています♪
最後まで読んで下さりありがとうございました。