ブルゴスは大聖堂の美しさもさることながら、スペイン人も認める「食の宝庫」です。
今回の訪問で改めて確認した、現地で愛される本物の味と、その背景にある興味深いストーリーをご紹介します。
ブルゴスの魂「米入りモルシージャ」

ブルゴスの街を歩けば、どのバルのカウンターでも必ず目にするのがこの「モルシージャ」です。
スペイン各地に血のソーセージはありますが、「モルシージャといえばブルゴス」と言わしめるのには理由は、材料に「お米」が入っていること。
豚の血、脂、スパイス、そしてたっぷりの玉ねぎにお米を加えて作られるこのソーセージは、焼くと外側はパリッと香ばしく、中は米の粒感と玉ねぎの甘みが混ざり合い、濃厚で深い味わいです。
見た目の黒さに最初は驚くかもしれませんが、一口食べればその深いコクの虜になるはずです。
後述する「オジャ・ポドリーダ」にも欠かせない、まさにブルゴスの味の決め手といえる存在です。
ブルゴスの代名詞「レチャソ(乳飲み子羊のロースト)」

ブルゴスに来たら外せないのが「レチャソ(Lechazo)」です。
これは生後1ヶ月未満、母乳のみで育った子羊を指します。 街には「アサドール(Asador)」と呼ばれる薪のオーブンを備えたレストランがあり、そこでじっくりと焼き上げられた子羊は、皮はパリッと、中は驚くほどジューシーです。
決して安くはありませんが、重厚な雰囲気の老舗レストランで味わう体験は、まさにブルゴス旅行のハイライト。地元でも特別な日に選ばれる、誇り高きご馳走です。
名前からは想像できない絶品「オジャ・ポドリーダ」

次にご紹介するのは、一度聞いたら忘れられない名前の「オジャ・ポドリーダ(Olla podrida)」です。
直訳すると「腐った鍋」となりますが、もちろん腐っているわけではありません。
お義父さんから始めてこの料理の名前を聞いた時はびっくりして聞き返しました(笑)
この名前の由来には諸説ありますが、もともとはラテン語の「Olla Poderida(オジャ・ポデリーダ)」、つまり「力強い、エネルギーに満ちた鍋」という意味だったと言われています。
高価な肉をふんだんに使える権力者(Poderoso)の料理であったことや、栄養価が高く力がつくことがその理由ですが、長い年月の間に発音が似ている「Podrida(腐った)」に転じてしまったという面白い歴史があります。
料理そのものは、ブルゴス近郊産の赤インゲン豆をベースに、豚の耳、鼻、足、肋骨、そしてモルシージャ(米入りの血のソーセージ)などを一緒に煮込んだ非常にスタミナのつく一品です。
中世から続く「つぎ足し」の知恵が詰まった、スペイン料理の原点ともいえる力強いスープ。
特に冬の寒さが厳しい時期には、これほど心強い味方はありません。
【タパス巡り】旧市街で絶対に頼みたい名物メニュー

大聖堂周辺の旧市街には、活気あるバルが軒を連ねています。
- パタータス・ブラバス: 現地で知り合った男性からも「店ごとにソースが違うから面白いんだよ」と聞いた通り、ハシゴして自分好みの味を見つけるのがブルゴス流の楽しみ方です。
- ティグレス(ムール貝のタパス): 貝殻に身を詰め、パン粉をつけて揚げたものが特に有名です。サクッとした食感と海の幸の旨みが絶妙な組み合わせです。
- コホヌード&コホヌーダ: 創業65年以上の老舗「Casa Pancho(カサ・パンチョ)」が生んだブルゴスで有名なタパス。意味は「最高な(Cojonudo)」。ブルゴス名産のモルシージャのバージョンを引き立たせるために、後からチョリソバージョンが作られたそうです。
【スイーツ】生クリームたっぷり!名物菓子「チェバリエル(Chevalier)」

食事の締めくくりには、街のあちこちのお菓子屋で見かける「シュバリエ」を。
ブリオッシュのようなふわふわのパンに、たっぷりの生クリーム(またはカスタード)が挟まれ、上には薄いアーモンドスライスがかかったブルゴス代表の甘味です。
実際に食べてみましたが、かなりのボリューム!1人で完食するのは大変なので、友人や家族とシェアするのがおすすめです。
料理をさらに引き立てる、至福のチーズとワイン
メイン料理やタパスだけでなく、これらも忘れてはいけません。ブルゴスの食文化を語る上で欠かせない名脇役たちです。
- ブルゴス・チーズ(Queso de Burgos): 羊のミルクで作られる、真っ白でプルンとしたフレッシュチーズです。程よい塩気があり、蜂蜜やクルミを添えたデザートとしても、料理の素材としても親しまれています。
- リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero): ブルゴス州が誇る最高級の赤ワイン。モルシージャやレチャソといった力強い肉料理には、このワインの深いコクと渋みが最高のペアリングとなります。
ブルゴスを賢く効率的に楽しむために
美食を満喫した後は、世界遺産の大聖堂や中世の街並みを巡る観光ルートをチェックしませんか?
限られた時間でブルゴスの魅力を余すことなく体験できる、公認ガイド推奨のモデルコースや観光ポイントをこちらのまとめ記事で詳しくご紹介しています。