世界の観光都市では一般的になっている宿泊税。サンティアゴでも数年前から導入に関する議論が続いていましたが、いよいよ2025年10月1日から正式に導入されます。
この記事では、旅行者や巡礼者が気になる「いくらかかるの?」「アルベルゲは対象?」「免除されるケースは?」といった疑問をすべて解説。さらに、宿泊税には10%の消費税(IVA)が加算される点も含め、サンティアゴ市が発表した宿泊税に関する文書のポイントを分かりやすくまとめました。
宿泊税とは?なぜ導入されるのか
サンティアゴ市が導入を決めた背景
今回の宿泊税導入の理由について市はこう回答しています。
近年、サンティアゴの観光需要は非常に強い成長を遂げています。
この成長は利点をもたらす一方で、市の観光モデルに新たな課題を引き起こし、基礎的な公共サービスにかかるコストの増加にもつながっています。
このような状況の中で、宿泊税は、街に宿泊する人々が持続可能な観光モデルの発展に協力するために小さな負担を分かち合う仕組みとして考えられています。
街にとって大きな恵みである一方、インフラや公共サービスの負担も増えているため、持続可能な観光モデルを維持するための財源として導入されます。引用: TAXA TURÍSTICA PREGUNTAS E RESPOSTAS
元々6~8月は観光客や巡礼者が多い町ですが、年々巡礼シーズンは伸びています。2025年9月下旬にオブラドイロ広場に行くと、例年の6月以上ではないかと思うほど多くの観光客・巡礼者を目にします。確かに近年のサンティアゴの観光需要の成長を強く感じます。
2. いつから始まる?
施行日:2025年10月1日から
対象:サンティアゴ市内の宿泊施設に泊まる旅行者
最大5泊まで課税
3. 宿泊税はいくら?施設別料金表
宿泊施設の種類によって金額が異なります(1人1泊あたり)。
宿泊施設の種類 | 税額 |
---|---|
ホテル 5つ星・4つ星(上位カテゴリ) | 2.5€ |
ホテル 4つ星 | 2€ |
ホテル 3つ星・2つ星 | 2€ /1.5€ |
ホテル 1つ星・ペンション | 1.5€ |
アルベルゲ(民間の巡礼宿) | 1€ |
キャンプ場・農村宿・観光アパート | 1€ |
Vivienda de uso turístico(短期貸しアパート) | 2€ |
例えば、ある観光客が4つ星ホテルに2泊したとします。
宿泊税は 1人あたり合計4€ですが、宿泊税には10%の消費税が徴収されますので、4.4€の宿泊税がかかります。
巡礼者にも宿泊税はかかる
サンティアゴ市内での宿泊が課税対象(最大5泊)となります。民間のアルベルゲは1€(+10%IVA)。巡礼の最後にホテルに滞在したい場合は、ホテルのランクによって宿泊税がかかります。ただし、ガリシア州が運営する公営アルベルゲは免除となります。
公営アルベルゲ以外にも、宿泊税が免除されるケースもありますので合わせて紹介します。
4. 宿泊税を払わなくてよいケース(免除)
以下の場合は免除されます
- 健康上の理由による滞在
- 公認競技大会に参加する登録選手
- 不可抗力による滞在
- 未成年(親から独立していない場合)
- 65%以上の障害がある人
- サンティアゴ巡礼庁(Plan Xacobeo)が管理する公営アルベルゲや青少年宿泊施設
健康上の理由による滞在であれば診断書が、公認協議大会に参加する選手なら連盟証明書・ライセンス等を提出しなくてはなりません。宿泊施設で「自己申告書(Declaración responsable)」を提出し、免除条件を証明する書類を提示する必要があります。
5. 宿泊税の使い道
- 80%は街のために再投資
- 世界遺産都市としての保存・維持
- 公共サービスの改善(ごみ収集や街路清掃など)
- 観光と地元住民の調和
用途は、観光関係者・住民・行政が参加する「持続可能観光フォーラム」で議論されます。
6. 巡礼者・旅行者への影響まとめ
- サンティアゴで宿泊すれば基本的に課税対象。
- ただし、公営アルベルゲ利用の巡礼者は免除。
- 金額は1~2.5€と大きくなく、街の保護と観光体験の質向上に直結。
まとめ
2025年10月以降にサンティアゴ市内で宿泊する場合、宿泊税を支払う必要があります。
観光都市としての街の維持と巡礼文化の継続に役立てられます。
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