スペインのガリシアではハロウィンの時期に『Samaín(サマイン)』という言葉が使われます。
お店のディスプレスでも「Holloween」ではなく「Samaín」と書くところがあります。
ハロウィンの起源である古代ケルトの儀式『Samhain(サウィン)』のように、ガリシアでもケルト文化が起源のSamaín(サマイン)があるとなんとなく理解していたのですが、予想外のことがわかったのでここでまとめることにしました。
- ハロウィンの起源であるSamhainとは
- ガリシアのハロウィンというSamaín
- ガリシア州各地で異なるSamainの祝い方
- ハロウィンの時期にスペインで食べるお菓子
の順に紹介していきますので、興味のある方はどうぞ最後までお付き合いくださいね。
ハロウィンの起源Samhainとは?
Samhain(サウィン)とは夏の終わりを意味します。
ケルトの古いお祭りであるSamhainは10月31日に収穫時期が終わって季節も夏から冬へ移行する日を意味しました。
この夜にこの世とあの世の境界線が薄まり、あの世から死者の魂や悪霊も人間の住む世界へ自由に移動できると考えられ、戻ってくる死者のために家の扉の前に食べ物を置いたり、悪霊を追い払うためかがり火を焚いたりしたそうです。
ガリシアにSamaínは存在しない!?
古代ケルトのSamhainとガリシアのSamaínの言葉だけに注目すると、発音は「サウィン」と「サマイン」で異なりますが、スペルは確かに似ています。
スペイン語で「H」は発音しないので、Samhainをスペイン語風に発音するとサマインとなります。
単語も似ているし、ガリシアはケルト文化圏のひとつとか関係性について話も出るので、つながる部分はあるのかなと漠然と思っていましたが・・
ガリシアの歴史文書の中でSamaínという名前の儀式や祭りがあったことを証明するものはないそうです。(情報元: ¿Cocina de Samaín?)
Samaínに関する本を書いたRafael Lopez Loureiro氏も、
Samaínを証明するものはないが、ここ30年ほどでこの時期に各地で行われていた習慣がガリシアやアラゴン、マドリード、グアダラハラ、クエンカ、サンタンデールやポルトガルの北部でポピュラーになってきている。
と、コメントしています。
ケルトに起源をもつガリシアのSamaínという儀式や行事自体は存在せず、この時期に昔から伝わる文化的伝統もしくは習慣を復活、もしくはガリシアの伝統を主張するために誰かに作られた可能性があるのか?
あくまでも素人がSamaínについて調べた後の感想にすぎませが、もしこのテーマに関して詳しい方がいましたら是非教えてください。m(._.)m
ガリシア各地のSamaínの習慣は?
歴史的に存在を証明したものはないと言っても、Samaínという言葉自体は非常に定着しています。
同じガリシア州内でも場所によってSamaínの習慣や祝い方がが異なります。
例えば、ポンテべドラ県にあるIlla de Arousa(イジャ・デ・アロウサ)では、11月2日に子供たちが周りの家を訪れ、飴の代わりにわずかなお金をもらいに歩くそうです。ガリシア版『Trick or Treat』と言えます。
アロウサの図書館員の女性から直接聞いたのですが、彼女が小さい頃から続いている習慣でアロウサでは11月2日に学校はお休みになるそうです。
コルーニャ県のCedeira(セデイラ)という場所では、「Avisións(アビシオンス)」という白いお化けの仮装をするようです。
出典: https://novascedeira.files.wordpress.com
まだ他にもありますが、各地特有の習慣があることがわかりました。
この時期に食べる有名なお菓子は?
サマイン(もしくはハロウィン)特有のお菓子はありませんが、11月1日の諸聖人の日(キリスト教の全ての聖人や殉教者を記念する祝日)に食べる『Huesos de Santo(ウエソス・デ・サント、聖人の骨の意味)』という甘いお菓子が有名です。
伝統的なものはアーモンドから作ったマサパン(マジパン)の中に卵黄のクリームを詰めていますが、最近ではカラフルでいろんな味のウエソス・デ・サントを作る所があります。
砂糖の甘さが強いので私はあまり好きではありませんが、興味のある人は是非お試し下さい。
まとめ
- ハロウィンの起源であるSamhain(サウィン)は、夏の終わりという意味がある。
- Samhainは夏から冬への移行、収穫の恵みを祝うお祭りである。
- ガリシアではこの時期にSamaín(サマイン)という言葉が使われるが、歴史的にSamainという名前の行事や儀式があったことを証明するものはない。
- ガリシアの各地でSamaínの異なる習慣がある。
- 11月1日の諸聖人の日にはHuesos de Santoという甘いお菓子が有名。
サマインの次の日、11月1日はスペインの祝日『諸聖人の日』。ペネロペ・クルス主演映画を使って紹介しています!
最後まで読んで頂きありがとうございました。