ピカソの作品「ゲルニカ」の意味や時代背景は?美術館での鑑賞ポイントやおすすめの時間は?

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パブロ・ピカソの代表作は色々ありますが、中でも「ゲルニカ」を想像する人が多いかと思います。

ゲルニカ』(Guernica)は、スペインの画家パブロ・ピカソがスペイン内戦中の1937年に描いた絵画、およびそれと同じ絵柄で作られた壁画である。ドイツ空軍のコンドル軍団によってビスカヤ県のゲルニカが受けた都市無差別爆撃(ゲルニカ爆撃)を主題としている。

引用: Wikipedia

絵画というより映画のスクリーンほどのサイズ(3.49m x 7.77m)がある作品は見るものを圧倒しますが、絵の意味がよくわからないという人もいるかもしれません。

 

ソフィア王妃芸術センターでゲルニカを見たいという方を想定し、館内に展示されている他の作品を活用しながら、ゲルニカが描かれた時代背景や意味、そして鑑賞のポイントなどを紹介したいと思います。

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ソフィア王妃芸術センターは現代美術作品を中心に展示しており、下記4つの建物で構成されています。

  • メインの建物であるサバティーニ館(Edificio Sabatini)
  • コレクションの増加により設計されたヌーヴェル館(Edificio Nouvel)
  • レティ―ロ公園内にあるクリスタル宮殿(Palacio de Cristal)とベラスケス宮殿(Palacio de Velázquez)

美術館の入り口は、カルロス5世広場の脇のRonda de Atochaにあり、最寄りの地下鉄駅は1番線のアトーチャ駅になります。

 

美術館の本館からレティ―ロ公園内にある二つの宮殿まで歩いて10分ほどで移動でき、入場料は無料です。ソフィア王妃美術センターの開館時間や入場料はこちらで確認下さい。

 

美術館の無料入場時間は?ゲルニカを見るならいつがいい?

ソフィア王妃芸術センターは、2017年にマドリードで最も来場者数の多かった人気観光スポットです。

マドリードの人気観光スポットを知りたい方はこちらもどうぞ。

マドリード観光におすすめの名所は?2017年ランキング1位は?

 

仕事の帰りに毎日美術館の入り口前を通る友人から「いつも長い行列ができてる。」と聞きました。

 

理由は、月曜日から土曜日の(火曜日を除く)19:00~21:00まで入場無料だからだと思いますが、行列に並ぶ時間が惜しいので、試しに開館時間(10:00)の30分前に行って見ました。

 

国立ソフィア王妃芸術センター入り口

 

人気の観光スポットなので朝でも行列があるかもと思ったのですが、女性がひとりいるだけでした。後から観光客や学生のグループが現れましたが、ゲートが開いてから素早く中に入ることができました。

 

入り口の近くにある観光インフォメーションセンターで、市内地図をもらうついでに美術館を訪れるのにおすすめの時間帯を聞いてみると、

 

「午後は確かに行列はできるけど、スムーズに流れている。でも、どちらかといえば午前中の方がいいと思う。」とのことでした。

 

とはいえ、午前中でも正午前になると観光客や地元小学校の学生グループでゲルニカの前は人でいっぱいでした。

 

訪れる時期やその日によって状況は変わるので絶対とは言えませんが、落ち着いてゲルニカの絵を鑑賞したいなら、朝一がおすすめかなと思いました。

 

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ゲルニカが描かれた時代背景は?作品の展示場所は?

ピカソがゲルニカを描いたのは1937年です。当時、スペインは内戦中で左派と右派が対立していました。

 

第二共和政政府は、5月に開催されるパリ万国博覧会のスペイン館でフランコ率いる右派の横暴を世界に知らせため、当時影響力のあったスペイン人芸術家たちに展示作品の制作を依頼します。

 

1937年のパリ万博博覧会スペイン館

パリ万博スペイン館の模型。(模型の内部でゲルニカの展示された場所も確認できる。)

 

依頼を引き受けたものの、当時のピカソは最初の妻との離婚など複数の問題を抱え、作品制作に集中できる状態ではなかったようです。

 

博覧会開催1か月前の4月26日にドイツ軍がゲルニカを襲撃します。

 

襲撃事件のニュースに心を動かされたピカソはゲルニカの制作にとりかかり、博覧会開始から約2週間後の6月初旬に作品がスペイン館に展示されました。(情報元: 15 Fascinating Facts About Picasso’s Guernica)

 

ゲルニカが展示されているのは、建物2階の206号室です。スペイン館の模型も同じ階にあります。

スペインでは1階を0階と表記するので、日本の感覚では3階になります。

 

展示当初のゲルニカの評価は悪かった?

guernika

出典: http://static.donquijote.org

 

反戦、戦争の悲惨さを訴える作品として非常に有名なゲルニカですが、共和政府側の人間や他のスペイン人芸術家など、もっとゲルニカの悲惨さや抵抗の象徴となるアイコンが描かれた作品を期待していていたので、ゲルニカに満足しなかったそうです。

 

抵抗の象徴となるアイコンと書きましたが、同じく美術館の2階に展示されている下の作品(Madrid 1937 – The Black Planes)に見ることができます。

 

Los-Aviones-Negros-The-Black-Planes

出典: http://thespanishcivilwar.com

固く握られた拳は抵抗の意志を示し、突き上げた拳は主として革命主義者によって抵抗の象徴として用いられる。

引用: Wikipedia

 

ゲルニカの展示部屋には、当時ピカソの愛人だったドラ・マールが撮影したゲルニカの写真が展示されています。

 

作品の制作過程を知ることができる貴重な資料で、ピカソが作品の初期段階で抵抗の象徴であるこぶしを絵の真ん中に描いていたのにもかかわらず途中で消したのが確認できます。

 

作品の中の動物の意味は?

作品の中に描かれた動物は何を意味するのだろうと思いますが、ピカソはこう答えています。

“This bull is a bull and this horse is a horse…If you give a meaning to certain things in my paintings it may be very true, but it is not my idea to give this meaning. What ideas and conclusions you have got I obtained too, but instinctively, unconsciously. I make the painting for the painting. I paint the objects for what they are.”

(引用: 15 Fascinating Facts About Picasso’s Guernica

牛は牛で、馬は馬だ・・・もし私の絵に描かれた特定のものに意味付けをしても、それは正しいかもしれないが、私は意味を持たせようと思って描いていない。あなたが思う考えや結論は、私の中で直観的、また無意識に表れたものだ。私は絵を描くために絵を描き、物があるままの姿を描いているのだ。

描いた本人がそう言うのであれば、これが絶対正しい解釈というのはなくいろんな解釈があっていいのだと思います。

 

馬と牛の間に平和の象徴である鳩の羽がおれて傷ついているという解釈もありますが、ゲルニカが襲撃された日は市場が行われる月曜日で、ドイツ人はそれを承知で空爆を落としたそうです。

 

作品を説明してくれた男性は、襲撃が行われたゲルニカの市場の様子を表現していると教えてくれました。

 

ゲルニカとマラガの悲劇の関係は?

montaje-picasso-k9b-U211974082822hcC-575x350@Diario Sur

出典: http://www.diariosur.es

 

ゲルニカ襲撃の2か月前、1937年2月8日にフランコ軍はピカソの出身地であるマラガを攻め落とし、戦火を逃れて人民戦線支配下のアルメリアへ移動する3,000~5,000人の住民を虐殺しました。(La Desbandá)

 

マラガの虐殺事件よりも2か月後に起こったゲルニカをテーマに選んだピカソですが、絵の制作中に故郷の悲劇を思ったのは疑いようがないとしてゲルニカとLa Desbanda(ラ・デスバンダ)の関連性を指摘する専門家もいます。(情報元: SUR.es)

 

まとめ

  • 1937年、パブロ・ピカソはゲルニカ襲撃の一報を受けてパリ万博博覧会の展示作品「ゲルニカ」を制作した。
  • 展示当初は依頼主のスペイン共和制政府側などからの評価は悪かったが、現在は反戦を訴える代表的作品として有名。
  • マドリードの国立ソフィア王妃美術センターにて展示されている。
  • 展示階では、当時の背景がわかるドキュメンタリーやゲルニカの制作過程を残した写真や世界中を旅した作品に関する重要書類を見ることができる。
  • ゲルニカ目当てに訪れる人が多いので、少しでもゆっくり作品を鑑賞したいなら朝一に訪れるといい。

 

「ゲルニカは、当時の人も理解できなかった。今私たちが作品の意味が分からないと感じるのはおかしなことじゃない。」と作品を解説してくれたスペイン人の男性の言葉が印象に残りました。

 

ソフィア王妃芸術センターで是非ゲルニカを見て欲しいなと思いますが、プラドやティッセン美術館についても書いていますので良かったら合わせてお読み下さい。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラ在住の40代2児のママ。3歳の娘と日々格闘中。スペインの観光や留学生活、サンティアゴ巡礼路に関する情報を発信します。スペイン旅行の悩みに記事内で回答します。問合せ
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