本文では、スペインの女優ペネロペ・クルス主演映画『ボルベール(帰郷)』の
- 映画の冒頭シーンに関係するスペインの祝日
- ペネロペ・クルスが披露する歌「ボルベール」のオリジナルやアレンジ曲の動画
を紹介します。
この記事を読んだ後に、違った視点で映画を見るのもいいかと思います。
是非、読んで見て下さいね。
映画の冒頭シーンが関係するスペインの祝日は?
日本語の字幕がないので簡単に説明します。
ペネロペ・クルス演じる主人公ライムンダが姉のソーレ、娘のパウラと一緒に火事で亡くなった両親のお墓を掃除しています。
共同墓地でライムンダの他にも夫に先立たれた多くの女性がお墓を綺麗にしている姿が見えます。
これは、11月1日の祝日『Día de todos los Santos(日本語で諸聖人の日)』が関係しています。
諸聖人の日とは?
11月1日は亡くなったご先祖様や親族を思い出し敬う日です。
9世紀半ばに、ローマ教皇グレゴリウス4世が
キリスト教の全ての聖人と殉教者を思い出す祝日を全カトリック教会に普及しようとしたのが起源だそうです。
宗教心の強い方や伝統を重んじる人は、11月1日(もしくは数日前に)に
『あなたのことを忘れてはいませんよ』という意味を込めてお墓を訪れます。
亡くなった方へ贈り物としてお墓に備える花を買います。
この時に選ばれる主な花は菊、カーネーション、ナデシコ、グラジオラス、バラなどです。
スペインの花屋さんにとって、バレンタイン・デーや母の日と並んで、諸聖人の日は大事な稼ぎ時です。
この日だけで年間売り上げの10%以上を占めるそうです。
(情報元: Comprar flores para todos los santos, 20-oct-2017)
いずれにしても、日本のお盆と似ている部分がありますね。
映画中に流れる歌「ボルベール」とは?
映画の中でライムンダが歌を披露するシーン。
映画を見て「この歌いいな!」と思った人は結構いるのではないでしょうか?
この歌のタイトルは映画と同じく「ボルベール(Volver)」。
フラメンコ歌手Estrella Morente(エストレージャ・モレンテ)が歌うこの曲のフラメンコバージョンを使い、
ペネロペ・クルスはEstrella Morenteの歌に合わせて口パクで身振り手振りを付けています。
次に、オリジナル曲を紹介します。
歌「ボルベール」のオリジナル曲は?
1935年にAlfredo Le Pera(アルフレド・レ・ペラ)が作詞し、
タンゴ歌手のCarlos Gardel(カルロス・ガルデル)が歌ったのがオリジナルです。
名曲は、色んな歌手により歌われています。
次に、エストレージャ・モレンテ以外にどんな歌手によって歌われ、曲の雰囲気もどう変わるか紹介します。
有名歌手による『ボルベール』紹介
若い人からしたら『それって誰?』という反応だろうなと思いますが(笑)、下記2パターンを紹介します。
Trio los Panchos(トリオ・ロス・パンチョス)
1940年代に結成されたラテン音楽グループで、
- Besame mucho(ベサメ・ムーチョ)
- Quizas, quizás, quizas(キサス・キサス・キサス)
などのヒット曲があります。
1960年代に来日し、日本でも有名になったグループです。
Rozalén
まとめ
- ペネロペ・クルス主演の映画「帰郷」は、スペインで11月1日に祝われる諸聖人の日のお墓詣りに備えてお墓を掃除する女性達を撮ったシーンから始まる。
- 諸聖人の日はキリスト教の全ての聖人や殉教者を思い出すためにカトリック教会に普及された祝日。
- スペインの諸聖人の日と日本のお盆は似ているところがある。
- 映画のタイトルと一緒の「ボルベール」という曲は1935年のタンゴの曲がオリジナル。
- 現在まで多くの有名アーティストに歌われている。
諸聖人の日の前日はハロウィン
ガリシア州では、ハロウィンでなくサマインと呼ばれます。
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スペインの祝日情報
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