この記事では、スペインの医療制度の簡単な説明と旅行や巡礼中の緊急時に使える携帯アプリを紹介します。
ひとり旅で具合が悪くなったら、言葉や文化の違う国でどう対応していいかわからないですよね。
スペインの医療制度や緊急時の対応の仕方に関する事前知識があると、
素早く行動できて最悪の状況を防ぐことができます。
是非参考にして下さい。
スペインの医療制度とは?
スペインの中央政府がヘルスケアサービスのベースを定めますが、
実際の医療サービスの多くは自治州の管轄になっています。
どの自治州に行っても基本的な医療サービスの条件やレベルが保たれますが、
自治州によって対応が違う面もあります。
スペイン国内には、
- 医療センター(Centro de Salud、セントロ・デ・サルー)
- 病院(Hospital、オスピタル)
があります。
医療センターと病院の違い
自分が住む地区の医療センターでは、プライマリ・ケア(一次医療サービス)が提供されます。
具合が悪くなった時に最初に相談するホームドクターや小児科、また助産士などがいます。
一方、プライマリ・ケアの現場で解決できない専門的・緊急の治療を担当するのが病院で、公立と私立があります。
平日の医療センター営業時間外や週末には、病院の緊急センター(Urgencias)へ行く事ができます。
公立の病院の緊急センターでは、患者の症状によってアテンドの優先順位が決められます。
重要度の低い症状で緊急センターへ行っても、お医者さんに診てもらうまでに3時間待ちは珍しくありません。
サンティアゴ大学の外国人コースでは、プライベートの医療保険が含まれていたので、
具合が悪くなった学生に付き添って何度も私立病院の緊急センターへ行きましたが、
訪れる時間によってはほとんど待たずに診断を受けることもできました。
スペイン滞在時の日本人観光客は、海外旅行保険と契約している私立の病院で診断を受けるのをおすすめします。
スペインの薬局の目印は?
薬局「Farmacia(ファルマシア)」は、緑の十字架が目印です。
Parafarmacia(パラファルマシア)という薬局に似た店もあります。
- Farmaciaでは、処方箋の医薬品や抗生物質などを購入できる場所。
- Parafarmaciaでは、健康や美容、赤ちゃんのおむつなどが買える。
Farmaciaに働くスタッフは必ず薬剤師などの専門家でないといけないのに対し、
Parafarmaciaは100%義務付けられていないので薬剤師でないスタッフが働いている可能性もあります。
緊急時用電話番号は何番?
緊急通報ダイヤル番号は112番で無料。
以前は、地元の警察や消防車、救急車とそれぞれ番号が違っていたのですが、
1998年からEU加盟国全て緊急時には112番に統一されました。
自分の携帯会社の電波が通じない場所でも、他の携帯会社の電波が通っていればそれを利用し、
SIMカードのPIN(パスワード)がわからない場合やSIMカードが入っていなくても
112番に電話することができるようです。
注意
緊急用番号の対応言語は?
対応言語はスペイン語ですが、観光地では英語・フランス語・ドイツ語でも対応可能なようです。(情報元: Spain.info)
112番につながったら?
固定電話からの112番通報では所在地を特定できますが、
携帯電話からだと大体の位置を把握しても正確な場所を特定できません。
スペイン巡礼中など、人通りの少ない田舎の道を歩いていて携帯電話から112番をかける場合は、
素早く簡潔に自分の居場所や状態をオペレーターに伝えることが重要です。
112番を利用した日本人巡礼者の実際ケース
スペインで救急車の手配や病院での治療費はどうなのかという点にも触れています。
緊急時に使える携帯アプリ

という方もいるでしょう。
そんな方は、これから紹介する2つの携帯アプリをチェックして下さい。
携帯に無料でインストールし、ジオロケーションという技術を使って自分の現在地を112番に知らせることができます。
My112
出典: https://www.tuexpertoapps.com
step
1IphoneもしくはAndroidでインストールし、アプリを開く
step
2SNSメッセージの送付、画像やコンタクトなどへのアクセスを許可
注意
step
3電話番号を入力
この後に、EmergenciaとAvisosというボタンが出てくるので、緊急時にEmergenciaのボタンを押して下さい。
Alpify - Safe 365
出典: https://s03.s3c.es
IphoneもしくはAndroidでインストールします。(名前がSafe365と表示。)
step
2SNSメッセージの送付、画像へのアクセスを許可
Permitir(許可する)のボタンを押します。
step
3携帯番号と名前を登録
step
4コンタクト情報へのアクセス申請も許可
すると、SERVICIO DE EMERGENCIAと書かれた赤い丸ボタンが表示されます。
緊急時にアプリを起動して、この赤いボタンを押すと112番に正確な所在地を送ることができます。
山など歩き始める前にアプリを起動しておくと、自分が歩いたルートも記録されます。
どちらがおすすめ?
どちらもスペイン全土で使ますが、全ての自治州で同じように機能するわけではありません。
アプリのサービスと各自治州の112番が統合されていると、直接連絡が飛ぶので素早く連絡が行くようです。
旅行・滞在する地域
各アプリと連携している自治州の112番センター情報を参考にして決めると良いでしょう。
My112
- Madrid
- Castilla y León
- Islas Baleares
- Cataluña
- Cantabria
- Melilla
Alpify
- Andorra
- Aragón
- Cantabria
- La Rioja
- País Vasco
- Extremadura
- Galicia
まとめ
- スペインでは、プライマリケアを担当する健康センター(Centro de Salud)と専門・緊急医療を担当する病院(Hospital)がある。
- 医療センターが全て公共の機関に対し、病院は公立と私立がある。
- 緊急時のダイヤル番号は112番。
- 携帯電話からの通報は、具体的な位置と自分の症状を伝えるのが大事。
- 携帯に無料のアプリケーションをインストールして、112番に自分の場所を伝える事もできる。
最後まで読んで頂きありがとうございました。